えごま油 栽培 播種 定植 収穫 雑草対策

えごま油 栽培で、播種・育苗から定植、雑草対策、収穫と乾燥調製までの要点を、現場で迷いやすい判断基準つきで整理します。播種適期や収穫ロスを減らすコツまで押さえて、次作に活かせますか?

えごま油 栽培

えごま油 栽培の全体像
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播種は「遅すぎ」注意

播種が遅いほど生育期間が短くなり、分枝が減って収量が落ちやすい。地域条件に合わせ、適期を外さない段取りが重要。

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雑草対策が勝負所

生育初期は雑草と競合しやすい。中耕除草のタイミングを逃すと、その後の作業効率と収量に直結する。

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収穫ロスは「落葉」で決まる

コンバイン収穫では、落葉が進みすぎると脱粒が増える。葉の黄化・落葉の進み具合で刈取適期を見極める。

えごま油 栽培の特徴


えごまはシソ科で、形態はシソに似ます。農業現場では「ゴマの代替」的に語られがちですが、栽培性はかなり違い、えごまは耐湿性があり吸肥力も強い一方、ゴマは乾燥地を好むという整理がまず重要です。
この性質の違いは、圃場選び(排水の良否)や施肥設計(効かせ方)にそのまま響きます。


農研機構の整理では、えごまはやや冷涼な気候を好むが、暖地でも栽培可能で適応地域は広いとされています。つまり「寒冷地向き」と決めつけず、地域の播種定植収穫の窓を作れば、油料作物として選択肢になり得ます。


さらに、えごまは自家受精が基本でも他花受精も起こり得るため、採種を前提にする場合は“圃場内の系統混ざり”のリスクも頭に入れておくと、翌年の品質ブレを減らせます。


・えごま油向け(子実目的)は「結実までの生育量(枝数)」が収量を左右しやすい
・栽培期間の前半(初期管理)で勝負がつく
・収穫期の遅れは脱粒=減収に直結しやすい

えごま油 栽培の播種

播種は「早すぎ・遅すぎ」がどちらも問題になります。JAの栽培暦では、適期播種は5月下旬〜6月上旬頃とされ、早すぎると茎葉の過繁茂、遅すぎると茎葉が大きくなる前に結実して減収する、と明記されています。
この“早まきの過繁茂”は、倒伏リスクだけでなく、圃場内の風通し低下→病害(カビ)や収穫作業性の悪化にもつながりやすいので、現場では「播種日だけでなく、初期の効かせ過ぎ」を避ける発想が効きます。


熊本県の研究報告では、播種が遅いほど生育期間が短くなり、主茎長・茎径・分枝数が減る傾向が示され、7月20日播種では子実重が有意に少ない結果が出ています。加えて、播種適期は6月1日〜7月10日とされ、収量確保には二次分枝数が重要(子実重との相関が高い)と整理されています。


つまり「直播で遅れたから、追肥で取り返す」という発想より、二次分枝が作れる“時間”を確保する播種計画のほうが再現性が高い、ということです。


播種・育苗の実務ポイント(セルトレイ例)
・発芽まで5〜6日が目安で、不織布で乾燥を防ぐ(表土の乾燥ムラが発芽ムラに直結)。


・播種後はムラなく灌水し、以降も乾燥させない(「乾かさない」が基本だが、過湿で根が弱る管理にも注意)。


・トレイ底から根が伸びるのを防ぐため、置床はトレイが地面から浮くように設置する(根切れ・活着遅れの原因を減らす)。


えごま油 栽培の定植

定植は「適期・苗質・排水」の3点セットで考えると失敗が減ります。JAの栽培暦では、定植時期は6月下旬〜7月15日頃まで、株間20cm・1条・1本仕立ての目安が示されます。
ここで重要なのは、定植の遅れが単に収穫遅れになるのではなく、日長反応が強い作物特性上「体が作れないまま花が来る」方向に働きやすい点です(結果として枝数が減り、子実が伸びない)。


