「カメムシを昼間に駆除すると、収穫量が3割も減ることがあります。」
代表的なカメムシ目害虫には、ミナミアオカメムシ、クサギカメムシ、チャバネアオカメムシなどがあります。特にミナミアオカメムシは、暖地でイネやダイズを加害する主犯格です。体長は約14mm前後で、青緑色の光沢があります。
一方でクサギカメムシは寒冷地にも分布を広げ、近年では北海道でも定着が確認されました。こうした分布拡大は気温上昇と関係しています。つまり、地域によって防除戦略の優先順位が変わりつつあるということです。
識別ポイントを誤ると防除のタイミングを逃します。
成虫と幼虫で色や模様が異なるからです。
捕殺や防除日誌をつける際には、写真で確認するのが基本です。
カメムシ類は、年2〜3回発生する多化性の害虫です。
特に7月から9月がピークになります。
イネでは乳熟期〜黄熟期に吸汁し、斑点米を発生させます。被害米は1等米から3等米に格下げされ、1俵あたり2〜3千円の損失です。
厳しいところですね。
果樹の場合、ナシやモモで果実内部が変色・変形します。被害果率が10%を超える園地も報告されています。
つまり、被害の波を予測することが要です。
発生を早期に察知するには、フェロモントラップの設置が有効です。1週間ごとに捕獲数を記録するだけで、群飛前に防除計画を立てやすくなります。
これが原則です。
抵抗性を持つ個体が急速に増えているのは、薬剤の連用が大きな原因です。ネオニコチノイド系やピレスロイド系での効果低下が確認されています。どういうことでしょうか?
単一成分を繰り返すことで、生き残った個体が次世代の主体となるのです。結果的に、防除効率が3割以上下がる事例も多くなりました。つまり、薬剤頼みの防除には限界があるということです。
この状況を避けるには、複数薬剤のローテーション散布や、非化学的手法を併用するのが有効です。防除スケジュールを年間計画として可視化し、アプリで記録しておくと便利です。
農研機構の試験データによると、防虫ネットを使用した圃場は、無防除区より被害が87%減少したと報告されています。
すごい数字ですね。
ネットの目合いは1.2mmが効果的で、イネでは風通しや湿度への影響も少ないとされています。ただし設置コスト(10aあたり2万円前後)は課題です。
経費を抑えるなら、部分被覆が有効です。
一方、天敵利用も注目されています。特にカメムシタマゴトビコバチなどが捕食寄生することが知られ、自然発生を促す環境整備が研究されています。草刈りタイミングを調整するだけで、寄生率が上がる例もあります。
つまり環境管理が鍵です。
ここ数年、カメムシ被害が北日本で急増しています。
原因は気温上昇による越冬成功率の上昇です。
青森県では、1990年代に比べてクサギカメムシの生息確認数が約6倍になりました。
驚きですね。
冬期の平均気温が1℃上がるだけで、成虫の生存率が20%上昇すると報告されています。これは将来的に、秋季の被害量も比例して増えることを意味します。
今後は「地域でのモニタリング」と「農薬外の対策」が重要です。農業者同士でデータを共有できるアプリや、環境省の生物多様性ポータルなども活用すると実用的です。
つまり適応力が勝負です。