土壌 水持ち 改善 団粒構造保水排水技術

土壌 水持ち 改善の基本から団粒構造づくりや資材・機械・水管理まで整理し、自分のほ場でどこから手を付ければ水持ちと収量を両立できるでしょうか?

土壌 水持ち 改善 団粒構造

土壌 水持ち 改善の全体像
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保水性と排水性のバランス

水持ちを良くしつつ過湿を避けるために、保水性と透水性・排水性をどう両立させるかの考え方を整理します。

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団粒構造と有機物・微生物

団粒構造をつくる有機物と微生物の働きを知り、土壌 水持ち 改善のベースづくりを具体的にイメージできるようにします。

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改良資材と物理性改善

堆肥・くん炭・鉱物系改良材・高分子保水材などを、土性別にどう組み合わせればよいかを整理します。

土壌 水持ち 改善と保水性・透水性の考え方


土壌の「水持ち」は、単純に水を多くため込むことではなく、「余分な水は早く抜け、必要な水だけを適度に抱える状態」を指します。
実務的には、透水性(通水性)・排水性(水はけ)・保水性(水もち)の三つを一体で見て、「作物の根が呼吸できるか」と「乾き過ぎないか」の両方をチェックすることが重要です。
たとえば、砂質土は透水性・排水性は良いが保水性が低く、雨後すぐ乾いてかん水回数が増えがちです。


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逆に粘土質土は保水性は高いものの、過剰水分が抜けにくく、根腐れや生育遅延の原因となるため、物理性を整えて「水の動き方」をデザインすることが、土壌 水持ち 改善の出発点になります。


参考)https://www.yanmar.com/jp/agri/agri_plus/information/121.html

土壌 水持ち 改善の鍵となる団粒構造と有機物・微生物

団粒構造とは、細かい土粒子が微生物の分泌物や有機物などで結びつき、小さな塊(団粒)をつくった状態で、この団粒と団粒のすき間に水と空気が適度に入り込めるのが理想です。
団粒構造が発達した土壌では、雨が降っても表面流去しにくく、いったんしみ込んだ水分が団粒の中に保持されるため、「乾きにくいのに水はけも良い」という、一見矛盾した条件を両立できます。
団粒を育てる主役は完熟堆肥腐葉土などの有機物と、それを分解する微生物であり、バーク堆肥や腐葉土を数年間継続して投入することで、保水性・保肥力・通気性を同時に改善できる事例が多く報告されています。


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意外なポイントとして、耕耘のしすぎは団粒を壊し、雨ごとに細粒が下層へ詰まっていくため、毎年深く撹拌するより、「初めに深く作り、その後は浅く・必要箇所だけ耕す」方が長期的には水持ちが安定しやすいという指摘があります。


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土壌 水持ち 改善に使える改良資材とその効き方

水持ちを改善する資材としては、大きく有機系・鉱物系・高分子保水材系に分けられます。
有機系では、腐葉土・バーク堆肥・牛ふん堆肥などが代表的で、多孔質な構造により保水性と通気性を高め、団粒構造も促進します。
鉱物系では、赤玉土バーミキュライトゼオライトなどのほか、ベントナイトのように粘土鉱物として保水力を大幅に高める資材があり、「砂地の水持ちと肥料持ちを同時に改善できる」として、露地野菜や果樹の砂質圃場での活用例が増えています。

さらに、高分子保水材(SAP)を土に混和すると、乾燥時に水を放出し、降雨後に膨潤して水を保持することで、保水性と透水性を定量的に改善できることが報告されており、砂質土での試験では水持ち向上とともに浸透速度の制御にも効果が確認されています。


