善玉菌増やすサプリの選び方！酪酸菌と乳酸菌で腸内フローラ改善

善玉菌を増やすサプリ

善玉菌の種類と役割：乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌

 

善玉菌を増やすサプリを選ぶ際に最も重要なのは、そのサプリメントに含まれている「菌の種類」を正しく理解することです。多くの人が「乳酸菌」と一括りにしがちですが、腸内フローラ（腸内細菌叢）において、それぞれの菌は全く異なる役割と生息場所を持っています。特に近年、研究が進んでいる「酪酸菌（らくさんきん）」の存在は見逃せません。

 

まず、ビフィズス菌について解説します。実は、人間の腸内に存在する善玉菌の99.9%以上を占めるのがこのビフィズス菌です 。主に大腸に生息し、酢酸と乳酸を作り出すことで、強い殺菌力を発揮し、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。加齢とともに減少する傾向が強いため、サプリメントでの積極的な補給が推奨される代表的な菌です。

 

参考）乳酸菌サプリのおすすめ人気ランキング【薬剤師が選び方を監修！…
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次に、乳酸菌です。知名度は抜群ですが、腸内細菌全体に占める割合は0.1%以下と非常に少ないのが特徴です 。主に小腸に生息し、糖を分解して乳酸を作り出します。免疫細胞の多くが集まる小腸で働くため、免疫機能の調整に深く関わっているとされています。
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そして、今最も注目されているのが酪酸菌です。この菌は、腸内フローラを整える上で極めて重要な「短鎖脂肪酸（たんさしぼうさん）」の一種である「酪酸」を作り出します。酪酸は、大腸のエネルギー源となるだけでなく、腸のバリア機能を高めたり、過剰な免疫反応（アレルギーなど）を抑制したりする働きがあることが、近年の研究で明らかになってきました 。

 

参考）https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2014/144031/201426030A_upload/201426030A0003.pdf
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短鎖脂肪酸（酪酸など）が大腸炎の改善やアレルギー抑制に有効であるとの研究報告 短鎖および中鎖脂肪酸の腸管免疫修飾作用と安全性評価に関する研究
短鎖脂肪酸がマスト細胞を介してアレルギー反応を抑制するメカニズムの解明 短鎖脂肪酸がアレルギーを抑制する作用機構を解明 - 東京理科大学
以下の表に、主要な善玉菌の違いをまとめました。

 

菌の種類	主な生息場所	主な産生物質	特徴・役割
ビフィズス菌	大腸	酢酸、乳酸	善玉菌の99.9%を占める。悪玉菌の抑制に強力に働く。酸素を嫌う。
乳酸菌	小腸	乳酸	善玉菌の0.1%以下。小腸での免疫調整役として重要。酸素があっても生きられる。
酪酸菌	大腸	酪酸、酢酸	大腸の粘膜を修復し、バリア機能を強化。長寿菌とも呼ばれる。

このように、それぞれの菌が得意とするフィールドや役割が異なります。したがって、「善玉菌を増やす」ことを目的とするならば、単一の菌だけを摂取するのではなく、これらを組み合わせて摂取する、あるいは自分の目的に合った菌（例えば、大腸のケアならビフィズス菌や酪酸菌）を選ぶことが「選び方」の重要なポイントとなります。

 

善玉菌を増やすサプリの選び方：シンバイオティクスと菌トレ

効果的に善玉菌を増やすためには、「シンバイオティクス（Synbiotics）」という考え方を取り入れたサプリメント選びが不可欠です。これは、生きた菌そのものである「プロバイオティクス」と、その菌のエサとなる「プレバイオティクス」を同時に摂取する手法のことです。

 

プロバイオティクスとは、生きて腸に届き、有益な作用をもたらす微生物のことです 。ヨーグルトやサプリに含まれる乳酸菌やビフィズス菌がこれに当たります。しかし、外から摂取した菌は「通過菌」と呼ばれ、腸内に定着することは難しく、数日で排出されてしまうことがほとんどです。だからこそ、毎日摂取し続ける「菌トレ」が必要になるのです。
参考）プロバイオティクスとは？効果と種類・おすすめの食品・とり方の…
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一方で、プレバイオティクスは、腸内にもともと住んでいる善玉菌のエサとなり、彼らの増殖を助ける成分です。代表的なものに「オリゴ糖」や「食物繊維（特に水溶性食物繊維）」があります 。これらは消化・吸収されずに大腸まで届き、善玉菌の活動エネルギーとなります。

 

参考）https://www.mdpi.com/2072-6643/14/10/2096/pdf?version=1652838531
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プレバイオティクスの定義と代謝的健康への影響に関する詳細なレビュー Prebiotics and the Human Gut Microbiota: From Breakdown Mechanisms to the Impact on Metabolic Health
サプリメントを選ぶ際は、以下の成分が配合されているかを確認しましょう。

 

• オリゴ糖（フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖など）：ビフィズス菌の好物です。
• 水溶性食物繊維（イヌリン、難消化性デキストリンなど）：腸内細菌による発酵を受けやすく、短鎖脂肪酸の産生を促します。

最近の「ランキング」上位に入る優秀なサプリメントは、単に乳酸菌の数（〇〇億個！）を競うだけでなく、このシンバイオティクスの設計思想に基づき、オリゴ糖や食物繊維を同時に配合しているものが増えています。これを意識して選ぶことで、摂取した菌が働きやすい環境を整えることができ、より効率的に「善玉菌を増やす」ことが可能になります。

 

生きたまま腸に届く？菌の生存率と加工技術

「生きたまま腸に届く」というフレーズをよく耳にしますが、これは決して簡単なことではありません。口から摂取された菌は、強力な酸性である「胃酸」や、消化液である「胆汁酸」の攻撃を受け、その多くが大腸に届く前に死滅してしまいます。

