出荷量 生産量 違い 用語整理と農業現場への影響

出荷量と生産量の違いを農業統計の用語から整理し、農家の経営判断にどう影響するのかを現場目線で深掘りすると、どこに気を付けるべきでしょうか?

出荷量 生産量 違い 用語整理と活かし方

出荷量と生産量の違いを一目で整理
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出荷量・生産量の基本定義

農林水産省などの統計用語に基づき、出荷量と生産量の違いを整理し、混同しやすいポイントをわかりやすく解説します。

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現場感覚と数字のギャップ

農家の体感としての「採れた量」と統計上の「生産量」「出荷量」の差を具体例とともに紐づけ、経営判断に役立てます。

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統計データの上手な活用法

作況調査や生産農業所得統計の数字を、販売戦略や作付計画に落とし込むための視点を紹介します。

出荷量 生産量 違い 農林水産省の用語で整理

 

農業統計でいう「生産量」は、年内に生産された農畜産物の総量で、自家消費分も含んだ数量として定義されるのが基本です。一方で「出荷量」は、その生産量(もしくは収穫量)のうち、生食用・加工用・業務用として販売した量に限られ、自家消費や贈答、種子や飼料に回した分は差し引かれます。
もう少し踏み込むと、統計上は「収穫量」と「生産量」が区別される場合もあり、流通する基準を満たす重量を収穫量、そのうち販売された部分を出荷量とする整理がなされています。野菜の作況調査では、出荷量は「収穫量×出荷率」で推計され、出荷率は過去の全国調査年における出荷量と収穫量の比から算出されるため、現場感覚よりややざっくりした数字になることもあります。

 

参考)https://www.naro.go.jp/publicity_report/season/syukaku_ninasi_09.pdf

このように、生産量は「農場から生まれた量」、出荷量は「市場に送り出した量」と理解すると、感覚的にもすっきり整理できます。逆に、肥料高騰や病害で収穫量が減った年でも、自家消費を減らして出荷を優先すると、統計上は出荷量の落ち込みが小さく見えるといった現象も起こり得ます。

 

参考)作況調査(野菜)の概要:農林水産省

出荷量の定義や計測方法など、統計の前提を詳しく解説しているページです(このセクション全体の参考)。

 

作況調査(野菜)の概要|農林水産省

出荷量 生産量 違い 収穫量・自家消費との関係

出荷量と生産量の違いを理解するには、「収穫量」と「自家消費量」を頭の中で整理しておくと実務で役立ちます。果樹の統計では、収穫量は流通基準を満たすものの重量とされ、その収穫量から自家消費、贈与、収穫後の減耗を差し引いたものが出荷量という扱いです。
例えば、ミカンを10トン収穫して、うち1トンを家族や従業員で食べ、0.5トンを贈答に回し、0.5トンが傷みなどで廃棄になった場合、統計上の出荷量は8トンとして扱われます。このとき、農家の立場から見れば「10トンもいだのに、統計には8トンしか出てこない」というギャップが生じるため、数字を見るときに「どこまでを含んでいるのか」を意識することが重要です。

意外と見落とされがちなのが、需給調整での産地廃棄の扱いです。野菜の需給均衡対策で一部を畑にすき込んだり廃棄した場合、その量は収穫量には含まれても、出荷量には含まれないと明記されています。このため、価格暴落の年などに「収穫量は例年並みだが出荷量が大きく落ちている」ような統計が出るときは、産地廃棄の影響を疑う視点も必要になります。

 

参考)作物統計調査_2作況調査_2(野菜) 年次 1973年 – …

総務省がまとめた農業統計関連用語集で、収穫量や出荷量、自家消費との関係が解説されています(このセクションの参考)。

 

作物統計調査の審議に当たってのキーワード|総務省

出荷量 生産量 違い が農業産出額や所得統計に与える影響

農業経営を考えるうえで、「生産量」と「出荷量」の違いは、そのまま「農業産出額」や所得統計にも直結します。農業総産出額は、全国の品目ごとの生産量に農家庭先販売価格を乗じて合計したものと定義され、品目別産出額は「品目別生産量×農家庭先販売価格」で算出されます。ここで使われる生産量は、自家消費分も含み、農業に再投入される種子や飼料などの中間生産物は二重計上を避けるために控除されます。
この考え方を現場目線で見ると、「売っていない分も含めた“価値”をどう見るか」という視点になります。例えば、自家消費した野菜は家計の食費削減という形で家計に貢献しているため、国レベルでは産出額に含める意味がありますが、農家の現金収入としては出荷量に相当する部分しか反映されません。そのため、統計上は産出額が伸びていても、実感として「手元の現金が増えていない」ということが起こります。

