5年間活動を続けてきた農家さんほど、気づかぬうちに交付金が年間数万円単位で減らされているかもしれません。
多面的機能支払交付金は、農業者を中心とした地域住民が共同で農地・水路・農道・ため池などを守る活動を行う場合に、国・都道府県・市町村が費用を支援する制度です。平成26年度(2014年度)に創設され、翌平成27年度からは法律に基づく制度として本格的に稼働しています。
農業が衰退した地域では、草刈りや水路の泥上げといった維持管理作業の担い手が急速に減少しています。農地は食料を生産するだけでなく、洪水防止・水源かん養・生態系保全・景観形成など多くの「公益的な機能」を持っています。これらをまとめて「農業・農村の多面的機能」と呼びます。
この多面的機能は、農業が行われ続けることで初めて維持されるものです。担い手不足が進むと農地の荒廃が進み、地域全体の生活環境にも悪影響が出てしまいます。そのような背景から、地域共同活動を国が支援する仕組みとして設計されたのが本制度です。
財源の負担割合は、国が2分の1、都道府県が4分の1、市町村が4分の1の計3者で構成されており、農業者にとっては特別な自己負担なしに活動への参加が可能です。
つまり国費が基本です。
農林水産省「多面的機能支払交付金」制度概要ページ(公式情報・申請様式・手引き書類の配布元)
https://www.maff.go.jp/j/nousin/kanri/tamen_siharai.html
制度の全体像を理解するうえで、まず「3つの交付金の柱」を把握しておくことが重要です。
第一の柱は「農地維持支払交付金」です。農業者のみで構成される組織でも申請できるのが大きな特徴で、水路の草刈り・泥上げ、農道の路面維持、ため池の草刈りなど、農地や農業用施設を維持するための基礎的な共同活動が対象になります。都府県・水田の場合、交付単価は3,000円/10aです。
第二の柱は「資源向上支払交付金(共同活動)」です。こちらは農業者だけでなく、地域住民や自治会なども参加する組織が対象となります。農村環境の保全活動、生態系保全、鳥獣被害防止施設の補修・設置、景観植物の植栽など、地域資源の「質的向上」を目的とした共同活動が支援されます。都府県・水田では2,400円/10aが基本単価です。
第三の柱は「資源向上支払交付金(長寿命化)」です。老朽化した水路・農道・ため池などの施設補修・更新に充てるための費用を支援します。都府県・水田では4,400円/10aの単価が設定されており、3つ全てに取り組む場合は合計9,200円/10aが上限になります。
3つ全部が必須ではありません。農業者だけのグループは①から始めることができます。ただし、②や③に取り組む場合は①と併せた実施が前提条件となります。
| 交付金の種類 | 水田(都府県) | 畑(都府県) | 草地(都府県) |
|---|---|---|---|
| ①農地維持支払 | 3,000円/10a | 2,000円/10a | 250円/10a |
| ②資源向上(共同) | 2,400円/10a | 1,440円/10a | 240円/10a |
| ③資源向上(長寿命化) | 4,400円/10a | 2,000円/10a | 400円/10a |
| ①+②+③合計 | 9,200円/10a | 5,080円/10a | 830円/10a |
出典:農林水産省「令和7年度多面的機能支払交付金のあらまし」
交付金額の基本的な計算式は非常にシンプルです。交付額は「対象農用地面積(10アール単位)× 支払単価」で算出されます。
具体的な例で考えてみましょう。水田が5ヘクタール(50アール×10=500アール)ある地域が、①農地維持支払と②資源向上支払(共同)のふたつに取り組む場合、都府県の単価は5,400円/10aです。500アール÷10×5,400円=270,000円が年間の交付額になります。サッカー場約7面分の水田規模に相当するイメージです。
さらに③長寿命化まで加えると9,200円/10aとなり、同じ500アールで460,000円になります。これは地域の活動費や草刈り機の購入費・修繕費、構成員への日当などに充当できます。
交付金は年度ごとに交付される仕組みです。活動期間は原則5年間で、5年ごとに新たに事業計画書を作成して認定を受ける必要があります。毎年度、採択申請書を市町村へ提出し、活動実施後に実施状況報告書を提出することで交付金が支払われます。
