スナップエンドウの「芽かき(不要なわき芽・枝を外す作業)」は、まず枝の“世代”をそろえて考えると判断が速くなります。親づる(主茎)→子づる(親づるの葉の付け根から出る側枝)→孫づる(子づるの葉の付け根からさらに出る側枝)という関係で、一般に親づると子づるのほうが着莢が期待でき、孫づるは花や莢が弱くなりやすいので整理対象にしやすい、という整理がよく使われます。
図解イメージ(文章図解)を先に頭へ入れてください。
🍃=葉、|=茎、→=枝分かれ、☆=わき芽が出る位置(葉の付け根)
・親づる。
地面|上へ伸びる主茎(節ごとに🍃、各節に☆)
・子づる。
親づるの各節(🍃の付け根=☆)から横~斜めに伸びる枝
・孫づる。
子づるの各節(🍃の付け根=☆)からさらに出る枝
ここでの「芽かき」と「摘心(先端を止める)」は混同されがちです。芽かきは“枝そのものを減らす/間引く”寄り、摘心は“先端を止めて伸長を制御する”寄りで、目的が少し違います。
参考)スナップエンドウの摘心はどうやるの?しないとどうなる? - …
現場のチェック方法(簡単)。
この3つが見分けられるだけで、芽かきの迷いは激減します。
参考)スナップエンドウの摘心のやり方!しないとどうなる?時期やコツ…
芽かきは「伸びきってから」より、「小さいうち」に進めるほうが株の負担が小さく、作業も速いです。目安としては“指で折れる太さ”の段階で外すと切断面がきれいになりやすく、病原菌の付着リスクも下げやすい、という考え方が紹介されています。
タイミングの大枠は、株の生育ステージに合わせて次の2段階で考えると管理しやすいです。
参考)スナップエンドウの育て方を農家が解説 プランター栽培や摘心の…
追肥との関係も重要です。スナップエンドウは収穫が続く作型では、草勢を見ながら着莢肥大期に追肥する説明があり、芽かき(枝数調整)と追肥(栄養供給)をセットで考えると「枝は多いのに莢が太らない」状態を避けやすくなります。
実務での「芽かき→追肥」の順番(例)。
意外と見落とされるのが、過繁茂・日照不足・風通し悪化が病気(例:うどんこ病)を呼びやすい点です。枝数を増やしすぎると「収量の見込み」を増やしたつもりでも、病気で葉が弱って結果的に収量が落ちることがあります。
芽かきは単独作業ではなく、整枝・誘引とセットにすると効果がはっきり出ます。エンドウ類は日照不足で結実不良を起こしやすいので、つるの整枝と誘引で受光状態を改善する、という整理が栽培マニュアルでも示されています。
整枝の考え方として、「第1次分枝(最初の枝分かれ)に着果が多い」「第2次・第3次は着果が少なく高温期で莢の質が落ちやすいので、3月下旬頃までに出た分枝を残し、それ以降の枝や花つきの悪い枝は誘引時に外す」という指針が紹介されています。
この考え方を“スナップエンドウの芽かき”に落とすと、次のように運用できます。
図解イメージ(ネット栽培の現場向け)。
こうすると、受光と風通しが両立し、結果として良莢率(形・太り)の改善に繋げやすくなります。
作業上の注意点もあります。エンドウの茎は中空で折れやすいので、誘引や枝の向きを変えるときは急に曲げないことが重要です。
芽かきの失敗は「外しすぎ」と「放置しすぎ」に二分されます。外しすぎると葉面積が落ちて回復に時間がかかり、放置しすぎると受光不足と過繁茂で病害が増えやすくなります。
よくある失敗例と対処(現場メモ形式)。
「いつも病気が出る圃場」ほど、芽かきの目的を“栄養集中”だけにしないことが重要です。枝数を適正化して風が抜ける構造にすると、病害虫の温床になりにくくなります。
参考リンク(病害虫・過繁茂条件の注意点、整枝と誘引の基本がまとまっています)
タキイ 種・苗のエンドウ栽培マニュアル(整枝・誘引、病害虫、過繁茂条件の注意点)
検索上位の解説は「孫づるは外す」「受光を良くする」に寄りがちですが、農業従事者向けに実務で効くのは“収穫作業を逆算して芽かきを設計する”考え方です。芽かきの正解は一つではなく、収穫期間・人員・通路幅・ネット高さで最適解が変わるので、最終的に「莢が見えて手が入る構造」をゴールに置くとブレにくくなります。
具体例:収穫性からの芽かき基準(現場で使える)
さらに“地味だけど差が出る”ポイントとして、播種前後のNG習慣も押さえておくと、生育が揃って芽かきが楽になります。エンドウ類は種を水に浸してから播種すると、急激な吸水で種皮が破れて発芽を損ねる場合があるので「水に浸さず播く」注意が示されています。
この手戻りが減ると、初期生育が揃い、芽かきも「強い株だけ伸びる→他が遅れる→整枝が難しい」状況になりにくいです。
参考リンク(播種時期・追肥・収穫目安など作業計画に必要な数値がまとまっています)
マイナビ農業(スナップエンドウの播種・追肥・収穫の目安、孫づるの摘心タイミング)