ヒユ科の野菜一覧と種類ごとの特徴、栄養や栽培方法

ヒユ科の野菜にはほうれん草やビーツなど栄養豊富なものが沢山あります。この記事では代表的な種類一覧から、それぞれの栄養、家庭菜園での栽培方法、さらには美味しいレシピまで解説します。あなたの知らないヒユ科野菜の魅力に出会えるかもしれませんよ?

ヒユ科の野菜の一覧

この記事でわかること
🥬
多様な種類と特徴

ほうれん草からアマランサスまで、食卓を彩るヒユ科の仲間たちを紹介します。

💪
驚きの栄養価

鉄分、ビタミン、ミネラルなど、ヒユ科野菜が持つ健康パワーの秘密に迫ります。

🌱
栽培から調理まで

家庭菜園での育て方のコツから、栄養を逃さない美味しい食べ方まで網羅します。

ヒユ科の野菜の代表的な種類とそれぞれの特徴


ヒユ科と聞くとあまり馴染みがないかもしれませんが、実は私たちの食生活に深く関わっている野菜が多く含まれています。かつてはアカザ科に分類されていた野菜も、近年の研究でヒユ科に統合されました。ここでは、代表的なヒユ科の野菜とその特徴を紹介します。
食卓の定番から、スーパーフードとして注目されるものまで、その個性豊かなラインナップを見ていきましょう。






































野菜の名前 主な特徴 豆知識・別名
ほうれん草 栄養価の高さで知られる葉物野菜の代表格。おひたしや炒め物、スープなど幅広い料理に活用できる。 日本には江戸時代初期に中国から伝来。「菠薐草」と書く。
ビーツ 「食べる輸血」とも呼ばれるほど栄養豊富。鮮やかな赤色はベタシアニンという色素によるもの。サラダやスープ、スムージーなどに。 根だけでなく、葉も食べることができる。葉はほうれん草のように調理可能。
スイスチャード カラフルな茎が特徴的で、食卓を華やかにする。クセが少なく、サラダや炒め物にむいている。 和名は「フダンソウ(不断草)」。一年を通して収穫できることから名付けられた。
アマランサス 驚異的な栄養価から「スーパーグレイン(驚異の穀物)」と呼ばれる。種子を穀物のように炊いたり、若葉を野菜として食べたりする。 古代アステカ帝国ではトウモロコシと並ぶ重要な主食だった。グルテンフリー食材としても人気。
オカヒジキ シャキシャキとした食感が特徴で、見た目が海藻のヒジキに似ていることから名付けられた。おひたしや和え物が定番。 海岸の砂地に自生する野草だったが、江戸時代から野菜として栽培されるようになった。「陸の海藻」とも呼ばれる。
ヒユナ(バイアム) 熱帯アジア原産で、暑さに強い夏野菜。アクが少なく、炒め物やおひたしで手軽に食べられる。 「ジャワほうれん草」や「チャイニーズ・スピナッチ」などの別名を持つ。

ヒユ科の野菜に含まれる豊富な栄養素と健康効果

ヒユ科の野菜は、私たちの健康維持に欠かせない多様な栄養素を豊富に含んでいます。特に、現代人に不足しがちなミネラルやビタミンが多く含まれているのが特徴です。ここでは、ヒユ科の野菜が持つ代表的な栄養素とその健康効果について詳しく見ていきましょう。💪


  • 鉄分: 特にほうれん草やヒユナに多く含まれており、貧血予防に効果的です。赤血球のヘモグロビンの材料となり、全身に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。

  • ベタシアニン・ベタキサンチン(ビーツ): ビーツの鮮やかな色の元となる色素で、これらを総称して「ベタレイン色素」と呼びます。強い抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去して、生活習慣病の予防やアンチエイジングに役立つと期待されています。

  • 硝酸塩(ビーツ、ほうれん草): 体内で一酸化窒素(NO)に変換され、血管を拡張して血流を促進する効果があります 。これにより、血圧の安定や持久力の向上、疲労回復の促進などが期待できるため、アスリートからも注目されています。

  • カルシウムとビタミンK: 骨や歯の健康に不可欠なカルシウムは、多くのヒユ科野菜に含まれています。特にヒユナはビタミンKも豊富で、カルシウムの骨への吸収を助ける働きがあるため、効率的に骨を丈夫にすることができます。