ごとう行政書士事務所「多面的機能支払交付金の交付額はどう決まる?単価・面積・加算の仕組みを解説」(交付単価の一覧表や減額条件が分かりやすく整理されています)
https://goto-g.com/250519-2/
制度を活用するには、まず「活動組織」を設立または既存の組織に参加することが必要です。
個人単位では申請できません。
この点は見落としやすいポイントです。
活動組織の設立は大きく4つのステップで進みます。まず①対象農用地の設定と構成員のとりまとめを行い、規約・協定書の案を作成します。次に②取り組む活動内容を記載した「活動計画書」を作成します。その後③設立総会を開催して構成員全員から合意を得ます。最後に④活動計画書を市町村に提出し、認定を受ける流れです。
活動組織の構成員は、農業者のみのケース(農地維持支払交付金のみ申請する場合)と、農業者+地域住民・自治会などが参加するケース(資源向上支払交付金も申請する場合)に分かれます。非農業者の参加は②以降の申請に必要であり、農地維持支払のみなら農業者だけで組織設立が可能です。これを知らずに「地域住民を集めないといけない」と思い込んで申請をためらっている農業者も少なくありません。
組織の設立が難しいと感じる場合は、既存の広域活動組織に参加する方法も有効です。近隣集落と連携して広域組織を形成することで、事務手続きの負担が大幅に軽減されます。
交付金を受け取るためには、所定の「活動」を実施して、その記録(日報・写真など)を残しておくことが必須です。具体的にどんな作業が対象になるのかを確認しておきましょう。
農地維持支払交付金の対象となる主な活動は、水路の草刈りと泥上げ、農道の路面維持(砂利補充・ぬかるみ整備)、農地法面の草刈り、ため池の草刈りなどです。普段の農作業と重なる部分も多いですが、「地域共同で実施」「記録を残す」という点が重要なポイントになります。
資源向上支払交付金(共同活動)では、鳥獣被害防護柵の設置・補修、生態系保全のための植栽活動、景観形成、農村文化の継承活動(地域の伝統行事など)、遊休農地の有効活用なども対象に加わります。地域の祭りや伝統行事への交付金活用も、農村文化の伝承・農村コミュニティの強化が目的であれば認められます。
これは意外に知られていない活用法です。
長寿命化活動では、老朽化した水路のライニング工事や農道のコンクリート補修・切り回しなど、設備の延命のための施工が対象です。ただし施工を全て外注業者に委託すると、単価が通常の75%(5/6)に減額されます。地域住民による「直営施工」が求められているためです。
5年以上継続すると、資源向上支払(共同)の単価が0.75倍に自動的に下がります。これが最も「知らないと損する」ルールの一つです。
具体的には、都府県・水田の場合、2,400円/10aの単価が1,800円/10aに低下します。10ヘクタール(100アール×10)の活動組織であれば、年間で240,000円→180,000円に減り、差額は60,000円になります。5年間の蓄積では30万円以上の差となる計算です。
これは制度の設計上、「5年以上支援を受けてきた地域には一定の自立性を求める」という考え方から来ています。長年活動してきた組織ほど交付額が下がるという、初めて聞くと違和感がある仕組みです。
厳しいところですね。
ただしこの減額は、旧制度「農地・水保全管理支払交付金」での取組期間も通算されます。平成19年度から旧制度に取り組んでいた地域は、すでに長期実施地区として75%単価が適用されているケースがほとんどです。自分の組織の状況を市町村担当者に確認しておくことが重要です。
この減額をカバーするためには、後述する「加算措置」を積極的に活用する戦略が有効です。加算措置の条件を満たせば、基本単価の減少分を上回る上乗せが期待できる場合もあります。
基本単価に上乗せされる「加算措置」が複数設けられており、条件を満たせば交付額を大きく増やすことができます。令和7年度(2025年度)から新たに「みどり加算」と「活動支援班加算」が追加されました。
① 増進加算(田:400円/10a、畑:240円/10a)
既存の活動組織が新たに活動項目を1つ以上追加した場合、または新規組織が2項目以上を選択した場合に加算されます。選べる活動項目は遊休農地の有効活用・鳥獣被害防止・直営施工・防災減災力強化・景観形成など多岐にわたります。
これは使えそうです。
② 田んぼダム加算(田:400円/10a)
交付対象の田の5割以上で田んぼダム(排水調整板等による湛水機能)を導入した場合に加算されます。近年の豪雨対策として注目されており、下流域の浸水被害を防ぐ効果もあります。
