国消国産キャンペーンの最大の魅力の一つは、全国のJA直売所を巡ることで豪華な賞品が当たるスタンプラリー形式のイベントです。この取り組みは、単に買い物をするだけでなく、地域の農業拠点であるJA直売所に実際に足を運んでもらうことを目的としています。2025年のキャンペーンでは、「実りの秋!国消国産 JA直売所キャンペーン」と題して、10月から11月末までの期間、全国約1,500店舗以上のJA直売所が対象となりました。
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スタンプラリーの参加方法と仕組み
参加方法は非常にシンプルですが、デジタル技術を活用しており、スマートフォンが必須となります。
参考)https://www.pkbsolution.co.jp/works/digital_stamprally/30719.html
47都道府県の「とっておき」が賞品に
このキャンペーンの目玉は、なんといっても賞品の豪華さと多様さです。「選べる!47都道府県の農畜産物・加工品コース」では、各都道府県のJAが自信を持って推奨する「とっておき」の食材がラインナップされています。
参考)実りの秋!国消国産 JA直売所キャンペーン 2025
参加者は、自分の住んでいる地域の賞品だけでなく、旅行気分で遠方の都道府県の賞品を選んで応募できるのが大きな特徴です。「もし当たったら何を食べようか」と想像しながらスタンプを集める過程そのものが、国消国産(国民が消費する食料は、できるだけその国で生産する)を体感するエンターテインメントになっています。
参考)JAグループ「実りの秋!国消国産 JA直売所キャンペーン20…
国消国産キャンペーンを若年層を含めた幅広い世代に認知させるための起爆剤となっているのが、国民的アイドルグループ「乃木坂46」との強力なコラボレーションです。JAグループは令和2年より乃木坂46と連携し、メンバーがそれぞれの「推し食材」を担当してPR活動を行っています。2025年のキャンペーンでも、新ビジュアルと共にメンバーが日本の農業の現状や国産食材の魅力を発信するコンテンツが展開されました。
参考)国消国産|JAグループ
各メンバーの担当「推し食材」
2025年のプロモーションでは、メンバーの入れ替えや担当食材の継承が行われ、新たな布陣でPRが行われています。それぞれのメンバーが担当する食材への愛着を語ることで、ファンはその食材に対して親近感を持ち、実際に手に取るきっかけとなります。
参考)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001914.000009214.html
楽しみながら学べるクイズキャンペーン
特設ウェブサイトでは、「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」と題したクイズキャンペーンが実施されています。このクイズは、単なる知識試しではなく、日本の農業が抱える課題(食料自給率の低下、農業従事者の高齢化、生産コストの上昇など)を、メンバーとの会話形式や動画を通じて分かりやすく学べるように設計されています。
参考)クイズ正解で合計300名様に新米・魚沼産コシヒカリ5Kgがあ…
クイズに正解すると、抽選でメンバーの推し食材や、限定のオリジナルグッズ(クリアファイルやポストカードなど)が当たるため、ファンにとっては見逃せないイベントとなっています。動画コンテンツでは「モーションタイポグラフィ」などの視覚的な演出が凝らされており、国消国産という少し堅いテーマを、ポップで親しみやすいものに変換することに成功しています。
参考)国産食材を食べよう! JAグループが乃木坂46と連携した「国…
スタンプラリーと並行して実施されることが多いのが、「レシート応募」形式のキャンペーンです。こちらは、JA直売所で実際に商品を購入したことを証明するレシートを撮影して送ることで応募できます。特に「国産和牛コース」などの高額賞品が用意されることが多く、スタンプラリーよりも手軽に参加できる反面、競争率も高くなりがちです。ここで当選確率を少しでも上げるためのポイントと、注意すべき「応募の作法」について深掘りします。
レシート応募の基本と重要ポイント
レシート応募で最も重要なのは、「AIや事務局が画像を正しく認識できるか」という点です。不鮮明な画像や、必要な情報が切れている画像は、抽選の土俵に乗る前に無効となってしまう可能性があります。
当選確率を上げるための戦略
「国消国産」という言葉を聞いて、「地産地消(ちさんちしょう)」と何が違うの?と疑問に思う方も多いかもしれません。実は、この2つは対立するものではなく、包含関係にあり、目指すべき未来は同じです。しかし、その視点の広さと、解決しようとしている課題のスケールに違いがあります。
地産地消:地域コミュニティの活性化
「地産地消」は、「地域で生産されたものを、その地域で消費する」ことを指します。
参考)国消国産 - JA晴れの国岡山
国消国産:国家レベルの食料安全保障
一方、「国消国産」は、JAグループが提唱する新しい概念で、「国民が必要として消費する食料は、できるだけその国で生産する」という考え方です。これは地産地消の考え方を国全体に拡張したものであり、より深刻な「食料安全保障(フードセキュリティ)」の観点が強く含まれています。
参考)農業にもっとマーケティングを! 「地産地消」への誤解 We…
数字で見る現状と課題
農林水産省のデータによると、令和6年度の生産額ベースの食料自給率は64%まで上昇しましたが、これは国際的な穀物価格の高騰や円安により、輸入食料の価格が上がったこと、および国内の野菜や米の価格が上昇したことが主な要因であり、必ずしも生産量が増えたわけではありません。
参考)令和6年度食料自給率を公表します:農林水産省
私たちがスーパーで「少し高いけれど国産の野菜」を選ぶこと、外食で「国産米使用」のお店を選ぶこと、そしてキャンペーンを通じてJA直売所に足を運ぶこと。これらの一つ一つの行動が、数字を押し上げ、日本の農地を守ることにつながります。
最後に、国消国産キャンペーンに参加することの、あまり語られない「意外なメリット」についてお伝えします。それは、この活動が個人の「防災力」を高めること直結しているという点です。これは単なる「備蓄」の話だけではありません。
「食べる防災」としての国産消費
災害時、物流が寸断されると、スーパーの棚から真っ先に消えるのは、遠方から運ばれてくる商品や、輸入に依存している加工食品です。一方で、地域で生産されている農産物は、道路さえ無事なら直売所に並び続ける可能性があります。
普段からJA直売所を利用し、地元の農産物を生活に取り入れている人は、いざという時に「どこに行けば地元の食べ物が手に入るか」という流通ルート(生命線)を把握できていることになります。これは、見知らぬ土地の輸入品に依存している生活よりも、はるかに災害に強いライフスタイルと言えます。
ローリングストックと国消国産の相性
防災備蓄の基本テクニックに「ローリングストック(日常的に食べて、買い足す)」があります。国消国産キャンペーンの賞品にあるような「お米」や「レトルトカレー(地域加工品)」、「ジュース」などは、常温保存が可能で、ローリングストックに最適です。
キャンペーンに参加して、国産の保存がきく食材を賞品として狙う、あるいは直売所で購入してストックしておく。このサイクルを回すことは、結果として「日本の農業を支える」ことと「自分の家族を災害から守る」ことを同時に達成する、非常に賢い生存戦略なのです。
「国消国産」は、遠い国の話や政治の話ではなく、あなたとあなたの大切な人の明日の食事を守るための、最も身近で具体的なアクションプランです。まずは次の週末、キャンペーン中のJA直売所へ足を運んでみることから始めてみてはいかがでしょうか。