里芋 セスジスズメ 農薬 防除 ローテーション

里芋でセスジスズメの食害が出たとき、発生時期の見極めから農薬の選び方、散布のコツ、抵抗性を避けるローテーション、農薬に頼りすぎない現場対応までを実務目線で整理します。あなたの圃場では「いつ・何を・どこまで」やりますか?

里芋 セスジスズメ 農薬

里芋のセスジスズメ対策の要点
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初動は「若齢」狙い

幼虫が小さい段階で見つけ、食害が広がる前に防除を組み立てると、薬剤回数も労力も抑えやすくなります。

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農薬は登録とラベルが最優先

同じ有効成分でも作物・害虫・使用時期で使える条件が違います。必ず登録情報とラベルの使用基準を確認します。

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ローテーションで抵抗性を回避

同一系統の連用を避け、作用機構の異なる薬剤を組み合わせると、効きづらくなるリスクを下げられます。

里芋 セスジスズメ 特徴 被害 発生時期


里芋のセスジスズメは、幼虫が葉を大きく食害して生育に影響を出すタイプの害虫で、終齢まで育つと食べる量が一気に増えます。特に「葉脈を残して食べる」「葉の縁が大きく欠ける」など、パッと見で分かる食害になりやすいので、巡回で早期発見しやすい反面、見逃すと短期間で一気に葉が減ります。発生は6~10月にかけて見られ、夏季に高温少雨だと発生が多い傾向があることも押さえておくと、気象と連動した警戒がしやすくなります。


現場で効く「見つけ方」は、葉表の欠け方だけで判断せず、必ず葉裏もセットで見ることです。セスジスズメは古い葉に1個ずつ産卵するタイプとされ、被害葉の近く(葉裏側)に幼虫がいるケースが多いので、被害葉が“地図”になります。幼虫は大きくなると発見しやすい一方、若齢のうちは小さく、食害の量も小さいため見落としがちです。だからこそ「被害が軽い葉を見つけた時点で、周辺株まで範囲を広げて葉裏確認」する運用が、結果的に農薬散布の判断精度を上げます。


もう一つのポイントは越冬態です。蛹で越冬するため、圃場周辺での土中の蛹が翌年の発生源になりえます。ここが意外と見落とされがちで、「今年は出た/出なかった」を圃場単体の出来事として処理してしまい、翌年の同じ圃場でまた同じ時期に慌てるパターンが起こります。土寄せ・中耕などの作業のタイミングで“蛹がいる前提”で管理を組み立てると、翌年の初動が早くなります。


参考リンク(農林水産省の公式な農薬登録情報の検索ページ)
https://pesticide.maff.go.jp/

里芋 セスジスズメ 防除 捕殺 除草

セスジスズメは「大発生することは多くない」とされる情報もあり、圃場での密度が高くないなら、捕殺がコスト・安全性・確実性のバランスで最強になる場面がよくあります。特に終齢近い幼虫は目立つので、朝の巡回で見つけてその場で処理できれば、薬剤散布の必要性自体が消えることもあります。手間はかかりますが、散布準備・天候待ち・ドリフト配慮・収穫前日数の管理まで含めた“総労力”で見ると、捕殺のほうが軽い圃場もあります。


除草も軽視できません。セスジスズメは里芋以外にヤブガラシなども好むとされ、圃場周辺の雑草が「産卵場所」や「里芋が小さい時期の食場」になっている可能性があります。里芋の被害が出てから慌てて周囲を見ると、畦際や法面にヤブガラシが伸びている、というのはよくある景色です。除草は単に見た目をきれいにする作業ではなく、害虫の生活史を断ち切る“防除の一部”として扱うのが合理的です。


捕殺と除草を「農薬を減らすための代替策」としてだけでなく、「農薬が効くタイミングを作る前工程」として位置づけると運用が安定します。例えば、若齢が散発している段階は捕殺で密度を落とし、発生がまとまってきたら(あるいは同時期に他害虫も出てきたら)登録農薬で面として抑える、といった組み立てです。これなら無駄な散布を減らしつつ、被害の山場(8~9月に被害が出やすいとされる時期)に向けて、圃場の負荷を平準化できます。