③ 活動支援班加算(令和7年度新設)(定額40万円)
新たに広域活動組織が結成され「活動支援班」を設置した場合、設置年度に限り定額40万円が加算されます。担い手が不足している集落を広域的に支えるチームを作った組織が対象です。40万円は設置年度の1回限りですが、広域化のきっかけとして活用価値は高いです。
④ みどり加算(令和7年度新設)
化学肥料・農薬を地域慣行比で5割以上削減し、以下の環境取組を行う農業者が対象です。
| 取組内容 | 加算額(円/10a) |
|---|---|
| 長期中干し | 800円 |
| 冬季湛水(ふゆみずたんぼ) | 4,000円 |
| 夏季湛水 | 8,000円 |
| 中干し延期 | 3,000円 |
| 江の設置等(作溝実施) | 4,000円 |
夏季湛水で8,000円/10aという加算額は、農地維持支払の基本単価(3,000円/10a)の2倍以上に達します。ただし、複数取り組みを実施しても加算は1取組分のみという点に注意が必要です。
農林水産省「令和7年度改正のポイント」(みどり加算・活動支援班加算の詳細条件や手続きが記載された公式リーフレット)
https://www.maff.go.jp/j/nousin/kanri/attach/pdf/tamen_siharai-182.pdf
交付金は正しく取り組まないと「返還」を求められる場合があります。
これが最大のリスクです。
返還が発生する主なケースを整理すると次のとおりです。活動計画に誤りがあった(対象面積の過大申告など)、実際には活動を実施していなかった、水路・農道などの施設を適切に管理していなかった、直営施工や広報活動などの必須要件を満たさなかった、といったケースが代表的です。
返還は「該当年度分のみ」が原則ですが、活動期間(原則5年間)の開始年度まで遡って返還が求められるケースもあります。例えば令和元年度から活動を始めた組織で令和6年度に違反が発覚した場合、最長で令和元年度分まで遡った返還が必要になるケースがあります。
ただし、地主が亡くなった場合や、病気・高齢化で耕作が困難になったことで遊休農地が発生した場合は「やむを得ない理由」として返還が免除されます。
これが原則です。
また甚大な自然災害が発生した際も、特例措置適用の事後報告を行うことで返還を免除されるケースがあります。大雨や地震などで活動が継続できなかった場合はすぐに市町村担当者へ相談することをおすすめします。
令和7年度には農地維持の交付金に不適切な事例が各地で確認されており、農林水産省が市町村に対して現地確認を強化するよう通知を出しています。宅地や駐車場になっているにもかかわらず交付対象に含まれていた事例などが報告されています。
申請内容の正確性が改めて問われています。
活動組織から構成員へ支払われる「日当」には、税務上の注意点があります。
これも見落としがちなポイントの一つです。
日当は、活動参加の対価として交付金から支払われる金銭です。農地・水保全管理支払交付金の時代から確認されている取り扱いとして、活動組織から構成員へ支払われる日当は「給与所得」として課税対象となりえます。所得税法第183条に基づく源泉徴収義務が活動組織側に発生する場合があります。
具体的には、日当を支払う活動組織が「給与の支払者」にあたるかどうかの判定が必要です。源泉徴収の対象となる場合には、日当の支払いごとに支払調書の作成・提出が必要になります。
一方で、「多面的機能支払交付金から支払われる日当は、個人への雑収入として不課税扱いになる」と考えている方もいますが、地域の実施体制や契約形態によって取り扱いが異なるため、税理士や市町村の担当窓口へ確認することが最も確実です。
帳簿管理の面では、金銭出納簿・日報・参加者名簿の3点セットを毎回の活動時に整備することが必須です。日当を班長からまとめて支払う場合も、個々の参加者氏名・活動時間の記録を残しておくことが求められます。記録の不備は返還事案につながる可能性があるため、記録管理を軽視しないことが大切です。
高齢化や担い手不足が進む中で、近年注目されているのが活動組織の「広域化」です。これは複数の集落や地区の活動組織を統合・連携して、一つの広域活動組織として運営する仕組みです。
広域化のメリットは主に3点あります。第一に、事務負担が集約できるため、書類作成の手間が大幅に軽減されます。第二に、人手が不足している集落を周辺集落がカバーできるようになり、活動の継続性が高まります。第三に、前述の「活動支援班加算(定額40万円)」を受ける条件が整います。
