コガネムシ農薬と幼虫防除と土壌処理

コガネムシ幼虫の被害を止めるには、農薬選びだけでなく土壌処理の適期と混和深さ、成虫の産卵対策まで一体で考える必要があります。あなたのほ場で効きやすい打ち手はどれでしょうか?

コガネムシ農薬と幼虫防除

コガネムシ農薬で失敗しない要点
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狙うのは若齢幼虫と発生初期

コガネムシ類は土の中で生活するため、薬剤は「土壌に届く形・時期」で入れないと効きません。

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適期は7〜9月を軸に組む

成虫の活動と産卵〜ふ化幼虫の時期に合わせ、土壌処理と成虫対策を同時に設計します。

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物理対策で産卵を止める

マルチ・防虫ネットなどで「土に潜れない環境」を作ると、翌世代の幼虫密度を落とせます。

コガネムシ農薬の幼虫防除と適期


コガネムシ類は、成虫だけでなく幼虫も被害を出し、幼虫は根を加害して養分吸収を妨げ、生育不良から枯死までつながります。特に厄介なのは、幼虫が土壌中にいて「見えない場所で被害が進む」点で、葉や地上部に症状が出た時点で既に根が削られていることが珍しくありません。
防除の基本は、越冬幼虫→羽化成虫→産卵→ふ化幼虫という流れのうち、「次世代を増やさない」ところに重心を置くことです。実際、成虫は飛来で入ってくるため、露地では定期的な防除が欠かせず、成虫の被害を抑えつつ、土中へ産卵させないことが重要だと整理されています。
適期設計の現場感としては、成虫発生の立ち上がりから産卵・ふ化が進む時期に、土壌処理を“効く形”で当てるのが勝ち筋です。ダイアジノン剤のQ&Aでも、コガネムシ類幼虫は「孵化幼虫を狙うと効果的」で、春先の蛹化直前の老熟幼虫には効きにくいことが明記されています。


参考)ダイアジノン剤 Q&A(よくあるご質問と回答) | Q&A・…

つまり、同じ「コガネムシ幼虫」でも齢期で効きが変わるため、発生初期(若齢幼虫)に照準を合わせるほど、薬剤コストと労力の回収がしやすくなります。

コガネムシ農薬の土壌処理と混和

土壌害虫の薬剤防除は、散布しただけで終わりではなく、「幼虫がいる深さまで混和できたか」で成否が決まります。ダイアジノン剤のQ&Aでは、粒剤で防除する場合は基本的に土壌と混和が必要で、目安として5〜10cm程度の深さで混和すると効果的とされています。
この“混和深さ”は、トラクタのロータリー設定や管理機の爪の形状、土の水分で簡単にズレます。例えば乾きすぎの砂質土では粉・粒が偏在しやすく、逆に湿りすぎの粘土質では団粒が崩れず薬剤が「塊の外にいる」状態になり、幼虫との接触が不足しがちです(同じ投入量でも効きムラが出る典型パターン)。
液剤・マイクロカプセル系の考え方も押さえると判断が速くなります。ダイアジノンSLゾルの資料には、土壌中で150〜180日以上の長期間にわたり効果を発揮する旨が示され、さらに土壌注入処理では高圧噴射できるインジェクター使用が注意点として書かれています。


参考)https://www.nipponkayaku.co.jp/media/pdf/agro/pc/products/pdf/33_diazinon_slsol_termsofuse2.pdf

「長く効かせたい」「植付前の設計で勝負したい」という圃場では、こうした“持続前提の土壌処理”を選び、逆に短期で凌ぐなら発生初期に粒剤を確実に混和する、という使い分けが現実的です。


