カリが多い 肥料とカリ肥料の種類

カリが多い肥料を探すとき、草木灰などの有機資材と塩化加里・硫酸加里などの化学肥料で選び方が変わります。欠乏・過剰、土壌ECや作物相性まで整理すると施肥設計が安定しますが、どこから見直しますか?

カリが多い 肥料と施肥

カリが多い肥料の判断軸
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まず「種類」を分ける

塩化加里・硫酸加里などの化学肥料と、草木灰・米ぬか・鶏糞などの有機資材で効き方と注意点が違います。

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分施が基本

カリは「贅沢吸収」しやすく、開花・結実期に要求量が増えるため、基肥と追肥で分けるとロスと偏りを抑えられます。

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過剰の落とし穴

石灰・加里などの過剰は苦土欠などの原因になるため、土壌診断と養分バランスで安全域を作ります。

カリが多い 肥料の基礎知識と贅沢吸収


カリ(加里、カリウム)は肥料の三要素の一つで、光合成や根・茎の強化、開花・結実の後押しに関わると整理されます。
一方でカリは、作物が必要以上に吸収してしまう「贅沢吸収」を起こしやすく、入れた分がそのまま品質・収量の上振れに直結しないケースがあるのが難点です。
贅沢吸収が起きると、土壌中の苦土や石灰との養分バランスが崩れて、生育が不安定になることがあるため「多い=正義」になりません。
では、現場で「カリが多い肥料」をどう考えるか。おすすめは、まず目的を2つに分けることです。


目的AでもBでも共通して重要なのが「土壌診断」と「施肥履歴」です。カリは土壌に蓄積傾向があるとされ、減肥しすぎると逆に土壌中カリが下がり過ぎることもあるため、定期的な確認が前提になります。

カリが多い 肥料の種類:塩化加里と硫酸加里

化学肥料で「カリが多い」と言うと、まず単肥の加里肥料(塩化加里・硫酸加里など)が軸になります。
塩化加里は主成分が塩化カリウム(KCl)で、加里(K2O換算)含有量が57~62%程度とされ、世界の加里肥料の中心です。
水に溶けやすく価格面のメリットがある一方、副成分の塩素(塩化物イオン)により、作物や土壌条件によっては品質低下やEC上昇(塩類濃度上昇)に注意が必要とされます。
硫酸加里は主成分が硫酸カリウム(K2SO4)で、加里(K2O換算)含有量が50~52%程度、硫黄(S)も含む速効性肥料として説明されます。

塩化物イオンの影響を避けたい作物(例:果物類、イモ類、タバコなど“塩素感受性”の作物)に適する、という整理がされています。

さらに、現場で効く判断軸を「副成分」でまとめると迷いが減ります。


  • 塩化加里:塩素を多く含むため、塩類アルカリ土壌では塩害リスクを増強する恐れ、塩素感受性作物では品質面の注意点が示されています。​
  • 硫酸加里:土壌中に硫酸イオンが残りやすく、長期施用で土壌pH低下(酸性化)や土壌の硬化につながる恐れがあるとされ、土壌管理とセットで考える必要があります。​

意外と見落としがちなのが「種肥(播種直後の近接施肥)」です。塩化加里は土壌中の塩素濃度が高いと発芽遅れや発芽率低下などが起こる恐れがあり、種肥に不適とされています。

一方、硫酸加里は基肥・種肥・追肥に適するとされますが、どちらも“即効性で水溶性”のため、局所的に濃度を上げすぎない設計が大切です。

カリが多い 肥料の有機肥料:草木灰と米ぬか

「有機でカリが多い肥料」を探すと、代表例として草木灰や米ぬか、発酵鶏糞が挙げられます。
草木灰はカリ肥料として利用され、草や木の種類で成分が変わるため「特殊肥料」に分類される、という説明があります。
また草木灰は強いアルカリ性(pH10.5以上)を呈するとされ、酸性土壌に向く一方で、種子の発芽や苗の初期生育を妨げるため種肥には不適、アンモニア性窒素を含む肥料と配合禁止(アンモニア揮散などの悪影響)とされています。
米ぬかはリン酸が多く、土壌微生物の働きを活性化させる効果が期待され、ぼかし肥の原料として使われやすい、という整理がされています。