  • β-カロテン: 体内でビタミンAに変換され、目や皮膚、粘膜の健康を維持します。また、強い抗酸化作用で免疫力を高める効果も期待できます。

シュウ酸に関する注意点

ほうれん草など一部のヒユ科野菜には、「シュウ酸」というアクの成分が含まれています。シュウ酸を過剰に摂取すると、体内でカルシウムと結合して結石の原因になる可能性があります。 しかし、シュウ酸は水に溶けやすい性質があるため、調理前にさっと茹でこぼすことで、その量を大幅に減らすことができます。 また、カルシウムを多く含む食品(ごま、かつお節など)と一緒に食べることで、シュウ酸の体内への吸収を抑えることができます。

ヒユ科の野菜の栽培方法と家庭菜園での育て方のコツ

ヒユ科の野菜は、家庭菜園でも比較的育てやすい種類が多く、初心者からベテランまで楽しむことができます。種類によって栽培のポイントは異なりますが、基本的な育て方と、特に注意したいコツをいくつかご紹介します。自分で育てた新鮮な野菜は、味も格別ですよ!🌱
土づくりの基本

ほうれん草やビーツなど、ヒユ科の野菜の多くは酸性の土壌を嫌います。 植え付けの2週間ほど前に苦土石灰をまいて土の酸度を調整し、1週間前に堆肥元肥をすき込んでよく耕しておきましょう。水はけと水もちの良い、ふかふかの土壌が理想です。
種まきのポイント


  • ほうれん草: 発芽を揃えるために、種を一晩水に浸してからまくと良いでしょう。

  • ビーツ: ビーツの種は「果球」と呼ばれ、1つの種から複数の芽が出ることがあります。そのため、発芽後に必ず間引きを行い、元気な芽を1本だけ残すのがポイントです。

  • スイスチャード: 種の皮が硬めなので、一昼夜水に浸けてからまくと発芽がスムーズになります。すじ状に種をまき、発芽までは土を乾燥させないように管理します。

栽培管理と収穫


  • 間引き: どの野菜も、葉が混み合ってきたら間引きをします。風通しを良くすることで、病気の予防につながります。間引いた若葉も、ベビーリーフとして美味しくいただけます。

  • 水やり: 土の表面が乾いたらたっぷりと与えるのが基本です。特に夏場は乾燥しやすいので注意しましょう。

  • 追肥: 生育の様子を見ながら、月に1〜2回程度、化成肥料液体肥料を与えます。ただし、窒素肥料が多すぎると病害虫の被害を受けやすくなるため、与えすぎには注意が必要です。

  • 収穫: スイスチャードやヒユナは、株ごと収穫するのではなく、外側の葉から必要な分だけ摘み取っていくと、長期間収穫を楽しむことができます。

連作障害に注意!

ビーツやほうれん草は、同じ場所で続けて栽培すると「連作障害」が起きやすくなります。 病気や生育不良の原因となるため、一度栽培した場所では、3〜4年は他の科の野菜を育てるようにしましょう。 これは、同じ科の野菜を続けて植えない「輪作」の基本であり、健康な土壌を維持するために重要です。
ほうれん草の連作障害については、以下のJAグループのサイトで詳しく解説されています。


ほうれん草の後作には何がいい?相性の良い作物・悪い作物 | yuime

ヒユ科の野菜を美味しく食べるための下処理と人気レシピ

栄養満点のヒユ科野菜を、もっと美味しく、効率よく食卓に取り入れるための下処理のコツと、人気のレシピをご紹介します。ちょっとした工夫で、野菜本来の味を最大限に引き出すことができますよ。🍳
下処理のコツ


  • ほうれん草のアク抜き: シュウ酸を減らすため、塩をひとつまみ入れた熱湯で1〜2分茹で、すぐに冷水に取ります。 茹ですぎるとビタミンが失われるので、時間は短めに。冷水にさらすことで、色鮮やかに仕上がります。

  • ビーツの皮むき: 生のまま皮をむくと手が染まってしまいます。丸ごと茹でるか、アルミホイルに包んでオーブンで焼いた後、冷水に取ると手でつるんと簡単に皮がむけます。

