コニシキソウ除草剤と芝の防除と対策

芝地に侵入しやすいコニシキソウを、発生前の土壌処理と生育期の茎葉処理で効率よく抑える考え方を整理し、薬剤選び・散布の注意点・再発防止の管理まで農業従事者向けに深掘りします。芝を守りながら発生を減らせますか?

コニシキソウ 除草剤 芝

コニシキソウ対策は「発生前」と「生育期」で分ける
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土壌処理で発生を抑える

発芽が一斉でないため、基本は土壌処理で“出さない”設計にする。

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茎葉処理で見えた株を止める

匍匐して刈り取りにくいので、初期にスポット処理して結実を止める。

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乳汁と散布安全を押さえる

白い乳汁は皮膚刺激になる場合があるため、手袋・保護具と作業動線を徹底する。

コニシキソウの発生時期と防除の基本


コニシキソウ(Euphorbia supina)は一年草で、茎が地表を這うように広がり、刈り込みの低い芝地でも“マット状”になって残りやすい雑草です。
芝地では、芽数(密度)が落ちて土が見える裸地部ほど侵入しやすい、という性質が指摘されています。
発生時期は主に5月〜8月とされ、発芽が一斉ではなく「一度枯らしてもまた発生してくる」点が現場での難しさになります。
この特性から、コニシキソウ対策は大きく2段構えが合理的です。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/4c691748b9947422d37deca51e1e4d6bee74742d

1つ目は、発生前〜発生初期に土壌処理剤で“出芽そのものを減らす”こと。


参考)302 Found


2つ目は、生育期に見つけた個体を茎葉処理(必要なら展着剤)で確実に止め、9〜10月の結実・種子散布を防いで翌年の母数を減らすことです。

また、コニシキソウは茎や葉を切ると白い乳汁が出るため、抜き取りや刈り込み時の扱いにも注意が必要です。


乳汁に触れて皮膚症状が出る人もいるため、手袋などの保護具を前提に作業計画を組むのが安全です。

コニシキソウに効く土壌処理と選び方

芝地の防除は「基本的に土壌処理剤で発生させないようにするのがよい」とされ、コニシキソウは発芽がだらだら続くため、発生前の設計が特に効きます。
発生前の薬剤例として、芝地向けにスペクタクルフロアブル等が挙げられています。
同じく、発生前および発生初期にデスティニーWDGが挙げられており、「発生前〜初期」の窓を狙って雑草の波を小さくする考え方が取りやすいです。
土壌処理で失敗しやすいのは、「散布の1回でシーズンを通す」発想に寄り過ぎるケースです。

発芽が一斉でない以上、圃場の裸地化(乾燥害、病虫害、踏圧)で芝密度が落ちると、後追いで侵入が起こりやすくなります。


つまり、薬剤の話に見えて、実は“ターフを薄くしない管理”が薬効の土台になります(灌水施肥・病害虫対応で裸地部を作らない)。


農業従事者の現場目線でのコツは、土壌処理剤を「雑草が見える前の作業」に組み込むことです。


例えば、春先の更新作業や目土のタイミングに合わせて「発生前処理」を計画し、同時に芝密度を上げる動き(芽数確保)に寄せると、薬剤・管理が噛み合います。


“裸地部に出やすい雑草”という前提を置くと、薬剤だけでなく、裸地を作らないこと自体が防除になります。

コニシキソウの茎葉処理と展着剤

コニシキソウは匍匐するため、モア(芝刈り)にかからず「刈り飛ばすことができない」タイプとして扱われます。
そのため、生育期に残った株は、スポットで茎葉処理して“結実させない”のが実務上の要点です。
特に9〜10月に結実して種子が飛び散ると翌年多発しやすいとされ、秋の取りこぼしが翌年の負担に直結します。
生育初期には、茎葉兼土壌処理剤のSU剤(例:エトキシスルフロン、ハロスルフロンメチル、フラザスルフロン)を処理する、という方針が示されています。

