LAIは、葉の片面面積の合計を土地面積で割って求めます。1株の葉面積が分かれば、栽植密度を掛けて計算できます。ただし、葉幅からの推定式は品種と測定条件を守り、光学計器の値は葉角や密集の影響を確認して使います。LAIの高さだけで収量は決まりません。品種別の推定式、実在園地のLAIと収量の比較
葉面積指数LAIは、ここで扱う広葉作物では、葉の片面面積の合計を、その作物が占める土地面積で割った値です。葉の表裏を足して2倍にはしません。葉面積3m2を土地1m2で支えていればLAIは3で、面積同士の比なので無次元です。葉面積と地面面積によるLAIの説明
等間隔の1条植えなら、栽植密度は1÷株間m÷条間mです。例えば株間0.40m、条間1.00mなら2.5株/m2。1株の片面葉面積が12000cm2なら1.2m2なので、LAI=1.2×2.5=3.0となります。これは計算用の仮定例で、特定作物の適正株間や目標LAIを示すものではありません。複数条植えで通路幅が異なる場合は、評価する区画の実際の株数÷土地面積で密度を求めます。
葉面積をcm2で測った場合は、10000で割ってm2に直してから計算します。畝だけの面積を使うのか、通路を含む区画面積を使うのかも統一してください。同じ葉量でも分母を変えればLAIが変わり、数値だけを比較できなくなります。
LAIは、上から見た地面の被覆率とは異なります。計算上、1m2の地面全体を1m2の葉で1層覆えばLAIは1、同じ範囲で葉を2層重ねればLAIは2ですが、どちらも地面の被覆率は100%です。LAIは葉の重なりを含む総量、被覆率は地面が隠れる割合として読み分けます。
直接法では、面積の分かる区画から葉を採り、片面葉面積を合計して土地面積で割ります。代表株を抜き取る方法なら、1株あたり葉面積の平均に、同じ区画基準の栽植密度を掛けます。葉を画像で測る際は、重なりや折れを避け、長さの基準を入れて面積に換算します。
長崎県のトマト「麗容」の推定式は、摘葉した葉をスキャンし、ImageJで求めた葉面積を実測値として検証しています。寸法からの推定値は、この実測値と比較することで評価されています。長崎県の実測方法と検証条件
抜き取りは同じ株をそのまま追跡できないため、時期別の調査では別の調査株や区画が必要です。一方、葉幅などを測って既存の回帰式に入れる方法は非破壊の推定であり、葉面積そのものを実測した方法とは区別して記録します。
光学法は、葉を1枚ずつ測るのではなく、群落を通る光や空の見える割合から葉量を推定します。単純化した透過光の関係は、透過率τ、吸光係数kを用いてLAI=-ln(τ)÷kと表せます。ただし、kは葉角や光の条件などを反映する値です。この式を、そのまま機種固有の計算式として使うことはできません。光の透過と葉量・葉の向きの関係
PCAはプラントキャノピーアナライザーの略です。LAI-2200Cは群落の上と下で複数の天頂角の光を測り、方向別の透過率からLAIを推定します。葉が測定波長の光をほぼ吸収すること、葉の配置が対象のまとまりの中でおおむねランダムであること、葉の方位が一方向に偏らないこと、葉が測定視野に比べて十分小さいことなどを仮定しています。LI-CORの測定理論
葉角と方位は別の条件です。葉が立っているか寝ているかは光の遮り方を変えますが、葉の傾きがそろっているだけで測定が直ちに無効になるわけではありません。特定方位への偏りや条植えの方向性が強い場合は、測る位置と向きを分散させる必要があります。メーカーは、センサーから直上の最も近い葉まで、葉幅の4倍以上離すことを目安にしています。葉に近づけすぎると、少数の葉が視野を大きく塞いでしまいます。葉の方位と測定距離の条件
葉が塊状に集まると、同じ葉面積でも大きな隙間を光が通るため、ランダム配置を前提とした値とずれます。LAI-2200Cには透過率の対数平均などで密集を扱う計算がありますが、すべての密集の影響が消えるわけではありません。測定点を増やすことは位置によるばらつきの把握に役立ちますが、モデルの仮定から生じる偏りまで平均だけで解消できるとは限りません。実効LAIと密集を考慮する計算の区別
散乱光条件や葉の配置に関する前提は、LAI-2200(C)の測定ガイドでも整理されています。
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葉幅などから求める式は、作物を問わず使える共通式ではありません。長崎県が2021年度に公表した式は、トマト「麗容」を対象とし、上位7複葉までの葉面積を1060cm2に固定して、8複葉目以降の葉幅と複葉数から株全体を推定する方法です。複葉の一部である小葉の幅や枚数を代入してはいけません。葉位は原資料の図に従って数えます。推定式と葉位の数え方
