コルテックス 植物 皮層 根 内皮 通気組織

コルテックス(皮層)は根や茎のどこにあり、何をしている組織なのでしょうか。内皮や通気組織との関係、現場で役立つ見分け方まで整理し、管理に活かす視点をまとめますが、あなたの圃場ではどこから改善できそうですか?

コルテックス 植物

コルテックス(皮層)を現場に落とす要点
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皮層は「表皮と中心柱の間」

根では表皮の内側〜内皮の外側が皮層。貯蔵・通気・水分移動に関わり、ストレス耐性の差が出やすい領域です。

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内皮は「通さない」境界

内皮は皮層の最内層で、中心柱への物質移動を選別する境界として働きます。肥培・潅水の効き方を左右します。

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通気組織は皮層で起きる

湿害・低酸素や栄養条件で、根の皮層細胞が変化して空隙(通気組織)ができることがあります。作物差・管理差が出ます。

コルテックス 植物 皮層の位置と基本組織


植物の「コルテックス(cortex)」は、日本語では一般に「皮層」を指し、根では表皮と中心柱の間に位置づけられます。根の内部構造は外側から表皮→皮層→内皮→中心柱という並びで説明され、皮層はこの中で“厚み”を持つ領域として観察されやすい部分です。根の断面をルーペで見ると、中心柱(導管・師管が集まる部分)と外側の表皮の間に、比較的柔らかい細胞が多い帯状のゾーンが見えます。


皮層は「基本組織系(ground tissue)」の一部として扱われることが多く、維管束(木部・師部)や表皮とは別枠で、貯蔵や通気など“下支え”の役割を担います。特に根の皮層は柔細胞が中心で、デンプンなどを貯蔵する役割が重要とされます。つまり、皮層はただの“隙間”ではなく、根が土壌環境の変動を受け止める緩衝材にもなっています。


現場で重要なのは、皮層は作物・根齢・環境で見え方も性質も変わる点です。根が若いときはみずみずしく、細胞間隙が多く見えることがありますが、条件によってはのちに崩壊・空隙化して別の機能(通気)に寄る場合もあります。根の太さだけで「根が強い」と判断しがちですが、皮層の状態(硬い/柔らかい、空隙が多い/少ない)は、吸水・養分・耐湿性の“体感”に直結します。


参考:根の層構造(表皮・皮層・内皮・中心柱)の整理に有用
https://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/root2.html

コルテックス 植物 内皮と中心柱の関係

皮層の理解で外せないのが「内皮」です。内皮は“皮層の最内層”にあり、維管束(中心柱)を取り囲む1層の細胞からなる、と整理されます。根では内皮を境に「外側=皮層」「内側=中心柱」という区分が使われることが多く、根の組織を語るときの重要な境界線になります。


内皮は、単に“境目”というだけではなく、物質移動をコントロールする要所として知られています。内皮細胞の細胞壁の一部には疎水性物質(スベリン等)が沈着し、カスパリー線として説明される構造が形成され、細胞壁側(アポプラスト)を通る移動が抑制されます。これにより、土壌から入ってくる水やイオンが、中心柱に入る前に一度“選別”されやすい構造になります。


農業従事者の感覚に引き直すと、内皮は「水と肥料の通り道の関所」です。潅水の量やECだけでなく、根が受けたストレス(乾燥・塩類・低酸素)で内皮周辺の性質が変わると、同じ施肥でも吸い上げ方が変わり得ます。根を掘り上げて先端〜基部で色や硬さが変わるとき、中心柱だけでなく“内皮〜皮層の状態差”が背景にあることがあります。


参考:内皮(カスパリー線等)の説明(皮層の最内層という定義の確認)に有用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E7%9A%AE_(%E6%A4%8D%E7%89%A9)

コルテックス 植物 通気組織と皮層細胞

湿害や冠水の話になると、「通気組織」が登場します。通気組織(aerenchyma)は植物体内に形成される空隙で、ガス(酸素・二酸化炭素など)の循環に重要な役割を果たす、と整理されます。ポイントは、イネ科などでは根の通気組織が“皮層細胞(cortical cell)の選択的な崩壊”を伴って形成される、という点です。


つまり、皮層は「条件が悪いと壊れる弱い場所」ではなく、「条件が悪いからこそ作り替えて機能を出す場所」になり得ます。低酸素条件で根が呼吸できないと、根端部に酸素を回す仕組みが必要になり、皮層側で空隙を作って内部のガス通路を確保する方向に寄ります。圃場で“湿ると根がスカスカになる”ように見える場合、それが単なる腐敗なのか、作物の適応(通気組織形成)なのかで、対処は変わります。