水田転換や湿り気が残りやすい圃場では、排水対策が収量以前に“作業成立”を左右します。JAの栽培暦でも、水田利用では排水不良により生育障害や機械による中耕作業に支障が出るため、十分な排水対策を行うことがポイントとされています。


実務では、額縁排水溝を早めに作っておく・畝幅は80cm以上で培土できる設計にする、などが後工程(中耕除草・収穫)まで効いてきます。


施肥については「多肥=多収」になりにくい罠があります。JAの栽培暦では、草丈が長くなると倒伏の恐れがあるため、草丈150cm以内になるよう地力に応じて施肥量を調節するとされています。


倒伏は収穫ロス増だけでなく、地際の湿り→カビ→調製コスト増にもつながるので、「倒伏しない体にする」こと自体が油原料の安定供給に直結します。


えごま油 栽培の中耕除草

えごま栽培で最も“後から取り返しにくい”のが、初期の雑草負けです。JAの栽培暦でも、生育初期は雑草との競合となるので雑草対策が必要、と明確に書かれています。
油料作物として子実を狙う場合、序盤の生育量(枝の数と太さ)を削られると、後半で花が来ても子実の“器”が足りず、収量が伸びません。


JAの栽培暦の目安では、定植から10〜14日後に中耕を行い、その後10〜14日間隔で2〜3回程度の中耕除草を行う(8月中旬まで)とされています。


この「8月中旬まで」という上限が現場では重要で、えごまが十分に繁って地表を覆う前に雑草を叩き切る、という作戦になります。


作業設計のコツ(現場向け)
・1回目の中耕は“雑草が小さいうち”が最も費用対効果が高い(遅れるほど根が張って機械も効かない)。


・排水が悪い圃場ほど中耕機械の走行性が落ちるため、排水対策=除草対策になる。


・直播の場合は特に初期密度が揃いにくく、欠株がある場所に雑草が立ちやすいので、圃場巡回は「欠株列」を重点観察する。


えごま油 栽培の収穫

収穫は「遅れるほど脱粒で減収」が基本線です。JAの栽培暦でも、収穫期が遅れると種がこぼれて減収となるため、手刈りでは成熟期の3〜7日前(成熟早見表のⅢ〜Ⅳ期)、コンバイン収穫では完全落葉期から1週間以内(Ⅴ〜Ⅵ期)に収穫する、とされています。
この“完全落葉期から1週間以内”という指標は、乾燥の都合で引っ張りたくなる現場にとって、かなり重要な歯止めになります。


さらに、熊本県の研究報告では、普通型コンバイン収穫のロスは主に刈取部で発生し、落葉後に収穫すると収穫ロス率が大きく、葉が半分程度落葉した頃から落葉が終わる頃までに収穫するとロスを低減できると示されています。


ここが意外に見落とされる点で、「よく乾いてから刈るほど良い」とは限らず、落葉し過ぎ=刈取振動で脱粒が進む、という逆転現象が起こります。


収穫後はカビ防止が最優先です。JAの栽培暦でも、収穫後は直ちに調製作業を行う、と注意書きがあります。


油にする子実は、乾燥・調製の遅れが“香り”や“酸化臭”の評価にも直結しやすいので、刈取り〜乾燥のラインを事前に詰めておくと、歩留まりだけでなく販売面でも差が出ます。


――参考リンク(播種・定植・中耕除草・収穫の具体的な時期と注意点の根拠:栽培暦)
https://ja-aoba.jp/archives/001/201904/2019koyomi_EGOMA.pdf
――参考リンク(播種適期、二次分枝数と収量の関係、コンバイン収穫ロス低減:研究報告)
https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/157897.pdf
――参考リンク(えごまの作物特性:耐湿性・適応地域などの整理)
https://www.naro.go.jp/laboratory/nics/mihonen/crops/a_gyou/069974.html




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