牛糞堆肥の成分と窒素リン酸カリCN比

牛糞堆肥の成分(窒素・リン酸・カリ・CN比)を、表示値の読み方から施肥設計、施設栽培での注意点まで農業現場目線で整理します。あなたの圃場では「窒素基準」で組むとリン酸・カリが過剰になっていませんか?

牛糞堆肥の成分とCN比

牛糞堆肥の成分を「使える形」に翻訳する
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まず見るのはN・P・KとCN比

牛ふん堆肥は現物%のNPKとCN比で性格が変わります。表示・分析値を起点に「肥効率」で実効成分へ換算するのが安全です。

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窒素は控えめ、リン酸・カリは効きやすい

窒素は年内に全部は効かず、リン酸・カリは効きやすい前提で設計します。窒素で合わせるとP・Kが過剰になりやすい点が落とし穴です。

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施設はEC・ガス障害までセットで考える

堆肥の成分を無視すると塩類集積(EC上昇)や未熟堆肥のアンモニア等でトラブルになります。完熟・施用量・土壌分析が要です。

牛糞堆肥の成分の基本(窒素・リン酸・カリ・CN比)


牛糞堆肥の成分は、まず「窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)」の三要素と、「CN比(炭素と窒素の比)」で全体像がつかめます。茨城県の資料にある流通堆肥の平均値では、牛ふん堆肥(現物%)は窒素1.3、リン酸1.6、カリ1.9、CN比19.2と示されています。
同じ家畜ふん堆肥でも畜種で成分が大きく異なるため、「牛ふんだからこのくらい」と決め打ちせず、扱うロットの表示値・分析値を起点にするのが現場向きです。
牛ふん堆肥は、一般論として鶏ふん・豚ふんより三要素が少なめになりやすい一方、投入量が多くなりがちな資材です。農研機構のマニュアルでも、堆肥成分は畜種だけでなく副資材(おがくずもみ殻等)や製造方法、季節で変動しうると明記されています。


ここが重要で、同じ「牛糞堆肥の成分」という言葉でも、乾物%か現物%かで数字の意味が変わります。流通・表示の多くは現物%で語られるので、設計の出発点としては現物%で統一しておくと事故が減ります。


参考)https://iojs.unida.ac.id/index.php/IJAR/article/view/555

実務での見方を、次の順番にすると理解が早いです。


  • 🧾 表示値:窒素・リン酸・加里(カリ)の含有率は表示が義務づけられているため、まずここを確認します。
  • 🧮 CN比:おおよその窒素肥効(効きやすさ)や土づくり寄りかを判断する材料になります。​
  • 🧴 EC(電気伝導度)や水分:ロット差を疑う材料で、牛ふん堆肥では水分率やECと窒素含量に相関があるため、簡易推定の考え方も提示されています。

牛糞堆肥の成分と肥効率(窒素30%・リン酸80%・カリ90%の考え方)

牛糞堆肥の成分をそのまま「化学肥料と同じ効き」とみなすと、施肥設計がズレます。茨城県の資料では、家畜ふん堆肥の肥料効果は「全含有量×肥効率」で見積もる考え方が示され、牛ふん堆肥の肥効率は窒素30%、リン酸80%、カリ90%とされています。
つまり、同じNPKの“含有量”でも、作物が使える“実効成分”は要素ごとに違う前提で組む必要があります。
特に窒素は要注意で、肥効率が畜種・施用時期・連用年数でも変動しうるため、堆肥で窒素施肥を代替する場合は「基肥量の50%を上限とする」基本方針が示されています。

現場的に言うと、牛糞堆肥は「窒素は控えめに当て、リン酸・カリは想像以上に入っている」資材になりやすい、という設計上のクセがあります。茨城県の資料でも、堆肥はリン酸・カリが偏重になりやすく、窒素を基準にするとリン酸やカリが施肥基準以上になる場合がある点が指摘されています。

計算の型を一度作ると、毎年のブレが減ります。


  • 🔢 実効成分(kg/10a等)=施用量×含有率×肥効率
  • 📌 窒素は「基肥の一部置換」から始め、リン酸・カリは「総量」で管理する(基肥+追肥を対象)という整理が資料内で明確です。​

牛糞堆肥の成分の変動(副資材・製造時期・表示の読み方)

牛糞堆肥の成分は一定ではなく、「どの牛ふんか」より「どう作られ、何が混ざり、いつ出たか」で数字が動きます。農研機構のマニュアルでは、牛ふんを主原料とする堆肥でも副資材(おがくず、もみ殻等)や製造方法で成分量が異なり、同じ製造場所でも季節等で変動が見られるとされています。
この変動があるからこそ、表示値(N・P・K)を毎ロット確認するのが「面倒でも最も効くコスト削減」になります。窒素・リン酸・加里の含有率は表示が義務づけられているので確認するとよい、と同マニュアルに書かれています。
さらに一歩踏み込むと、「窒素は総量だけ見ても危ない」です。施用当年の窒素肥効は、堆肥に含まれる無機態窒素(アンモニア態・硝酸態など)と、無機化率に影響されると整理されています。


