ケイカル肥料 デメリット 石灰 施用 pH

ケイカル肥料のデメリットを、土壌pH・拮抗作用・作物別の失敗例から整理し、土壌診断で回避する考え方まで解説します。あなたの圃場で「やりすぎ」を防げていますか?

ケイカル肥料 デメリット

ケイカル肥料のデメリットは「効き方のクセ」と「土の反応」に出る
📌
pHが上がりやすい

アルカリ分を含むため、酸度矯正のつもりが過剰矯正になりやすい点が要注意です。適正pHから外れると別の障害が出ます。

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拮抗作用で欠乏が出る

石灰が増えると苦土・加里・微量要素の吸収が抑えられ、成分はあるのに効かない状況が起きます。

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土壌診断が前提

「必要な圃場だけ」「必要な量だけ」が基本です。pHと有効態ケイ酸などを見て施用設計すると失敗を減らせます。

ケイカル肥料 デメリット pH 上昇


ケイカル(ケイ酸石灰)はアルカリ分を含む資材なので、施用すると土壌pHを上げる方向に働きます。
水田の土づくりではpH6.0~6.5が重要な目標域として示され、pHが6.0を下回る場合にケイ酸石灰(ケイカル)等で酸度矯正を行う、という位置づけです。
ここがポイントで、pHが低い圃場では「効いてほしい」方向に動きますが、すでに適正域に近い圃場で足してしまうと“過剰矯正”になりやすいのがデメリットです。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/d53269055478dab1cd0f18c23befd357b59119c2

pHが上がりすぎると、鉄・マンガン・亜鉛などの微量要素欠乏を誘発することがある、と農林水産省資料の欠乏・過剰対策でも注意喚起されています。


参考)https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/attach/pdf/yamanashi01-9.pdf

現場で起きやすい失敗は、次のパターンです。


  • 「酸性が怖いから毎作入れる」→ 実はpHはもう十分、微量要素欠乏がじわじわ出る。​
  • 「効きが遅いから多め」→ ケイカルは土壌酸度の矯正力と効き目のスピードが遅く、急な矯正には不向きとされるため、効き方を誤解すると過量になりやすい。

    参考)https://www.semanticscholar.org/paper/96e9f6a4a1d4218124e87ef2e83837abb2c74b8d

また“意外な盲点”として、土壌は性質によってpHの動きやすさが違います。

有機物や粘土が多い土はpHが変化しにくく(緩衝能が高い)、矯正に必要な資材量が多くなるとされ、同じ施用量でも圃場ごとに反応がズレます。

つまり、前年うまくいった量を別の圃場に横展開すると、pHだけ外して失敗することがある、というのがケイカルの“管理上のデメリット”です。

ケイカル肥料 デメリット 拮抗作用 苦土 加里

ケイカルは「ケイ酸を入れる資材」という顔をしていますが、土の中では石灰(Ca)を増やす資材でもあります。
石灰が過剰になると、苦土(Mg)・加里(K)・りん酸の吸収を抑制し得る、という注意は公的資料でも明示されています。
この現象は、圃場では「施肥設計どおり入れているのに欠乏症状が出る」という形で表面化しやすいです。

たとえば、石灰・苦土・カリの間には拮抗作用があり、どれかが過剰になると他の吸収が妨げられる、という整理がされています。


参考)石灰・苦土・カリの切っても切れない関係

対策の基本は、ケイカル単体の是非ではなく「塩基バランス」を崩さないことです。

具体的には、圃場の現状を土壌診断で把握してから、ケイカルを入れる年は苦土や加里の設計も同時に見直す、という考え方が安全です(闇雲に“追い苦土”をしない)。


参考)土壌診断の処方箋の見方と減肥の方法

さらに、ケイカル製品によっては微量要素(マンガン・ほう素等)を保証しているものもある一方、保証のない製品もあります。

「微量要素も入っているはず」と思い込んで連用すると、拮抗作用で欠乏が出たのに資材側で補われない、というズレが起きます。


ケイカル肥料 デメリット 土壌診断 施用量

ケイカルのデメリットを最小化する最短ルートは、土壌診断を前提にすることです。
水稲の高品質安定生産の指標として、pH6.0~6.5や有効態ケイ酸20~50mg/100gなどが示されており、pHが低いほど有効態ケイ酸も低くなる傾向があるため、ケイ酸質資材の施用でpH改善とケイ酸補給を同時に行う必要がある、とされています。
ここから逆算すると、診断なしでケイカルを入れる行為は「必要性(不足)とリスク(過剰)の両方が不明」の状態になります。

