チャドクガの天敵として最も有名なのが鳥類です。シジュウカラ、カッコウ、ホトトギスなどがチャドクガの幼虫を捕食することが知られています。特にシジュウカラは毒のある毛虫が集団でいる場所に現れて、毛虫を何十匹も丸のみにすることがあります。これらの鳥類は毒針毛を持つチャドクガの幼虫でも丸のみにして食べる習性があり、農村地域では貴重な天敵となっています。
参考)【殺虫剤はNG】チャドクガの毛虫を駆除する方法!安全・確実な…
ただし、鳥類だけでチャドクガを駆除するのは現実的ではありません。鳥の生息環境が整っていない場所や、チャドクガの発生数が多い場合は鳥だけでは対応しきれないためです。また、野鳥を人為的に誘引して害虫駆除に利用するには限界があります。
参考)https://www.shuminoengei.jp/?m=pcamp;a=page_mo_diary_detailamp;target_c_diary_id=840613
農業従事者としては鳥類の存在を把握しつつも、確実な駆除方法を併用することが重要です。庭木や茶畑周辺の環境を整えることで、自然に鳥が訪れやすくなる効果は期待できるものの、発生予防の主軸とはならない点に注意が必要です。
チャドクガには寄生性の天敵が多数存在します。代表的なものとして、ドクガクロタマバチ、キイロタマゴバチ、モモクロサムライコマユバチなどの卵寄生バチ類が挙げられます。これらの寄生バチは、チャドクガの卵や幼虫に産卵して内部で成長し、宿主を死に至らしめます。また、ドクガヤドリバエという寄生バエもチャドクガの天敵として機能します。
参考)チャドクガの天敵
微生物による天敵も重要な存在です。核多角体ウイルスは昆虫の体内で増殖し内部から攻撃するウイルスで、農業分野では農薬代わりに使われることもあります。さらに糸状菌のボーベリア・バシアーナもチャドクガに対する天敵として知られています。
参考)http://www.zc.ztv.ne.jp/kiikankyo/newpage1%20teapoisonousworm.html
これらの寄生性天敵は自然界でチャドクガの個体数を調整する役割を担っていますが、大発生した場合の即効性は期待できません。そのため、これらの天敵が働きやすい環境を維持しながら、必要に応じて人為的な駆除を行うことが農業現場では求められます。
スズメバチ類はチャドクガの強力な天敵として知られています。スズメバチは幼虫を襲って捕食するため、チャドクガの個体数を減らす効果があります。また、アシナガバチなどの狩りバチもチャドクガの幼虫を狩ることがあります。
その他の捕食性昆虫として、クモやカマキリもチャドクガを捕食します。これらの昆虫は農業環境において害虫を自然に制御する土着天敵として機能します。ただし、スズメバチは人に対しても危険な存在であり、天敵としてありがたい反面、作業時には注意が必要です。
参考)https://mushi-protec.info/pestcontrol-column/pest-extermination-chudokuga000/
捕食性昆虫による天敵効果を活用するには、農地周辺の生物多様性を維持することが重要です。過度な農薬使用は天敵昆虫まで減らしてしまうため、選択的防除剤の使用や、発生初期の物理的駆除など、天敵を保護する防除体系を構築することが望ましいでしょう。発生量が少なければ、これらの天敵が自然にチャドクガを食べてくれて被害がほとんどなくなる可能性もあります。
参考)チャドクガの毛虫が発生!駆除方法・予防方法は? - 植木の剪…
チャドクガの駆除で最も効果的なのは、卵の段階で処理することです。卵は動かないため駆除作業が安全で確実に行えます。発生時期は10月から5月、および7月から8月で、この時期に葉の裏をチェックして卵塊を見つけることが重要です。
チャドクガの卵は綿毛が集まったような毛の塊として葉の裏に産み付けられます。一度に100個程度の卵を産むため、卵の段階で駆除できれば大量発生を未然に防げます。駆除方法は箸でつまんで捨てるか、ポリエチレン袋をかぶせて枝ごと切り取る方法が有効です。
参考)チャドクガは卵のうちに除去しよう!毒針毛の危険性と駆除方法を…
3月初頭を目安に剪定を行うと、チャドクガの卵が付いている葉も減らせて被害を最小限に抑えられます。また、不要な枝を剪定して風通しを良くすることで、チャドクガの発生そのものを抑制する効果も期待できます。卵駆除時も毒針毛が付着している可能性があるため、帽子・長袖・長ズボン・ゴム手袋・マスク・メガネなどの防護具着用が必須です。
チャドクガは年2回発生するのが一般的で、4月から6月に第1回目、8月から10月に第2回目の幼虫が現れます。成虫は6月から7月と9月から10月に出現し、産卵を行います。地域や気候により発生時期がずれることもあり、早い場合は3月中旬から発生することもあります。
参考)危険生物「チャドクガ」に注意してください - 環境政策課
効果的な駆除方法として、固着スプレーの使用が推奨されます。チャドクガ用の固着スプレーを使うと毒針毛の飛散を防ぎ、葉に固定してから枝ごと切り落とせるため安全です。薬剤を使う場合は幼虫の時期(4月中下旬または8月上中旬)に殺虫剤を散布することが有効ですが、刺激を与えると毒針毛が飛散するリスクがあるため注意が必要です。
予防対策としては、木酢液や忌避剤を発生時期の少し前から1週間から2週間に1回程度散布すると効果的です。また、チャドクガはツバキ、サザンカ、チャなどツバキ科植物に発生しやすいため、これらの樹木がある場合は特に注意深く観察する必要があります。専門業者に依頼して定期的な予防消毒を行うことも、農業従事者にとって有効な選択肢となります。
参考)毛虫が来ないようにするには?予防方法と駆除方法|KINCHO…
庭サポ - チャドクガは卵のうちに駆除するのが有効
チャドクガの卵駆除方法と発生時期について詳しく解説されています。
チャドクガの毛虫を駆除する方法
固着スプレーを使った安全な駆除方法と天敵について説明があります。
チャドクガの生態と天敵
寄生バチ、寄生バエ、ウイルスなど様々な天敵について詳細な情報が掲載されています。