実際に北海道では令和6年度に、広域化によって組織数が22組織減少した一方で対象農用地面積が11,228ha増加しており、少ない組織でより広い面積をカバーする効率化が進んでいます。
広域化に取り組む際の現実的な方法として、既存の土地改良区や農業協同組合と連携して事務局を担ってもらう形が効率的です。人件費等を交付金から支出することも可能なため、外部の団体と費用分担しながら組織を維持する仕組みを構築できます。
また、農業者だけでなく企業やNPO法人を活動組織に参加させることも制度上可能です。農林水産省は「外部組織(企業・教育機関)との連携に関するプロセス事例集」を公表しており、学校・福祉施設・地元企業と協力した活動の事例が複数紹介されています。
活動組織の広域化推進の手引き(農林水産省)(広域化の進め方や書類作成の手順が丁寧に解説されています)
https://www.maff.go.jp/j/nousin/kanri/attach/pdf/tamen_siharai-137.pdf
制度を活用するにあたり、毎年度の申請スケジュールを把握しておくことは不可欠です。手続きが遅れると交付金の受け取り自体が遅延したり、場合によっては年度内の支払いが困難になることがあります。
活動の流れは大きく「認定申請→活動実施→実施状況報告」の順です。年度の始まりに事業計画書・採択申請書を市町村へ提出し、認定を受けてから活動を開始します。活動中は日報・写真・金銭出納簿を記録し続け、年度末に実施状況報告書としてまとめて提出します。
令和7年度については特別な注意が必要です。農林水産省の共通申請サービス「eMAFF」がシステム更新のため、令和7年4月からしばらくオンライン申請ができなくなっています。令和7年度の申請はメール・郵送・直接持参のいずれかの方法で行う必要があります。eMAFFで申請しようとしたら受け付けられなかった、というトラブルを防ぐために、事前に市町村担当窓口への確認が必要です。
5年間の活動期間が終了した翌年度に活動を継続したい場合は、新たな事業計画を策定して改めて認定申請を行わなければなりません。期間満了後に「自動継続」にはならないため、期間終了の前年度から次の計画策定を始めることをおすすめします。
交付金の振り込みは、採択申請書の提出後に市町村が事務手続きを行うため、概ね2か月程度の時間がかかることが多いです。資金計画の立案の際にはこのタイムラグを考慮しておくことが重要です。
多面的機能支払交付金単独ではなく、他の農業支援制度と組み合わせることで、地域農業の維持力がさらに高まります。特に注目したいのが「遊休農地対策との連携」です。
資源向上支払交付金(共同活動)の増進活動のひとつに「遊休農地の有効活用」があります。地域内外から営農者を確保したり、地域住民が活用したり、企業と連携して特産物の作付をするといった取り組みが対象です。これを活動計画に盛り込むことで増進加算(田:400円/10a)も受けられます。
さらに、鳥獣被害防止対策との組み合わせも効果的です。多面的機能支払交付金で鳥獣被害防護柵の設置・補修を行いながら、別途「鳥獣被害防止総合対策交付金」を活用することで、二重の支援を受けられるケースがあります。
中山間地域等直接支払制度と多面的機能支払交付金の両方に取り組む場合、活動内容が重複するものについては原則として多面的機能支払交付金を優先して充当し、足りない分を中山間の交付金で補う形が正しい使い分けです。両者の財源が混在しないよう、市町村担当者と事前に調整することが大切です。
令和7年度から始まった「みどり加算」は、環境保全型農業直接支払交付金から移行してきた制度で、化学肥料・農薬の削減と水管理の両立に取り組む農家にとって新たな収入源になり得ます。冬季湛水(ふゆみずたんぼ)に取り組んでいる農家であれば4,000円/10aの上乗せを受けながら、生物多様性の保全にも貢献できるという「一石二鳥」の活用法です。
長野県農業農村多面的機能発揮促進協議会(交付単価一覧・取組事例が地域目線でまとめられており、初めて申請する農家の参考になります)
https://www.nagano-nouchimizu.net/about
制度を活用しようとする農業者からよく寄せられる疑問を、実際のQ&A事例をもとに整理します。
Q:農業者でない家族が参加しても日当をもらえますか?