 

参考)用語の解説<第6章> (令和6(2024)年度刊愛知県統計年…

加工農産物ではさらに一歩踏み込んだ考え方が必要で、加工農産物の産出額は「製品生産量×製品価格」から「原料数量×原料価格」を差し引いた“付加価値部分”だけを計上する仕組みになっています。つまり、生産量が増えても、加工費や原料価格のバランスによっては、所得に結びつくとは限らないということです。出荷量と生産量の違いを理解したうえで、「どの段階でどれだけの付加価値を生み出しているか」を考えることが、これからの農業経営には欠かせません。

 

参考)生産農業所得統計の概要:農林水産省

農業総産出額や生産農業所得統計の計算方法を詳しく説明したページです(このセクションの参考)。

 

生産農業所得統計の概要|農林水産省

出荷量 生産量 違い と需給調整・市場価格の意外な関係

一般に「豊作で生産量が増えると価格が下がる」と説明されますが、実際には市場価格を左右するのは生産量よりも出荷量であることが多いです。作況調査では、都道府県ごとの出荷量を「収穫量×出荷率」で求め、その合計が全国の出荷量になりますが、需給調整事業などで出荷量を抑えると、実際の市場への出回り量が変わり価格形成に影響します。産地が計画的に一部を加工向けに回したり、廃棄や青果からの回避を行うことで、青果市場の暴落を防ぐことができるのです。
あまり知られていないポイントとして、出荷量の計測は「出荷荷姿のレッテルに表示された量目」をベースに行われることが多いという点があります。例えば10kg箱と表示されていても、実際には規格上の調整や鮮度確保のためにやや多めに入れている産地もあり、その“サービス分”は統計には反映されません。このギャップを理解していると、「数字上は出荷量が横ばいでも、現場の感覚としては少し多く出している」といった違和感の正体を説明できます。

さらに、用途別の出荷量(生食用・加工向け・業務用)の比率の変化も、価格の動きと密接に関係します。例えば、生食用の出荷量が減っても、同時期に加工用向けの出荷量が増えていれば、全体の生産量はあまり変わっていないケースもあり得ます。統計表を見るときには、「総出荷量」だけでなく「用途別出荷量」にも目を通すことで、自分の作物の売り先や加工転換の可能性を検討しやすくなります。

用途別出荷量や需給調整に触れている作物統計のメインページです(このセクションの参考)。

 

作物統計|農林水産省

出荷量 生産量 違い を活かす独自の現場指標づくり

ここからは少し独自視点として、公式統計とは別に農家自身が「出荷量」と「生産量(収穫量)」の違いを活かして指標づくりをする方法を考えてみます。現場レベルでは、単に「収穫した総量」だけでなく、次のような数字を毎年メモしておくと、経営判断に深みが出ます。

 

  • 収穫量に占める出荷量の割合(自分の農場版の出荷率)
  • 自家消費や贈答、規格外品として引き取ってもらった量の合計
  • 規格外のうち、「あと一歩で出荷できた」B級品の割合
  • 需給調整や価格対策で意図的に出荷しなかった量

これらを記録しておくと、例えば「規格を少し緩めれば、B級品の一部を加工用出荷に回せる」「贈答を減らしても家計を圧迫しない範囲」を数字で検討できるようになります。出荷量と生産量の差が大きい品目ほど、規格の見直しや販路開拓の余地が大きいとも言えます。

また、自分の農場の「生産量」に対して、市場や直売所、加工業者など販路ごとの「出荷量」を見える化すると、リスク分散の状態も把握しやすくなります。例えば、出荷量の大半を特定の市場に依存している場合、その市場価格が崩れたときに大きな影響を受けますが、同じ生産量でも販路を3〜4つに分散しておけば、価格変動リスクを抑えられます。こうした独自指標は公表される統計には登場しませんが、出荷量と生産量の違いを理解している農家ほど、数字を“自分の武器”として使いこなしているのが実情です。

 

参考)作物統計:農林水産省

農業産出額や生産量の考え方を確認するのに役立つ用語解説です(このセクションの参考)。

 

統計用語集ー検索結果ー|奈良県公式ホームページ

 

 


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