ホリン fe と 鉄 と 葉面散布 と 希釈倍率

ホリン feを「鉄(Fe)資材」として扱うとき、欠乏症の見分け方、葉面散布や灌水での使い分け、pHや混用で失敗しない要点を現場目線で整理します。あなたの圃場では「鉄が効かない原因」を潰せていますか?

ホリン fe と 鉄

ホリン fe と 鉄(Fe)を失敗なく効かせる要点
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まず「欠乏」か「吸えない」かを分ける

鉄は必要元素でも、土や養液のpH・根域環境で吸収が止まることがあります。症状だけでなく条件(pH、湿害、低温)も同時に確認します。

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葉面散布は「速攻」、灌水は「土台作り」

黄化が出たら葉面散布で立て直し、並行して根域のpHや過湿を直すと再発しにくくなります。

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混用とタンク滞留が落とし穴

2価鉄や有機酸系はタンク内で変質しやすい例があり、作り置きや長時間滞留は避けます。農薬・リン酸・アルカリ資材との混用は特に注意します。

ホリン fe と 鉄 欠乏 の 見分け方

 

鉄(Fe)は植物の「必要元素」で、光合成に関わる葉緑体の形成や呼吸回路にも関与するため、不足すると生育が鈍りやすいとされています。
現場で典型的に見えるのは「新葉側(先端の若い葉)からの黄化」で、葉脈は残り、葉脈間が薄くなる“葉脈間クロロシス”として進むパターンです。
ただし、ここで重要なのは「土に鉄が無い」のか「鉄があっても吸えない」のかを切り分けることです。
切り分けのチェック(圃場で再現性が出やすい順)

  • 新葉の黄化が中心か(鉄の典型は新葉側)。
  • 雨後や潅水後に悪化するか(過湿で根が弱ると“吸えない”が起きやすい)。
  • アルカリ寄りの条件が続いていないか(pHが上がると鉄が働きにくい前提がある)。

    参考)キレート鉄-13%鉄肥料|EDTA Fe【800g】|鉄|微…

ここでの実務的なコツは、症状が出た株だけを追うのではなく、同じ区画の「軽い株・重い株」「畝の端・中央」など、根域条件が変わる場所で症状の出方を見比べることです。鉄は“要素そのもの”より“根が吸える状態かどうか”で差が出やすいからです。

ホリン fe と 葉面散布 と 希釈倍率

鉄資材は、葉面散布で「目に見える黄化」を素早く止める用途に向きます。
市販の鉄系複合液肥の例では、葉面散布・灌水の両方に対応し、希釈倍率の目安として5,000〜10,000倍が提示されています。
実務での考え方(数字より「当て方」)

  • 葉面散布は「薄く何度か」が安定:1回で濃く当てるより、間隔を置いて再散布した方がムラが減りやすい。

    参考)鉄力あくあF14(1L)【2価鉄+微量要素 - 複合液肥】|…

  • 日中高温は避ける:鉄に限らず葉面散布は葉焼けリスクがあるため、早朝か夕方の温度帯で行う。
  • 黄化の“芯”に当てる:症状が新葉に出るので、展開中の若い葉に霧が届くノズル・歩行速度を優先する。

また、養液栽培やタンクで溶かして使う鉄(キレート鉄など)では、最終倍率10,000〜100,000倍といった“かなり薄い領域”で使う考え方も示されており、希釈倍率ではなく必要成分量を基準にする注意喚起があります。

この「薄いのに効く」感覚は、微量要素の鉄ならではで、濃度を上げても効きが比例しない(逆に障害や拮抗の原因になる)点は、現場で事故を減らす重要ポイントです。

 

ホリン fe と pH と キレート

鉄はpH条件で“効き方”が大きく変わります。
キレート鉄(EDTA-Feなど)を使う場合、pHがアルカリ側に傾くと鉄が機能しにくい(キレートの効果が落ちる)ため、pH 6以下で使う、pH 7以上ではキレートの効果を失う、といった注意が示されています。
ここが「鉄が効かない圃場」の定番の落とし穴です。

 

  • 石灰資材を入れた直後に鉄を入れる(局所的にpHが上がり、鉄が働きにくくなる)。​
  • 井戸水や硬水で希釈してpHが上がる(気づかないうちに“吸えない液”になりやすい)。​

意外に効く現場の工夫として、鉄を入れる前に「希釈水のpHを測る」だけで、再現性が一段上がります。特に養液・点滴灌水では、鉄は“入れ方”が収量に直結しやすいので、測ってから入れる運用に変える価値があります。

ホリン fe と 混用 と タンク

鉄資材は混用と保管(タンク滞留)で性能が崩れやすいことがあります。
2価鉄イオン供給や有機酸を使う鉄資材の説明では、希釈後はカビやすくなり、タンク内の滞留は3日程度になるよう注意する、という具体的な運用注意が示されています。
混用で起きやすい実害(“効かない”の正体になりがち)

  • 調製順序のミスで沈殿・変色して、有効態の鉄が減る。
  • 長時間循環・作り置きで、状態が変わり効きが落ちる。

    参考)https://www.sakanaka.co.jp/syouhinnsyoukai/hiryou/tetsuriki.html

  • アルカリ資材やpHを上げる剤との同時投入で、鉄が機能しなくなる。​

現場向けの基本ルール(トラブル予防として強い)

  • 鉄は「その日使い切り」を原則にする(特に有機酸系・2価鉄系)。​
  • 希釈水pH→鉄投入→よく攪拌→すぐ散布、の順に固定する。​
  • 迷う混用は小スケールでテストし、濁り・沈殿・発熱・ガスを確認してから本番に回す。

ホリン fe と 鉄 の 独自視点 収量 直結

鉄欠乏の対策は「黄化を緑に戻す」だけで終わらせると、収量面の取りこぼしが起きます。
鉄は葉緑体の形成や呼吸回路にも関与するため、見た目が戻っても“弱っていた期間の光合成ロス”が残り、回復の遅れが出る可能性があります。
そこで、上位記事が触れがちな「欠乏症状」「希釈倍率」だけでなく、圃場の運用として次の視点を入れると、鉄の費用対効果が上がりやすくなります。

 

  • 黄化が出る前の“条件”に手を入れる:pHが高い・根が傷む(過湿、低温)条件を潰すと、鉄の投入回数が減る。​
  • 速効(葉面)と土台(根域)を分ける:葉面散布は緊急避難、根域のpHや施肥設計は再発防止として別管理にする。​
  • 鉄は「微量で効く」ので、倍濃度で殴るより“散布面の均一化”に投資する(ノズル、圧、作業速度、散布水量の見直し)。​

要するに、ホリン feを鉄資材として使うなら「症状を消す作業」から「鉄が働く環境を作る作業」へ一段上げるのが、収量に近い実装です。

根域pHとキレート鉄の扱い(養液向けの注意がまとまっている)
キレート鉄-13%鉄肥料|EDTA Fe【800g】|鉄|微…
2価鉄・有機酸系の特徴と、希釈後タンク滞留の注意(運用事故を減らす)
https://www.sakanaka.co.jp/syouhinnsyoukai/hiryou/tetsuriki.html

 

 


火輪 7 (白泉社文庫)