あなたが畑で見逃す“ひと晩の油断”が5万円の損失につながるかもしれません。
ハクサイダイコンサルハムシは成虫越冬型の害虫で、春から活動を再開します。特に4月下旬から5月にかけて一斉に現れるのが特徴です。1匹のメスが約60個の卵を葉裏に産み、気温20℃前後で約6日で孵化します。つまり、初期発見を逃すと一週間で数十倍に増える計算です。
つまり速度が問題です。
また、気温が下がる11月以降でも、関西の一部地域ではビニールトンネル内で越冬する個体が確認されています。これは東京農業大学の調査(2023年)でも報告されており、暖冬年では12月下旬でも活動が続くケースがあったそうです。
発見が遅れれば損失が拡大します。
参考:農研機構「ハクサイダイコンサルハムシの地域別発生傾向」
農業・食品産業技術総合研究機構 NARO
幼虫と成虫では被害の形が異なり、見落としやすいのが前者です。幼虫は葉裏を浅く削り取る「窓あき症状」を起こします。一方、成虫は葉脈を残して広く食害するため、レース状の穴が目立ちます。
見分けは葉裏が肝です。
まだ小さな白い点のような食害跡が連続していたら、それが初期サインです。特にハクサイだけでなくダイコンやコマツナにも移動します。連作地では前年の残渣に潜むため、焼却処理を怠ると翌年の発生率が約3倍に跳ね上がります。
焼却処理が基本です。
防除は「タイミング9割」と言われます。種まき直後ではなく、発芽直後の7日間が最も重要です。すでに多くの農家が行う「発芽前の薬剤散布」では効果が薄れ、薬剤コストが無駄になります。
つまり順序が逆効果です。
JA全農のデータでは、散布時期を変更しただけで被害葉率が約40%減少しています。防虫ネットを併用する際は、網目0.6mm以下が推奨されています。また、アセフェート剤やピリダリル剤を混用することで耐性リスクを下げられると報告されています。
薬剤選択が肝心です。
「秋はもう虫がいない」――これは典型的な誤解です。実際には、10月中旬に再発生する“秋世代”があります。
特に大阪・奈良・三重などの暖地で顕著です。
温暖化の影響で発生期間が平均で17日延びており、11月の被害報告が急増しています。
つまり油断が禁物です。
また、「農薬はコストになる」という考えも要注意です。防除を怠った場合、被害面積1反あたり平均で2万5千円相当の損失が出る調査結果があります。結果的に“投資を惜しんだ分”が収益を削ります。短期的コストより中長期リスクを意識しましょう。
最後は物理的・環境的対策です。まず、畝間を1.2m以上とり、風通しを確保しましょう。圃場の湿度が高いと幼虫の生存率が60%以上に上がるため、排水性改善が鍵です。透水シートや客土で土壌を軽くするのも有効です。
圃場管理がすべてです。
また、苗床付近の除草も重要です。セイタカアワダチソウやナズナなどアブラナ科雑草はハクサイダイコンサルハムシの中継植物として機能します。これを刈るだけでも初期定着率が30%減少することが確認されています。
つまり予防線の整備が第一歩です。
大阪府農政課:病害虫・雑草管理資料