畜産副産物 利用 循環型農業と環境配慮ビジネス

畜産副産物 利用の基本と種類、飼料・肥料・エネルギー・皮革などへの活用事例を整理しながら、自分の畜産経営ではどこから資源循環を強化できるでしょうか?

畜産副産物 利用 循環型経営の実践

畜産副産物 利用の全体像
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定義と種類を整理

枝肉以外の皮・骨・内臓・血液・脂肪・ふん尿など、多様な畜産副産物の区分と用途を整理し、どこにビジネスチャンスがあるかを見極めます。

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飼料・肥料・エネルギー利用

レンダリングによる肉骨粉や油脂、家畜排せつ物の堆肥化とバイオガス、エコフィードなど、循環型畜産の中核となる利用パターンを具体的に解説します。

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皮革など高付加価値利用

本革やペットフード原料など、畜産副産物から生まれる高付加価値製品と、環境配慮型ブランドづくりのポイントを紹介します。

畜産副産物 利用の基本定義と種類


畜産副産物は、「生体から枝肉を採取した残りの部分」と「枝肉から除かれた骨」などを指し、そこから原皮を除いたものをさらに畜産副生物と呼ぶのが日本畜産副産物協会の整理です。
具体的には、皮、骨、内臓、血液、脂肪、毛、羽、蹄、頭部などの固形部位に加え、家畜のふん尿も重要な畜産副産物として扱われ、廃棄物であると同時に資源として位置付けられます。
こうした部位は、食用として利用されるホルモン類、ペットフードや飼料原料、肥料原料、皮革製品、油脂や工業原料など、多様な用途に仕分けされており、経営的には「処理コスト」ではなく「潜在的売上・自給資源」として見直すことが重要です。
畜産副産物のうち、「動物系固形不要物」として廃棄物処理法で管理されるのは、食肉処理場などから出る皮・骨・内臓・羽などで、処理方法や委託先を誤ると法令違反のリスクが生じます。


参考)【産業廃棄物】動物系固形不要物の完全ガイド - 行政書士岩田…

一方、家畜のふん尿は「排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」に基づいて、堆肥や液肥などとして利用促進が図られており、適切に処理・活用すれば、地域の耕種農家や牧草地に戻す循環の要となります。


参考)国内資源由来肥料の活用事例集(1.家畜ふん):農林水産省

畜産副産物 利用による飼料・ペットフード・エコフィード活用

枝肉処理後の脂肪付き副産物はレンダリング処理によって加熱・圧搾され、油脂と肉粉に分けられますが、この肉粉を乾燥させたものが肉骨粉であり、反すう家畜以外の飼料原料やペットフード原料として使われます。
肉副産物は、肺・脾臓・腎臓・脳・肝臓・血液・骨・胃腸など、食肉以外の清浄な部位を指し、これを原料にしたミートミールなどがドッグフードやキャットフードに広く用いられていますが、レンダリング工程の有無や、血液・皮・糞内容物の混入の有無で品質区分が異なります。
近年注目されているのが「エコフィード」で、これは食品残さや食品製造副産物を利用したリサイクル飼料の総称であり、菓子くず、パンくず、醤油粕、ビール粕、豆腐粕などを乾燥や発酵によって飼料化し、豚や鶏、反すう家畜のTMR原料に活用する取り組みが進んでいます。


参考)https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/lin/l_siryo/attach/pdf/ecofeed-174.pdf

エコフィードを活用した養豚では、ブランド豚「スーパーゴールデンポーク」や「笑子豚(えこぶー)」などが生まれ、飼料コスト削減だけでなく、「食品ロス削減と環境に配慮した豚肉」として差別化・高付加価値化に成功している事例も報告されています。


参考)https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_003307.html

畜産副産物 利用としての堆肥・液肥と耕畜連携

家畜ふん尿は、乾燥や発酵による堆肥化、あるいはバイオガス発電の発酵残さとしての液肥利用を通じて、地域の耕種農家や自家の牧草地へ還元することが可能で、肥料コストの削減と地域の窒素・リン循環の維持に貢献します。
農林水産省の国内資源由来肥料の活用事例集では、牛ふん堆肥を地域の耕種農家に供給し、堆肥散布も請け負うことで、耕畜連携と有機物循環をビジネスとして成立させている牧場の事例が紹介されており、単に「堆肥を余らせない」から「堆肥サービスで収益を得る」方向への転換が見られます。
バイオガスプラントで家畜排せつ物を嫌気発酵させると、メタン主体のバイオガスが発生し、発電・熱利用に使えるだけでなく、発酵後に残る消化液を液肥として農地に還元することができます。


