日本タルク株式会社の大阪工場は、大阪府貝塚市二色南町9-7に位置しています。同社は1934年に大阪の地で日本初のタルク製造・開発専門メーカーとして創業し、90年以上の歴史を持つ老舗企業です。貝塚工場は水間鉄道バスの海浜緑地公園・国華園前バス停から徒歩約2分の場所にあり、アクセスも良好です。
参考)「日本タルク(株)大阪工場」(貝塚市-社会関連-〒597-0…
工場では従業員約75名が従事し、タルク製品の製造に加えて、近年は農業分野向けの土壌改良材の開発・製造にも注力しています。同社は大阪工場のほか、北海道の苫小牧工場、茨城県の勝田工場を有し、全国規模で事業を展開しています。
参考)https://www.hitachi-ies.co.jp/voltage/voltage21_vol143_Page1.htm
日本タルク株式会社の企業概要と歴史については日立産機システムの取材記事に詳細が掲載されています
日本タルクが製造するタルク製品は、農業分野で幅広く活用されています。主な用途として、農薬のキャリヤー(担体)や肥料の固結防止剤があり、特に化成肥料やBB肥料(配合肥料)の品質維持に欠かせない資材となっています。
参考)日本タルク
タルクは水になじみにくい性質を持つため、肥料の固結を効果的に防ぐことができます。全国農業協同組合連合会との共同開発では、高純度微粉タルク(粒度8μm以下、純度90%以上)が開発され、わずか0.1~0.2%の添加量で十分な固結軽減効果が実証されました。この技術革新により、肥料の品質保持とコスト削減が同時に実現されています。
参考)https://www.zennoh.or.jp/eigi/lib/pdf/research/gr582_10.pdf
さらに、タルクは微粉であるため肥料粒子に付着しやすく、機械施肥時の粉塵発生も最小限に抑えられるという利点があります。
全農とのタルク共同開発の詳細は研究報告書PDFで確認できます
日本タルクが千葉県のアグリバイオシステムと共同開発した土壌改良材「V-プロテクトG」は、有用菌トリコデルマ アスペレラムF-288株を活用した革新的な製品です。従来の土壌改良材が有用菌そのものを畑に投入するのに対し、V-プロテクトGは土壌中で有用菌を増殖させることをコンセプトとしている点が画期的です。
参考)野菜や花がグングン育つ! 農家を助ける“トリコデルマ菌”の働…
トリコデルマ属菌は多くの糸状菌(土壌病害菌を含む)に対して拮抗性と寄生性を示す有用菌で、農業分野で広く活用されています。V-プロテクトGにはトリコデルマF-288株の餌となる微生物が配合されており、土壌中でトリコデルマが効率的に増殖できる仕組みになっています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11015995/
長崎県雲仙市のジャガイモ農家では、この製品により土壌病害が飛躍的に改善され、収量アップを実現しました。北海道でのばれいしょ栽培試験でも増収効果が確認されており、水耕を除く幅広い栽培方法で効果を発揮します。
参考)日本タルク『V‐プロテクトG』がオススメな理由|農業資材「バ…
雲仙市でのジャガイモ栽培での成功事例は農業ジャーナルに詳しく紹介されています
「T-プロテクト」は、日本タルクが開発した白紋羽病に特化した土壌改良材です。白紋羽病は果樹を枯らす深刻な土壌病害で、特に梨やサクランボ、リンゴなどの栽培に大きな被害をもたらします。
参考)有用菌を増やす土壌改良剤『T-プロテクト』で、白紋羽病(しろ…
T-プロテクトは非病原性のロセリニア・ネカトリクス菌(白紋羽病菌の近縁種)を農業資材化したもので、土壌に混ぜることで土壌中の有用菌が増殖し、病原性の白紋羽病菌を抑制する効果があります。千葉県船橋市の梨農家では、化学合成農薬による土壌消毒後にT-プロテクト処理を行うことで、改植予定地での白紋羽病被害を大幅に軽減できました。
参考)https://www.ja-minami-alps-city.or.jp/wp/topics/15645/
2023年にはJA南アルプス市が組合員向けにT-プロテクトの販売を開始し、地域の果樹栽培における白紋羽病対策として普及が進んでいます。従来の温水治療などの物理的防除法と併用することで、より効果的な病害管理が可能になります。
参考)https://www.affrc.maff.go.jp/docs/pdf/onsuitiryou_man_2013.pdf
JA南アルプス市での白紋羽病対策資材の取り組みが公式サイトで紹介されています
日本タルク貝塚工場で製造される農業資材は、持続可能な農業の実現に貢献しています。化学農薬への依存を減らし、微生物の力を活用する土壌改良材は、環境への負荷を軽減しながら作物の健康な成長を促進します。
参考)出展社詳細
トリコデルマ菌を利用した製品は、土壌病害の防除だけでなく、植物の生育促進や栄養利用効率の向上、作物の抵抗性強化など多面的な効果を発揮します。これらの特性により、化学肥料や農薬の使用量削減が可能になり、環境にやさしい農業実践につながっています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10189891/
興味深いことに、同社の製品は野菜、花卉、果樹など幅広い作物に適用可能で、連作障害の改善にも効果があります。特に施設園芸や集約的な栽培において、土壌環境の改善は収益性向上の鍵となります。日本タルクは世界で唯一製造している超微粒子タルクなど、独自技術を持つ企業として、今後も農業分野でのイノベーションが期待されます。
参考)出展社詳細
微生物資材としてのV-プロテクトGの特性は微生物資材ガイドで詳しく解説されています