薔薇の水耕栽培では、pHは「栄養が吸えるかどうか」を左右する前提条件です。一般論として水耕のpHは5.5〜6.5が重要とされ、適正域を外れると養分吸収に影響が出やすい、という整理が現場の基本になります。
ただし薔薇は「目標pH」よりも「日々のブレの原因」を潰す方が効きます。循環・追肥・補水・気温でpHは動き、同じECでもpHが崩れると欠乏症状の見え方が変わります。
pHがズレる典型パターンは次の通りです(対策は“原因別”にします)。
現場で効くやり方は「測る→補正→翌日の戻りを見る」です。pH調整は一回で決め打ちせず、補正後に24時間で“戻る方向”を記録すると、根の異常や微生物由来の不安定さを早期に疑えます。
また、病害が絡むとpHの話は“栄養”だけでなく“病原菌のふるまい”にも関係します。養液栽培の根腐病では、低pH条件で遊走子形成が抑制される場合がある、という報告もあり、pHは病害の増幅を止める補助レバーにもなります(ただし作物側のストレスもあるため、やり過ぎは禁物です)。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/43af82832f6f862907c79f2c20b8e1d9c5dfd868
参考:養液栽培の病害(Pythium等)と、pH・温度・殺菌(UV/オゾン/ろ過等)を含む防除の考え方
養液栽培におけるPythium根腐病の発生生態と防除(植物防疫PDF)
ECは“肥料の濃さ”の目安で、上げ過ぎれば浸透圧が上がって吸水しづらくなり、下げ過ぎれば単純に栄養不足になります。
ただ、薔薇の水耕栽培での本当の落とし穴は「濃度を上げれば花が良くなる」という単純化です。根域が酸欠・高温・根傷みの状態でECだけを上げると、吸水が詰まって葉が硬くなったり、先端枯れ・生育停滞が出たり、病害が入ったときに“崩れる速度”が上がります。
さらに、養液栽培の病害(Pythiumなど)は「根が弱る条件」で増幅しやすい、という構図を外せません。夏期高温で溶存酸素が下がると根傷みが誘導され、感染を助長する要因になる、という説明がされています。
つまりECは、単体で正解を探すより、(1)水温、(2)酸素、(3)根の健全性、(4)循環の清潔度、これらとセットで“上げ下げの許容範囲”を決めるのが実務です。
目安作りのコツ(栽培の再現性が上がります)。
薔薇の養液栽培ではロックウールなど固形培地方式が使われることが多く、湛液式(水耕)と比べて病害の出方が変わります。
特に重要なのは「ロックウール=安全」ではなく、「根域の酸素と水分の設計をミスると一気に危険」だという点です。
病害面では、湛液式(水耕など)は根圏の微生物密度が低く、低菌密度が感染を容易にしている可能性が指摘され、固形培地方式(ロックウールなど)は湛液式よりPythium根腐病の被害が少ない・全滅まで蔓延しにくい、という説明があります。
裏返すと、ロックウールでも「一度入った病原菌が循環で回る」「根が弱って感染が進む」という本質は同じなので、給液で根を傷めないことが最優先になります。
実務での給液設計の考え方(ロックウール前提)。
ここで「あまり知られていない実務のコツ」を1つ。循環系で原因不明の生育停滞が続く場合、肥料設計を疑う前に“栽培資材の劣化と洗浄性”を疑います。発泡スチロールなどの資材は劣化すると内部まで培養液が染み込み、病原菌に汚染されやすく、表面殺菌では難しく熱による殺菌が必要、という指摘があります。
つまり、施設更新・資材更新の判断が「病害を繰り返さない」投資として効く場面があります。
薔薇の水耕栽培で最も損失が大きいのは、根腐病や疫病など“水を介して伝染する病害”が循環で一気に広がるパターンです。
養液栽培ではPythiumやPhytophthoraによる被害が方式によって出やすく、被害が発生すると培養液中に遊走子が放出され、循環培養液で施設内に蔓延し被害が増加する、という説明がされています。
この前提に立つと、防除は「薬剤」より「持ち込まない・増やさない」が先です。やることは大きく3つに分けられます。
「権威性のある日本語資料」で、薔薇を含む花き養液栽培の病害に銀を使った低環境負荷の除菌技術が紹介されています。銀セラミックスが、ほとんど溶出しないため薬害や養液組成への影響が少ない特徴を持ち、Ebb&Flow栽培でバラ根腐病に対する防除効果が認められた、とされています。
参考)301 Moved Permanently
循環養液をやりたい現場ほど「除菌の考え方」を先に持っておくと、拡大事故の確率が下がります。
参考:銀セラミックスによる除菌装置、バラ根腐病(ピシウム等)への効果、循環養液の課題
銀を使って花の病気を防ぎます(岐阜県農業技術センターPDF)
検索上位の定番はpH・EC・根腐れ対策ですが、現場で地味に効いて、しかも見落とされがちなのが「藻(緑藻・藍藻)を起点にした衛生崩れ」です。養液栽培は水を使うため藻が繁殖しやすい環境があり、Pythium属菌などの水生菌類の多くは藻類などに感染して増殖する、という指摘があります。
つまり、藻は“見た目が汚い”だけでなく、病原菌側に居場所を提供し得るという点が意外なリスクです。
独自視点としての実務提案は「藻を育てない設備運用」を、病害対策の中心に据えることです。
最後に、薔薇の水耕栽培は「機械を入れれば勝ち」でも「有機なら安全」でもなく、根域(温度・酸素・衛生)の設計勝負です。Pythium根腐病の話でも、高温・低酸素条件が根傷みを誘導し感染を助長する、と説明されている通り、根が健全なら同じpH・同じECでも結果が変わります。
農業従事者の現場では、まず“根を傷めない運用”を標準手順に落とし込み、次にpH/ECの最適化で品質を詰める順番が、結局いちばん再現性が出ます。

AMOROSA アモローサ プリザーブドフラワー ダイヤモンドローズ リトルベル ブライトレッド バラ ギフト 花 誕生日 結婚 記念日 プロポーズ ドライフラワー プレゼント 女性 AM19-30