さらに意外な論点として、通気組織は「酸素欠乏」だけでなく、条件によっては「窒素欠乏でも誘導される」ことが示されています。窒素が足りないときに根の構造が変わるのは、葉色だけでは見落としやすい変化です。施肥設計の反省点を“地上部の症状”だけで判断せず、根の皮層で起きる構造変化も仮説に入れると、次作の改善が速くなります。


参考:根の通気組織が皮層細胞の崩壊で形成される点の確認に有用(学会誌PDF)
https://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2013/05/84-10-08.pdf
参考:窒素欠乏で通気組織形成が誘導される点(研究成果)に有用
https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2013_b02

コルテックス 植物 コルク形成層と周皮の違い

「コルテックス」という言葉は、現場では“皮層=柔らかい部分”と一括りにされがちですが、木本化や二次成長が絡むと話が少し複雑になります。根の表皮は伸長中にはがれ落ちることがあり、その後の保護は二次成長する植物では周皮(periderm)が担う、と説明されます。周皮はコルク形成層からつくられ、外側を保護する役割を引き継ぎます。


ここで混同が起きやすいのが、「皮層(コルテックス)」と「周皮(コルク系)」です。茎では、最初のコルク形成層が表皮のすぐ内側にある皮層の最外層の細胞に由来することが多い、という説明があり、皮層が“周皮の材料供給源”になるケースが出てきます。つまり、皮層は永続的に残るとは限らず、成長段階によって外側の保護システムに置き換わっていきます。


農業での実務ポイントは、果樹・樹木・多年草で「根や枝の表面が硬くなる=根が老化」という単純化を避けることです。周皮の形成は保護として合理的な変化であり、根の吸収機能は“先端側の若い領域”に依存しやすい一方、基部側は保護・輸送の役割が強まります。掘り取り調査では、根全体を一律評価せず、「先端の白い根」と「基部の褐色化した根」で役割が違う前提で見ると、改善策(潅水位置、施肥位置、耕盤対策)が具体化します。


参考:周皮(コルク形成層など)の構造と由来の説明に有用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E7%9A%AE

コルテックス 植物 独自視点:圃場診断の観察手順

検索上位の解説は定義や模式図が中心になりがちなので、ここでは圃場で“皮層(コルテックス)を材料に診断する”ための実務視点を整理します。狙いは、ラボの染色や顕微鏡がなくても、根の皮層が「貯蔵寄り」か「通気寄り」か、あるいは「傷み」かを、一定の手順で切り分けることです。結論としては、根の断面・手触り・匂い・部位差をセットで見れば、皮層由来の変化はかなり推定できます。


まず、観察の前提として「同じ株の中で場所を揃える」ことが重要です。主根の先端から何cm、側根の太さが同程度、土壌水分が同じ帯、というように条件を揃えないと、皮層の見え方の差が“環境差”なのか“生理差”なのか判断がぶれます。次に、切断面は刃物で潰さないようにスパッと切り、中心柱と外側の帯(皮層)の境界が見えるかを確認します。


簡易チェックのコツ(入れ子にしない箇条書き)。

  • 断面で中心柱がくっきり硬い:輸送系が生きている可能性が高い。
  • 皮層が水っぽく崩れるが悪臭が強い:嫌気腐敗の疑いが強い。
  • 皮層に空隙が目立つが悪臭が少ない:通気組織形成(適応)の可能性を残す。
  • 先端は白いが基部が褐色で硬い:周皮形成や老化の進行として自然な範囲のことがある。
  • 同じ圃場でも畝間・低地でだけ空隙化:排水と酸素不足の影響が主因の可能性が高い。

ここで“意外と効く”のが、窒素条件の視点を同時に入れることです。窒素欠乏でも通気組織形成が誘導される可能性が示されているため、湿害だけを疑うと対策が一方向になります。例えば「排水は改善したのに根の皮層が空隙化する」ケースでは、追肥タイミング・根域温度・根量不足による局所欠乏など、栄養側の仮説も並列で検討できます。


最後に、作物の管理に落とすなら、皮層の“観察結果→対策”を短いメモにして次作に回すのが効きます。例としては「皮層が崩れる→潅水頻度を落とす」だけでなく、「皮層が空隙化→排水+窒素供給+根域の酸素確保(客土・有機物の入れ方の見直し)」のように、複合要因として扱うと改善の当たりが増えます。皮層(コルテックス)を“見える指標”として扱えるようになると、地上部症状が出る前の予防に繋がります。




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