  • スイスチャードの使い分け: 葉の部分は柔らかいのでサラダや炒め物に、茎の部分は少し硬さがあるので、きんぴらや、細かく刻んでスープの具にすると食感のアクセントになります。

  • オカヒジキの食感を活かす: 茹ですぎると特有のシャキシャキ感が失われてしまいます。熱湯で30秒〜1分さっと茹で、すぐに冷水にとって水気をしっかり絞るのがポイントです。

おすすめ人気レシピ
1. 捨てるところなし!ビーツの葉と茎のナムル

栄養豊富なビーツの葉は捨ててしまいがちですが、立派な食材です。さっと茹でてごま油と醤油、にんにくで和えるだけで、美味しい一品になります。 根とはまた違った、ほうれん草のような風味と食感が楽しめます。
2. 彩り鮮やか!スイスチャードとベーコンのバター醤油炒め

カラフルなスイスチャードの見た目を活かした、簡単でお弁当にもぴったりのレシピです。バターでベーコンとスイスチャードの茎を炒め、しんなりしたら葉の部分を加えてさっと炒め合わせ、仕上げに醤油を回しかければ完成。茎の食感と葉の柔らかさが同時に楽しめます。
3. プチプチ食感が楽しい!アマランサス入り炊き込みご飯

お米1合に対して大さじ1杯程度のアマランサスを一緒に炊くだけ。白米に不足しがちなミネラルや食物繊維を手軽に補給できます。プチプチとした食感がアクセントになり、いつものご飯がワンランクアップします。

ヒユ科の野菜の意外な歴史と世界での多様な利用法

私たちが普段口にしているヒユ科の野菜には、その美味しさや栄養価だけでなく、数千年にわたる壮大な歴史と、世界各地でのユニークな利用法が隠されています。その物語を知ることで、一皿の野菜がより味わい深く感じられるかもしれません。📜
神聖な穀物「アマランサス」

アマランサスの歴史は非常に古く、約7000年前の古代アステカ文明(現在のメキシコ)にまで遡ります。 当時、アマランサスはトウモロコシや豆と並ぶ三大主食の一つであり、人々のエネルギー源の80%を占めていたとさえ言われています。 しかし、その重要性は食料としてだけではありませんでした。アマランサスは神々への捧げものとして宗教儀式に不可欠な存在であり、神聖な穀物として扱われていたのです。 ところが16世紀、スペインがアステカを征服した際、キリスト教以外の宗教儀式を禁じる目的で、アマランサスの栽培を厳しく禁止しました。これにより、アマランサスは歴史の表舞台から一度姿を消すことになったのです。
砂糖の歴史を変えた「ビーツ」

ビーツの仲間である「テンサイ(甜菜)」、別名サトウダイコンは、世界の砂糖生産を大きく変えた歴史的な作物です。18世紀末、ナポレオンが大陸封鎖令を発令したことで、フランスはイギリス領の西インド諸島からサトウキビ由来の砂糖を輸入できなくなりました。そこで代替品として白羽の矢が立ったのが、寒冷地でも栽培可能なテンサイだったのです。ナポレオンの奨励によりテンサイからの製糖技術が確立され、これがヨーロッパ全土に広がりました。現在でも、世界の砂糖生産量の約3割はテンサイが占めています。私たちが普段使っている砂糖が、ビーツの親戚から作られていると考えると面白いですね。
ペルシャから世界へ「ほうれん草」

ほうれん草の原産地は、現在のイラン周辺、かつてのペルシャであると考えられています。そこからシルクロードを経て中国に伝わり、「菠薐(ホリン)」というペルシャの地名にちなんで「菠薐草(ホリンソウ)」と呼ばれるようになりました。日本へは江戸時代初期に中国から伝来しましたが、当時はアクが強く、あまり一般的には食べられていませんでした。現在のようなアクが少なく食べやすい「東洋種」が普及したのは、江戸時代後期になってからのことです。
以下の参考サイトでは、アマランサスの歴史について、より詳しく知ることができます。


花言葉は「不老不死」 - Hands Trading




アリサン G45 有機アマランサス粒 350g×2袋。アンデス地方でよく食べられるヒユ科の食物 お米に少し入れて炊いたり、スープに入れて