Wを8複葉目以降の平均葉幅cm、Nを8複葉目以降の複葉数、Dを栽植密度株/m2とすると、LAI={1060+(0.3×W×W-4.0×W+55.2)×N}÷10000×Dです。現場で測定する葉は同範囲の中庸な葉とし、最大葉だけを選ぶ方法に置き換えないでください。長崎県の方法
計算例としてW=40cm、N=10、D=2.8株/m2を仮定すると、8複葉目以降の1複葉あたり推定面積は0.3×40×40-4×40+55.2=375.2cm2。株あたりは1060+375.2×10=4812cm2となり、LAI=4812÷10000×2.8=約1.35です。これは式の使い方を示す仮定例で、調査株の実測値や目標値ではありません。
式の検証条件は、穂木「麗容」、台木「がんばる根トリパー」、軒高2.1mの低軒高ハウス、斜め誘引、栽植密度2.8株/m2です。2018~2020年の9月に定植した作物を、2018年12月から2021年2月までの冬季に計6回調べ、摘葉・スキャンした葉をImageJで面積計測しています。低日射期の摘葉管理に用いるための成果であり、別品種や別の誘引法に係数をそのまま移してよいことを示すものではありません。供試品種・調査時期・耕種条件
別条件で使う場合は、代表株の葉面積を実測して推定値と比較します。特に、葉位の数え違い、摘葉により固定面積とする葉が残っていない状態、葉の形が異なる品種では、元の式と同じ測定対象になっているかを先に確認します。
スマートフォンで葉を撮影するときは、何の面積を測っているかを区別します。個々の葉の写真から片面面積を求める方法なら、葉面積を合計し、対応する土地面積で割って初めてLAIになります。群落の隙間や明るさからLAIを推定する方法なら、葉の重なりや葉角を含む光学的な仮定と、その作物での校正が必要です。LAIの定義と測定方法、光学推定の前提
アプリの検証結果を使う場合は、対象作物、比較対象、撮影条件、誤差指標を確認します。専用計器との差を示す平均的な指標は、すべての撮影結果が一定の幅に必ず収まる保証ではありません。また、比較対象がPCAによる推定値なら、抜き取った葉の実測面積との一致を直接示したことにはなりません。
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LAIは収量を判断する材料ですが、高いほど増収するわけではありません。高知県が安芸市と香美市のユズ計8園地を2018~2021年に調査した結果には、LAIだけでは説明できない収量差が示されています。次表は各園地4樹の4年間の平均値で、LAIはせん定後にPCAで測った値です。高知県の園地比較
| 園地 | せん定後PCA-LAI | 樹容積あたり収量 | 隔年結果指数 |
|---|---|---|---|
| 香美B | 3.6 | 3.5kg/m3 | 0.21 |
| 安芸B | 3.6 | 1.6kg/m3 | 0.63 |
| 安芸D | 4.5 | 2.7kg/m3 | 0.35 |
香美Bと安芸BはPCA-LAIが同じ3.6でも、樹容積あたり収量と年ごとの実なりの変動が異なります。安芸Dは香美BよりPCA-LAIが高い一方、樹容積あたり収量は低くなっています。隔年結果指数は0に近いほど年ごとの収量差が小さく、この調査では0.30未満を低隔年結果性に分類しています。数値と分類基準
これはLAIだけを変えた栽培試験ではなく、管理や環境の異なる園地の比較です。したがって、葉を減らせば増収するという因果関係までは示しません。示しているのは、LAIの大小だけで収量や隔年結果を予測できないことです。資料も、収量性と隔年結果性は剪定量を含む多数の要因で決まるとしています。比較の留意点
この成果は、高知県内のユズについて、せん定後PCA-LAIを4程度、実測LAI換算で3.7程度とする目安を示しています。測定はLAI-2200Cで主幹表面から60cm離れた東西南北4方位から樹体中心へ向け、90度のビューキャップを装着し、天頂角7・23・38・53度の値を用いています。せん定後は3~4月、収穫後は11月に測定し、栽培期間中の徒長枝除去を前提として、冬季落葉に応じて剪定量を加減する方法です。作物名だけでなく、測定位置・時期・機器まで含めて管理目安を読みます。適用範囲と測定条件
トマトでも、一律のLAIを目標に葉を増減させるのではなく、日射と生育段階を併せて判断します。長崎県の「麗容」の推定式は、低日射期に葉量を把握し、群落内部へ光を入れる摘葉管理を検討するためのものです。LAIの測定値と、日射条件、葉の配置、収量・品質の記録を対応させて利用します。長崎県の研究目的と活用場面
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