参考)https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kankyo/taisaku/pdf/2020_sympo_asai.pdf

北海道の調査では、畜産バイオガスプラント導入により、畜ふん尿処理の負担軽減と同時に、天然ガス代替となるエネルギーが生み出され、CO2排出量削減、化学肥料代の節約、臭気対策など複数のメリットが期待されるとされており、ふん尿を「厄介者」から「エネルギーと肥料を生む資産」に変える取り組みとして注目されています。


参考)https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/28b43dc1e45c337a093fc5ac5c16c35c.pdf

畜産副産物 利用と皮革・工業原料・環境ブランド

牛や豚などの皮は代表的な畜産副産物であり、なめし加工によって革となり、靴・バッグ・衣料品・家具などに幅広く利用されています。
日本の皮革業界では、「本革は畜産副産物を有効活用したエコでサステナブルな天然素材」と位置づけられており、もし畜産が存在しなければ、現在流通している革製品はほとんど成り立たないと説明されるほど、畜産との結び付きが強い素材です。
一方で、羽毛や毛、骨なども工業原料として活用されており、羽毛は布団や防寒衣料の中綿、骨はゼラチン原料や肥料原料、油脂は石けんや工業油へと変換されます。


参考)資源循環事業〜レンダリング事業〜

南国興産などのレンダリング企業では、畜産副産物に熱を加えて脂肪を除き、圧縮・粉砕して高タンパクな肉骨粉を製造するとともに、分離した油脂を家畜用飼料原料や工業用油として販売しており、「処理コスト」で終わっていた副産物を収益源に変えるビジネスモデルを展開しています。


参考)畜産副産物リサイクルとは

畜産副産物 利用の環境負荷低減と独自戦略

畜産副産物の利用は、廃棄物の削減だけでなく、温室効果ガス排出の低減にも直結します。食品製造副産物を堆肥や焼却ではなく飼料化する方が、CH4・N2O・CO2排出の観点から優位であるとされ、エコフィードの拡大は農畜産分野のカーボンニュートラルに資する手段として位置付けられています。
また、畜産バイオガスプラントによるメタン発酵は、ふん尿貯留によるメタン放出を抑えつつ、発電・熱利用・バイオメタン供給などで化石燃料の削減を可能にし、地域レベルのエネルギートランジションと畜産経営の持続性を両立させる取り組みとして評価されています。
独自視点として、畜産副産物を「地域ブランドづくりの核」に据える発想があります。例えば、ワイン粕サイレージを給与した牛肉や卵を「ワイン粕利用畜産物」としてブランド化した事例では、地元ワイナリーの副産物と畜産が連携し、「未利用資源を活かした循環型ブランド」として都市部の消費者から高い評価を得ています。

同様に、地域の食品残さや農産副産物(甘藷端材など)をエコフィードや飼料原料に活用し、「地元資源で育てた家畜」としてストーリーを打ち出せば、環境配慮やフードロス削減を価値として価格に転嫁しやすくなり、単なるコスト削減に留まらない畜産副産物 利用戦略が描けるでしょう。


参考)進む農林業における未利用資源の有効活用 ーシリカ・トマト茎葉…

畜産副産物の環境負荷や資源価値、バイオマス利活用全般の整理に役立つ技術資料です(ふん尿・食品残さを含むバイオマス利用の考え方を深掘りしたい方向け)。


廃棄物系バイオマス利活用導入マニュアル|環境省
皮革の環境性や「畜産副産物としての本革」の位置づけを解説したページです(皮の利用とサステナビリティの説明に使えます)。


本革は畜産副産物を有効活用したエコ素材|日本革市
エコフィードや食品副産物の飼料化事例の詳細は、農林水産省や農研機構の資料が参考になります(飼料利用と環境効果の具体的データを確認したい場合に有用です)。


エコフィードの取組事例集|農林水産省
食品製造副産物を活用した国産飼料の活用|農研機構



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