肉牛ふん堆肥は無機態窒素量が多く無機化率も高く、当年肥効が高い一方、乳牛ふん堆肥は無機態窒素量が少なく無機化率も低く、当年肥効が低い傾向が示されています(例外もある、という注意も含む)。


現場で「意外に効いた/効かなかった」を減らすチェック項目は次です。


  • 🧾 NPK表示:最低限ここは必須(施肥設計の起点)。
  • 🌾 副資材:もみ殻系か木質系(おがくず等)かで連用効果の出方が変わるとされています。
  • 📅 製造時期・ロット:同一地点でも時期で変動しうる前提で、過去の数値を“参考”に留めます。

牛糞堆肥の成分を施肥設計に落とす(リン酸・カリ過剰を防ぐ)

牛糞堆肥の成分を施肥設計に使うときの落とし穴は、「窒素で合わせたらリン酸・カリが入れすぎになった」というパターンです。茨城県の資料では、堆肥の有効成分はリン酸・カリが偏重になりやすく、窒素を基準に施肥設計をするとリン酸やカリが施肥基準以上になる場合があり、土壌への過剰蓄積が懸念されると説明されています。
したがって実務の順番は、(1) まずリン酸かカリのどちらか“制限要素”を決めて堆肥量を上限設定し、(2) 不足する窒素だけを化学肥料等で補う、が安全側です。
設計の考え方(手順)を、資料に沿って現場用に短くするとこうなります。


  • ✅ ①堆肥の有効成分量を出す:成分量×肥効率(窒素30%、リン酸80%、カリ90%のように換算)で、使える量に直します。​
  • ✅ ②窒素は基肥の範囲内で:堆肥での窒素代替は基肥量の50%上限を基本とする指針があります。​
  • ✅ ③リン酸・カリは総量で:基肥+追肥の総量を対象に、堆肥での代替は100%まで見込む整理が示されています。​

また、牛ふん堆肥を毎年入れる圃場では「連用」で見え方が変わります。農研機構のマニュアルでは、堆肥の連用で地力が高まり土壌から供給される窒素量が増加し、化学肥料を削減できる一方、連用効果の出方は副資材等で異なると整理されています。


“今年のN”だけで判断せず、「前年までに入れた堆肥由来の窒素が次作以降に徐々に供給される」前提で、土壌診断等を活用しながら施肥量を決めるべきだと明記されています。


牛糞堆肥の成分と施設栽培(EC・硝酸・アンモニアの独自視点)

検索上位では「畑の土づくり」文脈が多い一方で、施設栽培は牛糞堆肥の成分が“症状”として出やすいので、ここは独自視点として強調します。茨城県の資料では、施設栽培は塩基類や硝酸イオン等が土壌表層に集積してECが高まりやすく、堆肥の肥料成分を考慮しない施肥はEC上昇による根の吸水障害リスクを高めると説明されています。
同資料では、家畜ふん堆肥の中では牛ふん堆肥が「ECを上昇させやすい硫酸イオンの含有量が低い」としつつも、成分を考慮して化学肥料を減らすことで塩類集積を抑える、という“設計で防ぐ”方向が示されています。
さらに、未熟堆肥は「成分」以前にガス障害の引き金になります。資料では、未熟な堆肥を多量施用すると有機物分解で生じたアンモニアが、ハウス内の急な温度上昇でガス化し、中下位葉の黄化や葉脈間の褐変等が生じるとされています。

また硝酸態窒素が多くpHが低下すると硝酸菌の活性が低下し、亜硝酸が蓄積してガス化する恐れがある、という一段踏み込んだ注意も載っています。

施設での実務チェック(入れ子なし)

  • 📏 土壌分析:EC、pH、硝酸態窒素の結果を見て堆肥量を決めるべきだと示されています。​
  • 🧯 完熟の確認:未熟堆肥の多量施用はアンモニア等のガス障害リスク。​
  • 🧂 追肥設計:堆肥で入ったP・Kを差し引いて追肥を組む(成分を無視しない)。​

有用:家畜ふん堆肥のNPK平均値とCN比、肥効率(牛ふん堆肥は窒素30%・リン酸80%・カリ90%)、施設でのEC・ガス障害の注意点
園芸作物の家畜ふん堆肥による化学肥料代替技術 - 農業いばらき
有用:牛ふん堆肥は副資材や季節で成分が変動すること、NPK表示の確認が重要なこと、無機態窒素と無機化率で当年肥効が変わること、連用で窒素供給が増える考え方
牛ふん堆肥の連用と施肥設計マニュアル(農研機構)




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