つつじの施肥でまず外せないのが、真冬に入れる「寒肥」です。館林市の管理資料でも、施肥は真冬に寒肥、花後にお礼肥、秋に追肥として緩効性の化学肥料や油粕などを施す、と整理されています。つつじは春の芽出しから開花までに体力を使うため、寒肥は“春の立ち上がりの燃料を土中に仕込む”役割として考えると現場で判断しやすいです。
寒肥の材料は、分解が緩やかなものを軸にします。油粕などの有機質や緩効性の肥料は、土中で微生物分解を経て効くため、寒い時期に入れても春に向けてじわじわ効かせやすい、という扱いがしやすいです。特に庭植えでは、寒肥を「効かせる」よりも「切らさない」発想に寄せると失敗が減ります。
注意点は“根の浅さ”です。館林市の資料は、つつじは根が浅いので肥料焼けを防ぐため株元から離れた場所(枝の張っている範囲の外周部あたり)に施肥する、と明記しています。株元近くへ集中して入れると、肥料成分の濃度が上がりやすく、根を傷めて春の芽吹きが鈍る原因になり得ます。
農業従事者の現場目線でのコツは、寒肥の作業を「雨・雪の直前」や「十分に潅水できる日」に合わせることです。肥料が一点に残り続けると局所高濃度になりやすいので、施用後に水で馴染ませる(または降雨を利用する)と事故率が下がります。
参考:つつじの寒肥・お礼肥・秋の追肥(緩効性や油粕、施肥位置、剪定時期までまとまった自治体資料)
https://www.city.tatebayashi.gunma.jp/tsutsuji/020/020/sodatekata.pdf
開花後に入れる「お礼肥」は、つつじが消耗した体力を回復させ、次の生育(枝の伸長)に繋げるための施肥です。Noukawebの解説では、関東地方以西の目安として、5月にお礼肥、5〜6月に剪定という流れで整理され、庭植えでは骨粉や油かすなどの有機肥料または緩効性化成肥料を樹冠下に撒く、とされています。館林市の資料でも、花後にお礼肥を施すことが基本として示されています。
お礼肥の時期を外すと何が起きるか。ひとつは、花後の枝葉の充実が遅れて、夏までに「翌年の芽を作る材料」が足りなくなることです。館林市の資料には、つつじの花芽は前年の夏に作られるため、剪定は開花後なるべく早い時期(6月上旬まで)に行い、夏以降の剪定は翌年咲かない原因になる、とあります。つまり、花後〜初夏は「施肥(回復)→剪定(整枝)→新梢を伸ばして枝を充実」の勝負どころです。
お礼肥でありがちな失敗は「速効かつ多量に入れてしまう」ことです。花後は樹が動いているので効かせたくなりますが、窒素過多は徒長を招き、樹形が乱れたり、風通しが悪化して病害虫の温床になりやすい面があります。緩効性で量を守り、置き場所を外周寄りにして、じわっと効かせる方が再現性が高いです。
また、鉢植えは乾湿が激しいため、同じ量でも効き方が変わります。Noukawebは鉢植えの場合、固形有機肥料または緩効性化成肥料を置き肥するとしています。鉢では「少量を複数回」の方がブレが小さく、肥料焼けや急な濃度変化を避けやすいです。
寒肥とお礼肥が柱ですが、樹勢や花数を安定させたい現場では「秋の追肥」も効きます。館林市の資料は、秋に追肥として緩効性の化学肥料や油粕などを施すとし、さらに剪定の注意(花芽は前年夏に作られる)を明確にしています。Noukawebも「寒肥・お礼肥・夏肥・秋肥」のタイミングがあり、秋肥はリン酸とカリウム成分を主体に施す、と整理しています。
秋に窒素を強く効かせすぎると、柔らかい新梢が伸びて冬の寒風で傷みやすくなることがあります。そこで秋は「花芽を育てる」「越冬に備える」という目的に寄せ、リン酸とカリを意識した設計にします(製品は花木向け配合や緩効性化成など、手持ちの資材でOKです)。Noukawebには秋肥の目安量(庭植え1株あたり50g程度、鉢植え5号で10g程度)が例示されています。
秋の追肥を入れるかどうかの判断材料は、葉色と伸び、そして花後から夏にかけての枝の充実です。夏の高温期に無理な有機を入れるより、秋に回して緩効性で穏やかに効かせる方が管理は楽になります。Noukawebでも夏肥は「暑い夏場の追肥なので、有機肥料は避けた方が無難」とされています。
ここで重要なのは、秋に“整枝のつもりで強剪定しない”ことです。館林市の資料の通り、夏以降に剪定すると翌年の花が減る原因になります。秋は肥料で支え、剪定は花後に寄せる、という作業設計が、花数の年変動を小さくします。
つつじの施肥で事故が起きやすいのが肥料焼けです。館林市の資料は、つつじは根が浅いので肥料焼けを防ぐため株元から離れた場所(枝張り外周)に施肥する、と具体的に示しています。Noukawebも、つつじは狭い範囲にまとまった根を分布させるため、根や幹を傷める肥料焼けを起こさないよう「用土や土中に混ぜ込む方法は避け、地表に撒くか置き肥する方法を原則」としています。
現場で効くチェック項目を、入れ子にしない箇条書きでまとめます。
意外に見落とされがちなのが「深植え+施肥」のコンボです。館林市の資料は、つつじの根は地表近くに張るため深植えは厳禁で、根腐れの原因となる、と注意しています。深植えで根が弱っていると、少量の肥料でも吸収と浸透のバランスが崩れ、焼けやすい・落葉しやすい、というトラブルに繋がります。
参考:つつじの年間作業(寒肥・お礼肥・秋追肥、肥料焼け回避、剪定の期限、病害虫の要点がまとまっている)
https://www.city.tatebayashi.gunma.jp/tsutsuji/020/020/sodatekata.pdf
ここは検索上位の定番(寒肥・お礼肥・秋肥)を踏まえたうえで、現場で差が出る“締切管理”の話です。つつじは「翌年の花芽が前年の夏に作られる」ため、開花後の剪定は6月上旬までに行い、夏以降の剪定は翌年咲かない原因になる、という点が館林市資料に明確です。つまり、肥料の時期だけ正しくても、剪定や刈り込みのタイミングが遅いと、せっかくの施肥が花数に繋がりにくい年が出ます。
独自視点として提案したいのは、「肥料の作業カレンダー」ではなく「花芽の締切から逆算した工程表」を作ることです。例えば、花後にお礼肥を入れても、その後の刈り込みが遅れて新梢が伸びる期間を潰すと、夏に枝が充実しないまま“花芽を作る季節”に入ってしまいます。館林市資料の説明(花芽は前年夏、剪定は6月上旬まで)を工程管理のルールに落とし込むと、担当者が変わっても品質が安定します。
実務で使える、簡易な工程ルール例を示します(地域差はあるので「月」より現象で判断します)。
つつじは丈夫なので「肥料を多く入れれば花が増える」という単純な作物ではありません。むしろ、根が浅い・花芽が夏に決まる・剪定の締切が早い、という性質を理解し、肥料の時期を剪定とセットで運用した圃場(植栽帯)が翌年の花数を安定させます。館林市資料のような自治体の管理指針は、観光資源として花を安定させる目的で整理されているため、農業現場の“再現性”にも相性が良いです。