カブラハバチ類の被害は、アブラナ科(ダイコン、コマツナ、ミズナ、ハクサイ、カブなど)で出やすく、やわらかい葉が狙われやすいのが特徴です。
食害痕はモンシロチョウやヨトウムシの被害と似ますが、「太い葉脈を残し、葉の縁から食べ進む」パターンがよく見られ、古い葉はあまり加害しない傾向があります。
幼虫は黒いイモムシ状で「ナノクロムシ」とも呼ばれ、体長15~18mm程度まで大きくなります。
現場で一番の見分けポイントは、幼虫に触れる・株が揺れるなどの刺激で、葉からポロッと落下して丸くなる習性があることです(見落としやすいので要注意)。
発生は地域・標高でズレますが、平地では盛夏に少なく春と秋に多く、高冷地では夏~初秋の発生が多い、と整理すると防除計画が立てやすいです。
成熟した幼虫は土中で繭を作って蛹化し、越冬は繭内の幼虫のまま行うため、「いま畑にいる幼虫」だけを見ていると次の波を読み違えます。
産卵は葉の周縁部の葉肉中に1卵ずつ産み込まれるので、葉裏だけでなく“葉縁の組織内”も意識して観察すると初期発見が早まります。
圃場周辺のナズナやイヌガラシなどの雑草が発生源になり得るため、作物の列間だけでなく外周・畦畔の雑草管理までが「駆除の一部」です。
幼虫は集団で暴食され、地上部を食べ尽くされるほど多発することがあるので、薬剤を考える前に「目の前の個体数を減らす」初動が収量・品質を守ります。
手取り・葉ごと除去をするときは、刺激で落下して丸くなる性質があるため、「落下させない動作」と「落ちても回収できる段取り」を先に作るのがコツです。
具体的には、株の下に受け皿(バット)や袋を添える、畝肩にシートを軽く敷く、切り取った葉はその場に置かず即回収して圃場外へ出す、など“回収設計”が効きます。
意外と効く小技は、成虫が葉上でフワフワ飛んでいるのを見た段階で点検頻度を上げることです(幼虫が出てからでは手取りが間に合わないことがあります)。
予防の主軸は、成虫の侵入と産卵を抑えることなので、防虫網(2mm目程度以下)や寒冷紗で被覆する方法が基本になります。
ポイントは「見えてから張る」ではなく、定植・播種の直後から隙間なく管理して、成虫が入り込むタイミングを作らないことです(端のすき間が弱点になりやすい)。
また、風通しが悪いと発生しやすいとされるため、密植を避ける・過繁茂部を整理するなど、栽培管理も“発生確率を下げる駆除”として組み込みます。
ネット+雑草管理(ナズナ等)をセットにすると、圃場内の対処だけでは減らし切れない「外からの供給」を止めやすくなります。
カブラハバチ類の幼虫は見た目がイモムシに似ますが、BT剤は効果がないため、チョウ目害虫と同じ感覚で薬剤選定すると失敗します。
化学合成農薬でも、チョウ目害虫とは効果が異なる場合があるので、「カブラハバチ(類)」で登録と適用を確認してから使うのが安全です。
登録薬剤の例として、マラソン、モスピラン、プレバソン、ハチハチ、オルトランなどが挙げられていますが、掲載情報は更新され得るため、最終判断は必ずラベルと最新登録で行ってください。
薬剤抵抗性の発達を避けるために同一系統の連用を避け、ローテーション散布を心がける、という考え方も同ページで注意喚起されています(防除暦や防除所の指導とセットで運用します)。
被害・発生・防除の基礎(形態、発生時期、ネット目合い、雑草管理、登録薬剤例)
カブラハバチ類(被害・発生・防除・薬剤の要点)
BT剤が効かない理由、卵が葉の組織内にある点など「チョウ目害虫と同じに見えて違う」注意点
カブラハバチ類の特徴と防除方法(BT剤は効果なし等)