エンドウ褐紋病対策と症状・発生原因

エンドウ褐紋病は莢に褐色斑点を生じ、商品価値を著しく低下させる深刻な病害です。種子伝染や高温多湿条件での発生、効果的な薬剤防除法まで、収量減少を防ぐ対策を知りたくありませんか?

エンドウ褐紋病症状と防除

アブラムシ対策で寒冷紗をかけると褐紋病が増えます


この記事の3ポイント要約
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症状の特徴

葉や茎、莢、種子に黒褐色の輪紋状病斑が発生し、商品価値が著しく低下する

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発生条件

25℃前後の高温多湿環境で多発し、種子表面の菌糸で越冬・伝染する

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防除対策

健全種子の使用と予防的な薬剤散布、排水対策が被害軽減の鍵となる


エンドウ褐紋病の症状と見分け方



エンドウ褐紋病は葉、茎、莢、種子のすべてに発生する厄介な病害です。初期症状として葉に黒褐色の小さな斑点が現れ、これがしだいに拡大していきます。拡大した病斑は周囲が淡褐色、内部が黒色から紫褐色の同心円状の輪紋を形成するのが大きな特徴です。


病斑が大きくなると融合して不整形の大型病斑になることもあります。この同心円状の輪紋が「褐紋」の名前の由来となっており、他の病害との見分けるポイントになります。輪紋の数は2~3層になることが多く、まるで木の年輪のような模様が観察できるのです。


茎では地際部に黒褐色の楕円形から紡錘形の病斑が発生します。病斑部分は後にくぼんで、表面に黒色の小粒(柄子殻)を形成するのが特徴です。この柄子殻から大量の胞子が飛散し、周囲の株へと感染が広がっていきます。


莢への被害が最も深刻です。


莢に発生した病斑は赤褐色で凹みを伴い、内部の種子にまで影響を及ぼします。スナップエンドウやさやえんどうの場合、この莢の病斑は「ごま症」と呼ばれ、商品価値を著しく低下させる原因となっています。ごまをまいたような褐色の小斑点が多数現れる様子から、生産者の間でこう呼ばれているのです。


似た症状を示す褐斑病との見分けが重要になります。褐斑病の病斑は淡褐色で不整形、輪郭が明瞭という違いがあり、褐紋病のような同心円状の輪紋は形成しません。また、エンドウつる枯細菌病も初期症状が似ていますが、こちらは日光に透かすと光が透けて見えるという特徴があります。褐紋病や褐斑病の病斑は日光に透かしても不透明です。


エンドウ褐紋病の発生原因と感染経路

エンドウ褐紋病の病原菌はMycosphaerella pinodes(ミコスファエレラ・ピノデス)という糸状菌(カビ)です。この病原菌は種子表面の菌糸や罹病した茎葉の胞子で越年し、翌年の第一次伝染源となります。種子伝染が主要な感染経路の一つであるため、健全な種子を使用することが防除の基本となるのです。


発病には高湿度が必要で、生育適温は25℃前後です。つまり、春から初夏にかけての温暖で湿度の高い時期に最も発生しやすくなります。水田転換畑や排水不良な湿地、重粘土のほ場では発生が著しく、こうした環境条件が病原菌の増殖を促進してしまうのです。


興味深いことに、アブラムシ防止のために寒冷紗被覆栽培を行うと褐紋病が発生しやすくなります。これは寒冷紗の下で湿度が高まり、通風が悪くなることが原因です。害虫対策と病害対策のバランスを取ることが栽培管理の難しいところといえるでしょう。


密植や繁茂によって被害が増加します。


植物体が密集すると株間の通風が悪化し、湿度が高まって病原菌の感染に適した環境が形成されるためです。適切な株間を確保し、整枝管理を行うことで発病リスクを下げることができます。


欧米やオーストラリアなどでは褐紋病による収量減少が世界的な問題となっています。岡山大学の研究によれば、現在のところ褐紋病に強い(病気にかからない)エンドウ品種は存在しないことが明らかになっています。このため、耕種的防除と化学的防除を組み合わせた総合的な対策が必要不可欠なのです。


罹病残渣も重要な伝染源になります。前年の栽培で発生した病斑部分に形成された柄子殻は、翌年の春に胞子を飛散させて新たな感染を引き起こします。収穫後は被害茎葉を速やかにほ場外へ持ち出し、適切に処分することが次作の発病を抑える鍵となります。


エンドウ褐紋病の薬剤防除と効果的な農薬

褐紋病の防除には予防を重視した薬剤散布が効果的です。発病してから対処するよりも、発病前または発病初期に薬剤を散布することで被害を大幅に軽減できます。収穫期に入ってからの対応では手遅れになることが多いため、早め早めの対応が求められるのです。


トップジンM水和剤は褐紋病防除の基幹剤として広く使用されています。1500~2000倍に希釈して散布し、予防効果だけでなく優れた浸達性と浸透移行性による高い治療効果も期待できます。残効性と耐雨性を有するため、散布後の降雨でも効果が持続するという利点があります。使用回数は収穫前日まで3~4回以内(種子処理を含めると5回以内)と定められています。


ベンレート水和剤も褐紋病に有効な薬剤です。1000~2000倍で散布し、収穫14日前まで4回以内の使用が認められています。トップジンM水和剤と同じベンゾイミダゾール系薬剤ですが、一部地域でこの系統に対する耐性菌の発生が報告されているため、注意が必要です。


薬剤耐性菌の発生を防ぐためには作用機構の異なる薬剤のローテーション散布が重要です。


ベンゾイミダゾール系薬剤ばかりを連用すると、薬剤が効かない耐性菌が出現するリスクが高まります。アミスター20フロアブル(ストロビルリン系)、サンヨール(有機硫黄系)など、異なる系統の薬剤を組み合わせることで耐性菌の発生を抑制できるのです。


散布のタイミングは生育初期から中期にかけてが重要になります。特に開花期から莢の形成期は莢への感染を防ぐために重点的な防除が必要です。褐斑病やうどんこ病との同時防除も可能なため、複合的な病害対策として薬剤を選択すると効率的でしょう。


日本曹達株式会社のトップジンM水和剤製品情報には詳しい使用方法や適用作物が記載されています。農薬の使用にあたっては必ずラベルを確認し、使用時期や使用回数などの登録内




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