参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9900179/

ただし米ぬかは草木灰ほどカリが多いわけではなく、NやPも含むため、「カリだけ狙い」のつもりで入れると施肥バランスがずれる点に注意が必要です。

有機資材の“意外な効き方”として押さえたいのは、肥料成分だけでなく土壌条件(物理性・微生物)にも影響することです。例えば草木灰は、土壌の通気性・排水性保水性など物理性の改善につながる、といった観点が紹介されています。

ただし、土壌pHを上げる力が強い資材を連用すると、作物によっては別の欠乏や障害が見えやすくなるため、pHとECを含めた診断の枠組みで扱うのが安全です。


参考)https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fagro.2022.848621/pdf

カリが多い 肥料の施肥時期:基肥と追肥

カリは吸収量が多く贅沢吸収しやすいため、窒素と同様に分施(基肥+追肥)が有効、と施肥基準資料で明記されています。
特に開花・結実期に要求量が増加するため、そのタイミングに合わせて必要量を施肥するのがポイントです。
この考え方は、単肥(塩化加里・硫酸加里)でも、有機資材でも同じで、作物のステージに合わせて“効かせる場所と量”を分けるほど、過剰やロスを減らせます。
また、カリは即効性資材が多い一方、ゆっくり効くタイプ(けい酸加里)も紹介されています。


けい酸加里はく溶性でゆっくり効き、贅沢吸収を起こしにくいことがメリットとして挙げられており、「一気に効かせたくない」「過剰を避けたい」現場では選択肢になります。

実務に落とすと、次のようなチェックが効きます。


  • 追肥の“目的”を固定する:果実肥大・着果安定・耐倒伏など、狙いが曖昧だと過剰になりやすい。​
  • 追肥は一度に多量にしない:即効性資材は濃度障害のリスクがあるため、回数を分ける発想が安全。​
  • 有機物を入れている圃場はカリ減肥余地がある:稲わら・堆肥・スラリー等にカリが多いので、化学肥料のカリを減らせる場合がある。​

カリが多い 肥料の独自視点:石灰と苦土欠の予防設計

検索上位は「カリが多い肥料の種類紹介」で終わりがちですが、農家のトラブルは“入れ方”で起きます。ここでは、現場で再現性が高い予防設計として「石灰・苦土・カリの関係」を先に組み込みます。
施肥基準では、石灰・加里・アンモニアの過剰で苦土欠症状やホウ素欠症状が発生する場合があるので注意、と明記されています。

つまり「カリが多い肥料を追加した」のに、結果として苦土欠の見た目が出て品質が落ちる、という逆転現象が起き得ます。

ここで効くのが、土壌診断の“最低限セット”です。


  • pH:草木灰や石灰資材で上がりやすいので、まず過剰上昇を避ける。​
  • EC:施設や無降雨条件では肥料が残りやすく、塩化加里などでECが上がる点に注意、という説明があります。
  • 交換性加里:カリは蓄積傾向があるため、減肥・増肥判断の土台になるとされています。

さらに「意外な盲点」として、資材の混和・配合です。草木灰はアンモニア性窒素を含む肥料と化学反応してアンモニアを揮発させるなど悪影響があり、配合禁止とされています。

つまり、春先に“とりあえず草木灰+硫安”のような組み合わせを同時にやると、狙い通りの効き方にならない可能性がある、ということです。

「カリが多い肥料」を成功させる最後のコツは、肥料名の数字(例:8-8-8等)を“成分比”として読み、カリだけを動かしたいのか、NやPも一緒に動くのかを切り分けることです。施肥基準資料では保証成分の見方(加里全量TK、水溶性加里WKなど)も整理されているので、購入時のラベル確認に使えます。

参考:塩化加里・硫酸加里・けい酸加里の成分含有量、用途、注意事項(PDFの表と解説が実務的)
https://bsikagaku.jp/f-knowledge/knowledge64.pdf
参考:加里の分施(開花・結実期に要求量増)、石灰・加里過剰と苦土欠の注意、pH/ECを含む施肥設計の基礎(施肥基準PDF)
https://www.pref.nara.jp/secure/229813/sehikijun.pdf




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