特に、ケイカルは土壌酸度の矯正が緩効性で、急な矯正には不向きとされるため、“効いたかどうか”の体感が遅れ、追加施用で過量にしやすい点が実務上のデメリットです。

運用のコツは、次の3点です。


  • pH(H2O)を測って「目標域からの距離」で判断する(気分で増減しない)。​
  • 有効態ケイ酸を測って「ケイ酸の不足」自体があるかを確認する。​
  • 施用は“毎年固定”ではなく“圃場の状態でON/OFF”する(中断すると有効態ケイ酸が急激に減る例も示されるため、必要な圃場には継続、不要な圃場には停止が合理的)。​

土壌診断で見る項目は地域・作物で多少違いますが、少なくともpHと主要養分のバランスが見えていない状態で「デメリットを避ける」のは難しい、というのが実態です。


ケイカル肥料 デメリット 作物 相性 水田 畑

ケイカルは水田の土づくり資材として普及しており、ケイ酸補給で倒伏抑制・病害虫抵抗性・登熟向上などが期待される一方、そもそも水稲向けの発想が強い資材です。
そのため畑作に転用する場合、メリットだけを水田基準で見てしまうと、デメリット(pH・拮抗作用)が表に出やすくなります。
畑では、土壌酸度の中和・改良に効果があるとされますが、ケイカルは矯正力と効き目のスピードが遅く、急な酸度矯正には不向きです。

つまり「植付け直前に慌ててpHを動かしたい」場面では、ケイカルを入れても間に合わない可能性があり、ここが“使い方のデメリット”になります。

また、酸性土壌が進むとアルミニウムイオンの害やリン酸吸収阻害、微生物活性低下などが起きると整理されていますが、これは裏を返せば「酸性の害を恐れてアルカリ資材を入れすぎる」と別の問題(微量要素欠乏など)にスイッチする、ということです。


畑の現場ほど作物の好適pHがバラつくため、「この作物・この作型の適正pH」を先に決めてからケイカルの量を決めないと、デメリットの方が目立ちます。


参考)石灰肥料とは?使い道や効果、使用上の注意点について農家が解説…

ケイカル肥料 デメリット 独自視点 散布 労力 粒状

検索上位が触れにくい“現場の痛点”として、ケイカルのデメリットは成分だけでなく「散布オペレーション」にも出ます。
水田ではケイカル等の施用が増収・品質向上に寄与してきた一方、散布する労力不足を理由に施用量が大きく減少してきた、と資料内で述べられています。
この「労力」の問題は、間接的にデメリットを増やします。


忙しい時期にまとめて散布すると、ムラが出てpHムラ・効きムラが出やすく、結果として“追い散布”が発生し、過量になりやすいからです。

その意味で、粒状ケイカルは散布機で散布しやすい剤形として紹介されており、作業性でムラを減らせる可能性があります。

さらに、ケイカルはアンモニアを含む肥料と配合して長く放置するとアンモニアが揮散するため、混ぜたら直ちに施用するよう注意されています。

この注意点を知らずに「混ぜ置き→後日散布」をやると、窒素が計画どおり効かず、原因が特定しづらい失敗になります(成分設計のミスに見える)。

以上を踏まえると、ケイカルのデメリット対策は「化学性(pH・拮抗)」だけでなく、「作業計画(いつ・どう撒くか)」まで含めて設計することが実務的に効きます。


【pH目標・ケイ酸目標など(土づくりの指標)を確認する部分】
品質向上のための土づくり(JA全農:土壌pH6.0~6.5、有効態ケイ酸20~50mg/100g、ケイ酸石灰の施用位置づけ)
【石灰過剰による吸収抑制・微量要素欠乏(注意喚起)を確認する部分】
養分の欠乏・過剰症状と対策(農林水産省:石灰過剰と微量要素欠乏の注意)
【ケイカルの成分規格・緩効性・配合時の注意(混ぜ置きNGなど)を確認する部分】
ケイカル(ケイ酸カルシウム)肥料の成分と特徴・効果、使い方(公定規格、緩効性、アンモニア揮散の注意)




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