大葉摘心(摘芯)は、先端の生長点を止めてわき芽を増やし、結果として収穫量を増やすための基本作業です。
現場で迷いやすいのが「いつやるか」ですが、目安は2系統で覚えると判断が速くなります。
どちらの基準でも共通する要点は「株が小さすぎるうちに急いで止めない」ことです。
小さい時期の摘心は株が弱り、わき芽が出にくくなる場合があるため、草丈や節数が揃うまで“育てる期間”を確保します。
切り方で最も多い失敗は、「わき芽になる小さな葉ごと切ってしまう」パターンです。
大葉は葉の付け根(葉腋)に次の芽が控えているので、その小さな葉(芽)より上で切ると、そこから枝分かれして収穫が増えやすくなります。
具体的な作業手順を、農作業の手戻りが出にくい形でまとめます。
参考)大葉(シソ)の育て方|栽培のコツや収穫のポイント、増やし方
ポイントは「葉を減らして株を弱らせる」のではなく、「主茎の優先成長を止め、側枝に仕事を回す」感覚で設計することです。
この考え方は、頂芽が優先して伸びる“頂芽優勢”を利用し、先端を切ることで脇芽が伸びやすくなるという説明で整理できます。
大葉は収穫が長期に続くぶん、肥料切れが起きると葉が小さくなったり香りが薄くなったりしやすい作物として説明されています。
そのため、摘心だけ単発で行うより、「収穫→追肥→枝の更新」という回し方にすると、農業従事者の作業計画に落とし込みやすくなります。
摘心を“収穫のついで”として行う考え方も有効で、草丈30cm程度・葉が一定数ついたら収穫と合わせて主茎先端を摘み取ると脇芽が増える、とされています。
また、収穫しながら摘心する場合は草丈30cm以上から、早すぎる摘心は株を弱める可能性がある、という注意点も押さえておくと事故が減ります。
現場で使いやすい運用例(小規模~中規模の手作業想定)です。
参考)https://www.shuminoengei.jp/?m=pcamp;a=page_qa_detailamp;target_c_qa_id=36424amp;sort=1
「収穫量を最大化したい」のか、「柔らかさ・香りを維持したい」のかで、収穫頻度と追肥頻度の最適解が変わります。
参考)【野菜栽培士】大葉(シソ)の摘心や追肥のやり方などの育て方を…
特に“取りすぎ”で株が疲れているのに追肥が遅れると、回復までの時間が伸び、摘心の効果も出にくくなるため、作業記録(いつ摘心し、いつ追肥し、いつから脇芽が動いたか)を残すと改善が早いです。
大葉は花が咲くと株の老化が早まるので、花穂(穂紫蘇)の収穫が目的でない限り、花穂がついたら早めに摘み取る考え方があります。
摘心(先端を止める)と、花穂を摘み取る(老化を遅らせる)は狙いが違うため、「摘心=花対策」と決めつけず、花芽の有無を別で点検するとロスが減ります。
病害では、育苗や高温期に立枯れが出ると一気に作業計画が崩れるため、環境条件の整理が重要です。
参考)シソ苗立枯病が新たに発生 山口県|ニュース|農政|JAcom…
立枯病・苗立枯病は排水不良や過湿で発生しやすく、高温多湿条件で発生しやすい病原菌もあるとされています。
参考)【植物の病害あれこれ】立枯病について。立枯病の原因や立枯病に…
シソ苗の立枯病の事例として、Pythium属菌によるものが報告され、最適生育温度が35~38℃という情報も出ています。
摘心作業は切り口を作るため、衛生管理を“段取り化”しておくと被害を抑えやすいです。
具体策は次の通りです。
参考:シソ苗立枯病の症状・温度条件(病害の部分)
シソ苗立枯病の症状(地際部の腐敗・倒伏)や病原菌の性質、最適生育温度の記載
参考:立枯病の発生しやすい環境(排水不良・過湿・高温多湿の部分)
立枯病・苗立枯病が発生しやすい環境条件(排水不良、過湿、高温多湿)
大葉摘心を「一度切って終わり」にすると、わき芽が混み合った段階で収穫動線が崩れ、結局“取りやすい所だけ取る”作業になりがちです。
そこで独自視点として、摘心を「株の形を作るための工程」と捉え、収穫しやすさ(作業性)を最初から取りに行く設計が効きます。
おすすめは、摘心を境に“株を二層に分けて管理する”やり方です。
この設計の“意外な効き目”は、病害リスクの低減にもつながる点です。
混み合いを放置しない=風通しが確保されやすく、過湿になりやすい条件を避ける方向に働くため、立枯れのように過湿・排水不良が関与しやすい病害の予防思考とも整合します。
最後に、摘心位置が不安な新人・新人研修向けに、現場での合言葉を置いておきます。