 

死菌（死んでしまった菌）であっても、腸内の免疫細胞を刺激したり、善玉菌のエサになったりするため、全く無意味ではありません。これを「バイオジェニックス」的な作用と呼ぶこともあります。しかし、酸やガスを作り出して腸内環境を積極的に変えるには、やはり生きた菌が届くことが理想的です。

 

そこで注目すべきなのが、菌を守るための加工技術や、もともと酸に強い菌の性質です。

 

1. 耐酸性カプセル。

   胃では溶けず、腸に届いてから溶ける特殊なカプセル技術を採用しているサプリメントです。ビフィズス菌など酸に弱い菌を摂取する場合、この技術が使われているかは非常に重要なチェックポイントです 。
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2. 有胞子性乳酸菌（スポルスなど）。

   菌自体が「胞子（殻）」を形成して休眠状態になっている乳酸菌です。この殻は熱や酸に非常に強く、生きたまま腸に届き、そこで発芽して活動を開始します。

    

3. 植物性乳酸菌。

   漬物や味噌などに含まれる乳酸菌です。過酷な環境で育つため、動物性乳酸菌（ヨーグルトなど）に比べて酸や塩分に強く、生きて腸に届く確率が高いと言われています。

    

サプリメントのパッケージや公式サイトを確認し、「有胞子性」であるか、「耐酸性カプセル」を使用しているか、あるいは「胃酸に強い」というデータがあるかを確認することは、賢い選び方の基本です。特に、高価なサプリメントを購入する場合は、この「届ける技術」にコストがかけられているかを見極めることが大切です。

 

善玉菌サプリの効果的な飲み方とタイミング

どれほど優れた成分を含むサプリメントでも、飲み方を間違えればその効果は半減してしまいます。善玉菌を増やすサプリにおいて、摂取の「タイミング」は議論が分かれるところですが、一般的には「食後」が推奨されることが多いです。

 

その理由は「胃酸」の影響を避けるためです。空腹時は胃の中の酸性度が非常に高く（pHが低い）、摂取した菌が死滅しやすい環境にあります。一方、食事をした後は、食べ物によって胃酸が薄まり、中性に近づくため、菌が生存して腸まで届く確率が格段に上がります 。

 

参考）【2025年最新版】乳酸菌サプリおすすめを厳選｜腸活で変わる…
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乳酸菌サプリは食後の摂取で胃酸による死滅を防ぎ腸への到達率を高める 【2025年最新版】乳酸菌サプリおすすめを厳選｜腸活で変わる
サプリメントの摂取タイミングと効果的な飲み方についてのQ&A 国立大学の免疫活性乳酸菌を解説
ただし、例外もあります。例えば「土壌菌」や「有胞子性乳酸菌」のように、酸に極めて強い耐性を持つ菌の場合は、空腹時に摂取しても問題ない場合があり、むしろ空腹時の方が吸収効率が良いとする製品もあります 。製品のパッケージに記載されている「お召し上がり方」を必ず確認してください。

 

参考）https://odod.or.jp/kiritsusei-tohaod-9616/
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また、継続期間も重要です。腸内フローラは、長年の食生活や生活習慣によって形成された頑固な生態系です。サプリメントを飲み始めてすぐに善玉菌が定着するわけではありません。まずは最低でも2週間から1ヶ月は継続してみましょう。その上で、便通の変化（回数、色、形）やガスの量、肌の調子などを観察し、自分に合っているかを判断することが「菌トレ」の成功の秘訣です。

 

【農家必見】土壌菌サプリと自然由来の免疫力

最後に、検索上位の記事にはあまり見られない、しかし農業従事者である皆さんにこそ知っていただきたい独自の視点として「土壌菌（SBO: Soil Based Organisms）」について解説します。

 

本来、人間は農業や狩猟採集を通じて、土に触れ、土のついた作物を食べる過程で、自然と土壌に含まれる多種多様な細菌を体内に取り込んでいました。枯草菌（こそうきん：納豆菌の仲間）に代表されるこれらの土壌菌は、過酷な自然環境を生き抜いてきたため、非常に生命力が強く、胃酸や熱にも耐えて腸まで届きます 。

 

参考）https://note.com/drlisakirimura/n/n73c8a8b2ee98
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土壌菌（SBO）がプロバイオティクスとして機能し短鎖脂肪酸を産生する なぜ「土壌細菌」は、腸活アイテム（プロバイオティクス）として適正なのか
土壌菌は加熱や胃酸に強く腸内環境を改良する「腸の祖先」である 土という処方箋〜土壌菌のお話
農業に従事されている方は、日常的に土に触れる機会が多いですが、現代の農業では手袋の着用や、衛生管理の徹底、あるいは農薬の使用などにより、昔ほど自然に土壌菌を摂取できているとは限りません。また、不規則になりがちな食事時間や、繁忙期の肉体労働によるストレスは、腸内フローラのバランスを崩す大きな要因となります。

 

土壌菌由来のサプリメント（SBOプロバイオティクス）は、現代人が失ってしまった「野生の菌」を補う手段として注目されています。これらは腸内で善玉菌として振る舞うだけでなく、他の有用菌（乳酸菌など）と共生し、腸内環境全体のバランスを力強く整える「司令塔」のような役割を果たすと言われています。

 

特に、自然由来のものを大切にする農業従事者の方にとって、化学的に合成された成分ではなく、大地の恵みである「土の菌」を活用することは、非常に親和性が高い健康法と言えるでしょう。「乳酸菌サプリを試したが効果を感じにくかった」という方は、原点回帰とも言えるこの土壌菌サプリを検討の選択肢に入れてみる価値が十分にあります。

 

 

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