また、生育期に入ってしまったものは、ホルモン剤などの茎葉処理剤(例:トリクロピル、MCPP)に展着剤を加えたものを使用して防除する、という実務寄りの指針があります。

展着剤を加える理由は、匍匐して葉が低い雑草ほど薬液が弾かれたり流れたりしやすく、付着性の差が効き目の差になりやすいからです(特に芝は葉面が細く、散布液が地表に落ちやすい)。

MCPPは芝生の広葉雑草に効果を発揮し、製品例としてシバキープAL(成分MCPP)がコニシキソウに効く旨が整理されています。


参考)スギナや広葉雑草に効く、芝生除草剤MCPP液剤について徹底解…

一方で、芝の種類・生育ステージ・気温条件で薬害リスクや効き方は変わるため、ラベル記載の適用芝種・希釈倍率・散布量・散布回数の上限を最優先にしてください(“濃くすれば強い”は事故の元です)。


参考)コニシキソウ駆除のポイント|自分でできる対策と業者を活用すべ…


現場での段取りとしては、次の順に組むとやり直しが減ります。


  • まず発生前の土壌処理で母数を落とす(春〜初夏)。
  • 見えた個体は、生育初期にSU剤などで叩いて結実を止める。​
  • 生育期に残った株は、MCPP等の茎葉処理で“点”で潰し、秋の種子散布を防ぐ(展着剤も検討)。​

コニシキソウを増やす芝の条件

コニシキソウは好光性で、ターフの芽数が少ない所、つまり裸地部に発生しやすいとされています。
ここが意外な落とし穴で、除草剤を頑張っても、芝密度が落ちる管理(乾燥害、病虫害、踏圧、過度な低刈り)を続けると、翌週・翌月に別の“発生波”が来ます。
逆に言うと、芝が詰まって地表が陰になるだけで侵入余地が減るため、薬剤だけでなく「裸地を作らない」をKPIにすると防除が安定します。
また、コニシキソウは低刈に耐え、マット化しやすいという性質があり、芝刈りで“見えなくなる”のに根絶できない、という状況が起こりがちです。

ここで無理に刈高を下げ続けると、芝が弱り芽数が落ち、結果として裸地部が増える、という逆回転になりやすい点は現場で見落とされがちです。

刈高・施肥・灌水・目土のバランスは圃場条件で変わりますが、少なくとも「芝が薄くなる方向に管理しない」ことが、コニシキソウの侵入圧を下げます。


農業従事者向けに言い換えると、コニシキソウは“薬剤抵抗性がどうこう以前に、圃場の隙を突く雑草”です。


だから、除草剤散布を単発作業にせず、ターフ密度(芽数)とセットで評価し、裸地部が出た場所は「除草」より先に「芝を戻す」意思決定を入れると、翌年の散布回数自体が減ります。


コニシキソウの乳汁と作業動線

コニシキソウは、切り口から白い乳汁が出るのが特徴で、確認にも役立ちます。
一方で、この乳汁に触れて皮膚がかぶれたりする症状が出る人もいるため、慎重に扱う必要があるとされています。
抜き取り・草取りをする場合は、手袋、長袖、目の保護(こすらない)を基本にし、作業後に手洗いを徹底してください(芝刈りや草取りは汗で顔を触りがちです)。
少し意外な実務ポイントは、「除草作業の動線」です。

例えば、コニシキソウが多い区画を最後に回し、作業後に手袋・衣服・道具を洗浄できる順番にしておくと、乳汁の付着トラブルや他区画への種子持ち出しリスクを減らしやすくなります。

また、結実前に作業することが翌年密度を左右するため、秋に“見えた株だけでも止める”意識が最終的にコストを下げます。

【参考リンク:コニシキソウの発生生態(好光性・発生時期)と、SU剤・ホルモン剤+展着剤での防除方針】
関西グリーン研究所 雑草DB(コニシキソウの仲間)
【参考リンク:形態(匍匐・マット化・白い乳汁)と、発生前処理(スペクタクルフロアブル等)という防除の考え方】
エンビュークロップサイエンス(コニシキソウ)




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