参考)AgriKnowledgeシステム

土壌 水持ち 改善と透水性・排水性を両立させる実践技術

実際のほ場では、「水持ちを良くしたら今度は排水が悪くなった」という失敗を避けるため、砕土と鎮圧を組み合わせて表層から下層までの密度を調整し、保水性と透水性を同時に高める機械利用の取り組みも行われています。
たとえば、ローラー付きの作業機で砕土と踏み固めをセットで行うことで、表面の微細な凹凸をならしつつ、根が伸びる層の下まで適度な固さを作り、毛管水の上昇と過剰水の排出を両立させる設計が提案されています。
また、ヤシ殻チップを加工したベラボンのような資材をすき込むと、土壌に軽くて多孔質な空気層が形成され、「水はけ・水持ちともに良くなり、根張りが向上した」という事例が紹介されています。


参考)https://www.takii.co.jp/material/product/023/

この種の資材はマルチングとしても使え、夏場の地温抑制・乾燥防止・雑草抑制に加え、作が終わった後にすき込んで土壌改良材として再利用できる点が、「上層の水分変動をマイルドにする」という意味で水持ち改善に貢献します。

土壌 水持ち 改善であまり語られない独自視点:水持ちを「水の質」と「流路」で見る

水持ちの話は量に偏りがちですが、実は「どんなルートでどの深さまで水が動くか(流路)」と、「その水がどの程度“滞在”するか」が、根の張り方や病害の出方を左右します。
同じ保水性でも、表層10cmだけが常に湿っている圃場と、20〜30cmにかけてゆっくり湿りが降りていく圃場では、根の分布や倒伏リスク、夏場の乾き方がまったく違ってきます。
そこで、土壌 水持ち 改善を「水の質」と「流路」の設計として捉え直すと、次のような現場的な工夫が見えてきます。


・「流路」の設計

  • 畦間排水やサブソイラで硬盤を切って、過剰水の逃げ道を明確にしておく(粘土質圃場での湿害・根腐れ軽減)。
  • 砕土・鎮圧で表層〜中層にかけて連続した毛管水の通り道を確保し、「下からの水持ち」を意識する。​

・「水の質」の設計

このように、「どれだけ水を入れるか」ではなく、「どこを通り、どこに滞在させるか」を設計すると、同じ降雨・同じかん水でも水持ちと病害リスクのバランスをとりやすくなり、結果として施肥効率や収量の安定にもつながります。

土壌 水持ち 改善を設計するときの実務チェックリストと参考情報


土壌 水持ち 改善を圃場ごとに設計する際は、次のようなステップで考えると、無駄な投資や作業を減らせます。

  • 現状把握:土性(砂質〜粘土質)、透水性・排水性・保水性の感覚と、作物の根張り・生育の偏りを把握する。
  • 目標設定:作物別に「どの時期にどの程度の水持ちが欲しいか」を決め、干ばつ・豪雨時の許容範囲をイメージする。
  • 改良方針:有機物(堆肥・腐葉土など)と鉱物系資材(ベントナイト・ゼオライト等)、必要に応じて高分子保水材や多孔質資材(ベラボン等)を、土性に合わせて組み合わせる。
  • 機械・作業:砕土・鎮圧・深耕・サブソイラ・暗渠排水などの機械作業を、改良資材投入とセットで計画し、保水性と透水性のバランスを現場で確認する。
  • 検証:1〜2作は、収量だけでなく土壌水分の変化や病害発生、かん水回数の変化などを記録し、投入資材と作業の組み合わせを見直す。

意外と見落とされがちなのが、「保水性の改善」が地下水排水路の水質にも影響する点で、土壌中に水を抱え込む力が高まり、表面流去が減ることで、豪雨時の土壌流亡や濁水流出の軽減につながる事例も報告されています。


参考)https://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/963002_9255999_misc.pdf

土壌 水持ち 改善を「収量のためのテクニック」にとどめず、地域の水環境保全や気候変動適応の一手として位置づけられれば、補助事業や地域プロジェクトとの連携もしやすくなり、中長期的な投資回収の道筋も描きやすくなります。


参考)https://www.env.go.jp/content/900539382.pdf

土壌の保水性・排水性・団粒構造と、改良材の使い分けを体系的に押さえたい場合に役立つ技術解説です(団粒構造の考え方と改良材選定の参考)。


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