コガネムシ農薬と成虫と産卵対策

コガネムシの成虫対策は、「成虫を減らす」だけでなく「土に潜らせない=産卵させない」が軸になります。防除学習帖では、マルチシートや防草シートで表土を覆い、成虫が土中に潜れないようにして産卵を防ぐ、産卵させないことで幼虫による根被害を無くす、という因果がはっきり書かれています。
施設なら侵入防止の基本は防虫ネットで、開口部の網設置に加えて、扉の開閉時に侵入させない工夫(予備室など)まで含めて徹底する、と具体策が示されています。
ここが意外と見落とされますが、成虫を薬剤で叩いても、飛来が続く状況では「叩き続ける設計」になりがちです。物理対策(マルチ・防草シート・ネット)を先に整えると、薬剤の役割が“無限ループの応急処置”から“発生を小さくする仕上げ”に変わり、翌年の密度が落ちやすくなります。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/e2eedc7b93081572854d7d6b7c8bed599e7adf2f

コガネムシ農薬の天敵線虫と生物農薬

独自視点として、化学農薬だけでなく「生物農薬」という選択肢を、土壌害虫であるコガネムシ類に当てる発想があります。農研機構の紹介では、バイオトピア水和剤は昆虫病原性線虫Steinernema glaseri(スタイナーネマ・グラセライ)を有効成分とする生物農薬で、コガネムシ類幼虫を筆頭に難防除土壌害虫に幅広く優れた殺虫感染力を持つ、と説明されています。
さらに、JPPAの解説資料でも、バイオトピア水和剤がコガネムシ類幼虫など土壌害虫を対象に開発された生物農薬であり、コガネムシ類幼虫やゾウムシ類幼虫などに高い殺虫活性が認められる、という位置づけが示されています。
生物農薬は“魔法の一発”ではなく、条件設計が重要です。線虫資材は生き物なので、極端な乾燥・高温の表土に放置すると効果が落ちやすく、逆に散布後に適度な水分が確保できると土中へ動きやすくなります(ここはラベル・指導資料の条件を必ず優先してください)。


参考)http://jppa.or.jp/archive/pdf/55_04_31.pdf

化学農薬のローテーションだけでは行き詰まりやすい圃場(連作・有機物が多く土壌害虫が残りやすい等)では、物理対策+土壌処理+生物資材を組み合わせると「翌年の底」が抜けにくい設計になります。


参考)https://www.naro.affrc.go.jp/org/brain/shien/seika/gijutu/fukyugijutsu_02/07_seibutsu/07_03sds.html


コガネムシは「幼虫の見えない被害」と「成虫の飛来」の両方があるため、農薬は単体で選ぶより、①産卵を止める(マルチ等)②若齢幼虫期に土壌処理を当てる③混和深さを守る④必要なら生物農薬も検討、の順に組むと再現性が上がります。


薬剤選定・登録確認の注意:防除学習帖でも、適用のある有効成分一覧は作物登録の有無を問わず抽出されている場合があり、実際の使用はラベルをよく読んで登録内容を遵守するよう強調されています。

このため、本記事は考え方と設計の話に重点を置き、最終判断は「作物・害虫名・使用時期・回数・希釈倍率・収穫前日数」の登録条件を必ず確認して決めてください。

成虫の生態と防除の考え方(捕殺、ネット、マルチで産卵阻止、薬剤防除の整理)
https://www.jacom.or.jp/nouyaku/rensai/2023/03/230325-65582.php
天敵線虫バイオトピアの位置づけ(生物農薬、コガネムシ類幼虫に殺虫感染力)
https://www.naro.affrc.go.jp/org/brain/shien/seika/gijutu/fukyugijutu_02/07_seibutsu/07_03sds.html
ダイアジノン粒剤の効かせ方(孵化幼虫が狙い目、5〜10cm混和、老熟幼虫は効きにくい)
ダイアジノン剤 Q&A(よくあるご質問と回答) | Q&A・…
ダイアジノンSLゾルの特徴(150〜180日以上の土壌中残効、土壌注入はインジェクター等)
https://www.nipponkayaku.co.jp/media/pdf/agro/pc/products/pdf/33_diazinon_slsol_termsofuse2.pdf




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