日向土(ひゅうがつち)は、宮崎県で採取される軽石の一種で、その優れた排水性と硬さから、多くの園芸愛好家やプロの農家に愛用されています。特に、根腐れを起こしやすい植物や、長期的に植え替えを行わない鉢植えには欠かせない基本用土の一つです。ホームセンター「コーナン」では、この日向土を取り扱っており、園芸コーナーの主力商品の一つとして販売されています。
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コーナン店舗での販売価格は、地域や時期によって多少の変動がありますが、一般的に2Lの小袋タイプであれば300円〜400円程度で販売されています。これは、趣味で園芸を楽しむ方や、少量の鉢植えを行う方にとって非常に手頃な価格設定です。一方で、農家や大規模な園芸を行うユーザー向けには、14L〜18L入りの大袋も取り扱われていることがあり、こちらは1,000円〜1,500円程度と、容量当たりのコストパフォーマンスが非常に高くなっています。
参考)軽石・日向土/園芸単用土(並び順:価格順(安))
店舗の在庫状況については、春や秋の植え替えシーズンになると需要が急増するため、一時的に品薄になることがあります。特に、使い勝手の良い「小粒」や「細粒」は人気が高く、棚から姿を消すことも珍しくありません。コーナンの多くの店舗では、こうした在庫状況を電話で確認できるほか、公式の「コーナンeショップ」を利用して、各店舗の在庫目安を確認したり、店舗受取サービスを利用して商品を確保したりすることが可能です。これにより、「せっかく店に行ったのに売り切れていた」という無駄足を防ぐことができます。
参考)軽石・日向土/園芸単用土
また、コーナンには「PRO(プロ)」という、建築職人や農業従事者向けの専門店業態も存在します。通常のコーナン店舗よりも資材の在庫量が豊富で、日向土のような基本用土も大量にストックされていることが多いです。もし、軽トラ一台分などの大量購入を検討している場合は、通常の店舗よりもコーナンPROを訪れるか、事前にサービスカウンターで大量注文の相談をすることをおすすめします。
コーナン公式サイトでの日向土の取り扱い一覧はこちらです。
日向土には、粒の大きさによって「細粒」「小粒」「中粒」「大粒」といった種類があり、それぞれ適した用途が異なります。コーナンの園芸売り場では、これらのサイズが色分けされたパッケージなどで分かりやすく陳列されていますが、どれを選べば良いか迷う方も多いでしょう。ここでは、特に人気の高い「多肉植物」への利用を前提に、コーナンでの選び方を解説します。
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多肉植物の栽培において、日向土が選ばれる最大の理由は「圧倒的な排水性」と「粒が崩れにくい硬さ」です。赤玉土や鹿沼土は水を含むと崩れやすくなりますが、日向土は軽石質で非常に硬いため、長期間使用しても粒が潰れず、土の中の通気性が維持されます。これにより、多肉植物の大敵である「根腐れ」を効果的に防ぐことができます。コーナンで用土を選ぶ際は、自分の育てている植物の根の太さや鉢の大きさに合わせてサイズを選ぶのが基本ですが、多肉植物用としては「小粒」をメインに、必要に応じて「細粒」を混ぜるのがセオリーです。
日向土のサイズ別の特徴や使い方が詳しく解説されています。
近くにコーナンの店舗がない場合や、重い土を運ぶ手段がない農業従事者にとって、コーナンの公式通販サイト「コーナンeショップ」の利用は非常に大きなメリットがあります。
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まず最大のメリットは「配送サービス」です。日向土は乾燥していれば比較的軽いですが、18Lの大袋を複数購入したり、他の用土(赤玉土や腐葉土など)とまとめて購入したりすると、その重量はかなりのものになります。特に腰への負担を避けたい方や、高齢の農業従事者にとって、玄関先や作業場の軒先まで配送してくれる通販は、身体的な負担を大幅に軽減してくれます。コーナンeショップでは、一定金額(例:7,700円税込)以上の購入で基本送料が無料になるサービスを行っていることが多く、まとめ買いをする際には実店舗で購入するのと変わらない、あるいはガソリン代を考慮すればより安価に済むケースもあります。
次に「店舗受取サービス」の利便性です。これは、ネットで注文した商品を、指定したコーナンの実店舗で受け取ることができるサービスです。
さらに、通販サイトでは、店舗の棚割りの制約を受けないため、実店舗には置いていないようなマニアックな用土や、プロ仕様の大容量パックが販売されていることもあります。日向土に関しても、店舗では2L袋しか置いていない場合でも、通販なら18L袋が注文できるといったケースが多々あります。