里芋 セスジスズメ 農薬 適用 登録 ラベル

農薬の話で最初に押さえるべきは、「効く・効かない」以前に「作物(里芋)と害虫(セスジスズメ)で、登録があるか」です。現場では“似た害虫に効いた薬”を流用したくなる瞬間がありますが、登録外使用はリスクが大きく、出荷・信用・行政対応に直結します。農林水産省の農薬登録情報提供システムで、作物名・適用病害虫名・薬剤名から条件を確認し、最終的にはボトル(または箱)のラベルの使用基準を優先してください。


また、里芋のセスジスズメは「適用登録薬剤なし」とされる資料もあり、媒体・時点によって整理が異なる可能性があります。ここが“意外に落とし穴”で、ネット記事の表を鵜呑みにすると、地域や更新タイミングによっては現場で使えない(または条件が違う)ことが起こりえます。だから、運用としては「ネット記事で候補を拾う → 公式DBで登録条件を確認 → ラベルで最終確認」の順に固定すると、迷いが減り、上司や出荷先に説明しやすくなります。


参考リンク(登録情報を公式に検索できる:ここで適用作物・適用病害虫・使用回数・収穫前日数などを確認)
https://pesticide.maff.go.jp/

里芋 セスジスズメ 農薬 散布 ポイント 若齢

セスジスズメ対策の散布で効き目を最大化するコツは、「若齢幼虫の時期に当てる」ことです。幼虫が大きくなってから散布しても効かないわけではありませんが、食害量がすでに大きく、散布後の回復が追いつかない場合があります。逆に、若齢で抑えられれば、里芋の葉面を守りやすく、結果としていもの肥大や収量のブレを抑えやすくなります。


散布の実務では、次の3点が差になります(現場で再現しやすい順)。


  • 葉裏を意識して散布する(幼虫が潜む場所に当てる)。
  • 風の弱い時間帯を選び、ドリフトとムラを減らす。
  • 100~300L/10aなど、ラベル記載の使用液量の範囲で「株の大きさ」に合わせて“濡れ”を確保する(苗が小さい時期と繁茂期で同じ感覚でやらない)。

里芋は葉が大きく、葉柄も立ち上がるので、表面だけ濡れて裏に回っていない散布になりがちです。ここで「一度に全部を完璧に」より、「発生初期に軽く当てて増殖を止める」発想が効きます。特に8~9月に被害が出やすいとされるので、その前から“発生初期を見逃さない巡回”とセットで運用するのが現実的です。


里芋 セスジスズメ 農薬 ローテーション IRAC 独自視点

独自視点として強調したいのは、ローテーションは「抵抗性対策」だけでなく、「現場の説明責任と再現性」を強くする、という点です。セスジスズメは“農薬に弱い”とされる情報があり、別害虫(例:ハスモンヨトウ等)を防除していれば問題になりにくい、という整理も見られます。つまり、効かせること自体は難しくない局面がある一方で、同じ薬に頼り続けると、他害虫も含めて効きが落ちたときに打ち手が急に狭くなります。


ローテーションを現場に落とすコツは「薬剤名」ではなく「作用機構(IRACなどのコード)」で並べ替えて考えることです。商品名で記録すると、担当者が変わったときに同系統を連用してしまう事故が起きます。作用機構で残しておけば、記録が“引き継げる資産”になります。農薬の作用機構分類は、抵抗性の発達回避のための便宜的分類として整理されているので、まずはそこを起点に防除計画を作るとミスが減ります。


さらに、ローテーションを「今年の圃場」だけで閉じないのが大事です。里芋は地域で作付けが偏りやすく、近隣圃場と害虫相・散布履歴が似てきます。自分の圃場で同じ系統を繰り返すと、周辺も同様に偏っている可能性があり、地域全体で効きが落ちる方向に進みやすい。だから、農協・防除所・近隣の作付け状況と会話し、「今季どの系統が多いか」を肌感でいいので把握し、あえて系統をずらすと強いです(ここは検索上位記事であまり強調されませんが、実務では効きます)。


参考リンク(作用機構分類の考え方:同系統連用を避ける意義の整理に使える)
https://boujo.net/handbook/saien/saie-85.html
参考リンク(抵抗性対策の前提になる「系統別分類」の一覧:ローテーション設計の下敷き)
https://www.greenjapan.co.jp/noyak_ketobunrui.htm
参考リンク(里芋のセスジスズメ対策として、発生時期・捕殺・周辺除草・IRAC確認などの実務ポイントがまとまっている)
https://www.noukaweb.com/taro-pallid-prominent/




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