A:活動組織の構成員として登録されていれば、農業者以外(家族・地域住民)も日当の支払い対象となります。ただし参加記録(氏名・日時・作業内容)の整備が必須です。
Q:公民館や神社の清掃に交付金を使えますか?
A:農用地・水路・農道等の施設周辺のゴミ除去であれば使用できますが、公民館・神社のみを対象とした美化活動には使用できません。
場所の確認が条件です。
Q:草刈り機を購入したい場合は?
A:草刈り機の耐用年数は7年(平成21年度以降)で、活動組織の協定期間(5年)より長いため、購入よりもリースの方が推奨されるケースがあります。購入する場合はリースとの費用比較が求められます。
Q:祭りや伝統行事に交付金を使えますか?
A:農村文化の伝承を通じた農村コミュニティの強化が目的であれば、使用できます。田植え交流会など世代間交流や地域のつながりを深める活動が対象になります。
Q:5年間の協定期間中に農地が遊休化してしまったら返還が必要ですか?
A:遊休化した面積分のみの返還が求められます。ただし地主の死亡・病気・高齢化による耕作困難であれば「やむを得ない理由」として返還が免除されます。
全額返還ではありません。
Q:活動組織の規模に下限はありますか?
A:特定の最低人数等の規定はありませんが、複数の農業者で構成されることが基本です。事実上1人では設立できない仕組みになっています。
活動組織向け多面的機能支払に関するQ&A(北海道網走地区農業改良普及センター)(現場でよくある疑問とその回答が分かりやすくまとめられています)
https://www.e-hokuei.net/secure/1334/katudousosikiqa.pdf
令和6年度の実施状況を見ると、多面的機能支払交付金の取組は全国規模で展開されていますが、地域によって大きな差があります。
北海道では令和6年度に対象農用地面積が794,781haに達し、前年から11,228haも増加しています。新潟県は全国2位の取組面積を誇り、カバー率(農振農用地に対する割合)では全国3位となっています。一方、都市部に近い県や農振農用地の少ない地域ではカバー率が低い傾向があります。
栃木県では令和6年度に430組織が42,408haで取り組みましたが、前年比で10組織・617ha減少しています。組織数が減る背景には高齢化による廃止のほか、広域化による統合が含まれていることも多く、組織数の減少=制度離脱とは限りません。
農林水産省の調査では、未取組集落の約23%が「制度を知らないため検討していない」と回答しています。つまり5軒に1軒以上の集落が、存在を知らないだけで申請していない計算です。制度の認知不足が取組率向上の最大のボトルネックになっています。
取組率が高い地域では、土地改良区や農業委員会・農協などが積極的に啓発活動を行っているケースが多く、農業者個人が自力で申請するのではなく、組織的なサポート体制があることが共通点として挙げられます。初めて申請を検討する農業者は、まず地元の農業委員会や市町村農業担当窓口へ問い合わせることが、最も確実な第一歩です。