通販を利用する際の注意点として、日向土は「あく抜き」済みかどうかを確認することが挙げられますが、コーナンで販売されている「ひゅうが土」ブランドのものは基本的にあく抜き処理がされているか、あるいはそのままでも使用できる品質のものがほとんどです。商品ページの詳細スペックを確認できるのも通販の良いところです。
コーナンeショップでの店舗受取サービスの流れや対象商品はこちらで確認できます。
日向土は単体で使用することもできますが(例:洋ランやオモトなど)、多くの場合は他の用土とブレンドして「配合土」として使用します。コーナンの園芸売り場は、こうした配合に必要な資材がワンストップで揃う点が魅力です。ここでは、農業従事者や園芸上級者がよく行う配合例と、それを実現するためにコーナンで揃えるべき道具について紹介します。
基本の多肉植物用ブレンド:
コーナンで揃えるべき道具:
大量の土を混ぜ合わせるためのプラスチック製の容器です。コーナンの左官・資材売り場には、セメントを練るための「トロ舟(プラ舟)」が大小様々なサイズで売られています。園芸専用のシートよりも頑丈で、スコップでガシガシ混ぜても破れないため、農家には必須のアイテムです。
ステンレス製の目盛付きスコップなど、コーナンオリジナルの「LIFELEX(ライフレックス)」ブランドから安価で使いやすいものが販売されています。筒状の土入れセットは、多肉植物の小さな鉢に土を入れる際にこぼれにくく便利です。
購入したての日向土や赤玉土には、運搬中に砕けて発生した「微塵(みじん)」と呼ばれる粉が含まれています。この微塵をそのまま使うと、鉢の中で粘土状に固まり、排水性を著しく悪化させます。使用前に必ずふるいにかけて微塵を取り除くのがプロの鉄則です。コーナンでは、網目のサイズを変えられる「ステンレスふるい」が販売されています。
コーナンの園芸売り場(ガーデン館)は、単なる売り場ではなく、季節ごとの植物の提案や、用土の配合サンプルの展示などが行われていることがあります。特に春先のシーズンには、日向土を含めた用土コーナーが拡張されるため、新しい配合を試すためのインスピレーションを得るのに最適な場所となります。
日向土の特性を活かした配合のコツが動画で解説されています。
検索上位の記事にはあまり詳しく書かれていない視点として、「日向土」と「ボラ土」の関係、そしてコーナンで日向土が見つからない場合の代用品について掘り下げてみましょう。
実は、「日向土」と「ボラ土」は物質としては同じものです。宮崎県南部(霧島山系)の火山噴出物であるボラ層から採掘される軽石の一種が、地元では「ボラ土」と呼ばれています。これを洗浄し、乾燥させ、園芸用としてブランド化・商品化したものが一般的に「日向土」という名前で流通しています。「日向土」という名称は登録商標である場合が多く、商品としてパッケージングされた高品質なものを指すことが一般的です。一方、産地のホームセンターや九州地方のコーナンでは、透明な袋に入った安価な「ボラ土」として販売されていることもあります。中身はほぼ同じですが、ボラ土として売られているものは未洗浄で微塵が多い場合があるため、使用前の水洗いやふるい分けがより重要になります。
参考)ボラ土(日向土、ひゅうが土)を深掘り〜成り立ちから性質まで〜…
もし、最寄りのコーナンで「日向土」という名前の商品が見つからない場合、以下の商品で代用が可能か検討してみてください。
日向土も軽石の一種ですので、通常の園芸用軽石(小粒)で物理的な代用は可能です。ただし、日向土特有の「微細な多孔質構造」による保肥力や保水力は、一般的な軽石よりも日向土の方が優れていると言われています。代用する場合は、水やりの頻度を少し増やすなどの調整が必要です。
北海道地方で産出される軽石です。性質が日向土に似ており、寒冷地ではこちらが主流の場合があります。コーナンの店舗が東日本や北日本にある場合、日向土の代わりにこちらが置かれている可能性があります。
群馬県周辺で産出される火山砂礫です。日向土と同様に硬く、崩れにくい性質を持ちます。盆栽や山野草の用土としてコーナンでも取り扱いがあります。日向土よりも重量があり、鉄分を多く含むため、赤みがかった色が特徴です。
農業従事者の視点から見ると、日向土(ボラ土)はコストパフォーマンスに優れた最高の排水材です。しかし、地域によっては入手困難な場合もあります。その際は、コーナンの店員に「ボラ土、あるいは硬質の軽石系用土はありますか?」と尋ねることで、バックヤードから在庫を出してもらえたり、取り寄せ対応をしてもらえたりすることもあります。特にコーナンPROのカウンターでは、専門的な資材の取り寄せ相談に柔軟に応じてくれるため、諦めずに相談してみる価値があります。
ボラ土と日向土の詳しい関係や性質の違いについて深掘りした記事です。