一価不飽和脂肪酸は体に必要な脂質の一種で、主成分であるオレイン酸には悪玉コレステロールを減らしながら善玉コレステロールを維持する働きがあります。飽和脂肪酸と異なり、善玉コレステロールには作用せず悪玉コレステロールのみを下げるという理想的な特性を持っています。農作業で体を動かす従事者にとって、効率的なエネルギー源であり心血管系の健康維持にも役立つ重要な栄養素です。
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オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸の含有量が100gあたり74.04gと、全食品中でトップクラスの数値を誇ります。成分の約70~80%がオレイン酸で構成されており、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールは維持するという働きがあります。
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オリーブオイルの健康効果として以下が報告されています。
日清オイリオの研究によると、1日当たり約23g(大さじ2杯)のオリーブオイルを動物脂肪と置き換えることで冠動脈性心疾患のリスク低減が期待できます
参考)オリーブオイルの健康性|オリーブオイルの豆知識
意外な事実として、オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸を多く含むため酸化されにくく、他の植物油と比べて長期保存や加熱調理に向いています。これは多価不飽和脂肪酸が二重結合を複数持つのに対し、一価不飽和脂肪酸は二重結合が一つしかないためです。
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ナッツ類は一価不飽和脂肪酸の優れた供給源です。100gあたりの含有量は以下の通りです:
参考)脂肪酸(一価不飽和)の含有量(種実類)
| ナッツの種類 | 一価不飽和脂肪酸含有量 | 特徴 |
|---|---|---|
| マカダミアナッツ | 約59.23g |
最も高い含有量で酸化に強い |
| ヘーゼルナッツ | 約54.74g |
アーモンドの約1.5倍の含有量 |
| アーモンド | 約33.61g |
食物繊維も豊富で入手しやすい |
| ピスタチオ | 約30.92g | オレイン酸とリノール酸のバランスが良い |
| クルミ | 約10.26g | 多価不飽和脂肪酸も豊富 |
ナッツ類の脂質は約50~70%を占めますが、そのほとんどが健康に良い植物性の不飽和脂肪酸です。特にマカダミアナッツは脂肪酸の総量73.25gのうち、一価不飽和脂肪酸が59.23gと約80%を占め、理想的な脂肪酸組成を持っています。
ナッツ類に含まれる一価不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを下げる効果があり、適量摂取が推奨されています
一価不飽和脂肪酸は酸化されにくい性質がありますが、適切な取り扱いで栄養価を最大限に活かせます。
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🔥 加熱調理のポイント
🌡️ 保存方法の工夫
⚖️ バランスの取れた摂取
農作業の合間に手軽に摂取できる方法として、以下の食べ方が効果的です。
🥗 作業前の朝食に取り入れる
参考)アボカド - カロリー/栄養成分/計算
🍳 昼食の調理油として活用
💡 意外な活用法
アボカド1日半個の摂取で、マーガリンやバターを置き換えると心血管疾患のリスクが16~22%低下したという研究結果があります。農作業で体力を消耗する従事者にとって、一価不飽和脂肪酸は効率的なエネルギー源となり、同時に生活習慣病予防にも役立ちます。
参考)心血管系の健康に良いとされるアボカドの一日摂取量は?|医師向…
一価不飽和脂肪酸の1日の摂取目安量は、成人で総エネルギーの約10~15%が推奨されています。体重60kgの人で1日2000kcalを摂取する場合、約22~33g程度が目安となります。
参考)脂質・脂肪酸の適切な摂取量は? ~不飽和脂肪酸編~
✅ 具体的な健康効果
📊 摂取過剰に注意
一価不飽和脂肪酸も脂質の一種のため、過剰摂取は肥満や冠動脈疾患のリスクを高める可能性があります。重要なのは飽和脂肪酸の一部を一価不飽和脂肪酸に「置き換える」という考え方です。
🔬 特に注目すべき効果
オリーブオイルに含まれるオレオカンタールという成分には抗炎症作用があり、非ステロイド性抗炎症薬と似た働きをすることが研究で明らかになっています。これは農作業による筋肉痛や関節痛の軽減に役立つ可能性があります。
食品安全健康研究所によると、飽和脂肪酸を一価不飽和脂肪酸に置き換えることで心疾患リスクを効果的に低減できます
農業従事者は体力を使う仕事が多いため、エネルギー効率の良い一価不飽和脂肪酸を適量摂取することで、持続的な作業能力の維持と健康管理の両立が可能になります。