雑草コナギと水田と防除と発生

雑草コナギの発生条件と見分け方、代かき・水管理・除草剤の基本、防除が効きにくい時の考え方まで整理します。あなたの圃場で「残草の原因」を最短で特定できますか?

雑草コナギと水田と防除

雑草コナギの要点(現場で迷わない)
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発生は「低酸素+適温」が合図

代かき後の低酸素条件で発芽が良好、発芽適温は25~35℃が目安。水管理の乱れは発生の引き金になります。

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初期は細葉→後にハート形へ

若いときは細長い葉、生長するとハート形の葉が特徴。初期は似た雑草も多いので葉の変化で確認します。

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「効かない」は抵抗性だけではない

漏水・不均平・処理時期のズレで、薬剤が性能を発揮しない残草が起きます。抵抗性は可能性の一つとして切り分けます。

雑草コナギの発生と水管理


雑草コナギは、水田の「湛水される春〜初夏」に発芽しやすく、夏に旺盛に育って秋まで開花・結実し、種子を落として一年を終えるタイプの一年生雑草です。
つまり、今年見えている株を減らすだけでなく、「落ちた種子が翌年以降の発生源になる」点を前提に、防除設計を組む必要があります。
発生の鍵は、代かき直後に起こりやすい低酸素条件と温度です。コナギは代かき後の低酸素条件で発芽が良好で、発芽適温は25~35℃とされます。


参考)302 Found

このため、移植後の浅水化・落水が続いたり、漏水で水深が保てなかったりすると「薬が効きにくい」以前に、そもそもコナギの出芽環境を作ってしまうことがあります。水田雑草の基本として、丁寧な代かきと漏水のない状態づくりが重要だと整理されています。

現場でよくある落とし穴は、「田面のムラ」です。高い部分は浅水化しやすく、低い部分は薬剤が寄りやすいなど、圃場内で条件が割れて結果も割れます。均平が甘いと、同じ薬・同じ日でも残草の帯が出て、抵抗性を疑いたくなりますが、まずは水の張り方と田面の均平を疑うのが安全です。

雑草コナギの発生を抑える目的で、深水管理を検討する人もいますが、ここも「やり方」を間違えると逆効果になります。コナギは水稲の栽培スケジュールに合わせて生活史を完了させるとされ、発芽期・生育期がはっきりしています。


参考)302 Found

そのため、いつ深くするか、いつ戻すかを、雑草のステージ(発芽直後〜幼植物)に合わせないと、深水のつもりが「ただの管理負担」になりやすい点に注意です。

雑草コナギの葉と見分け方

雑草コナギは、成長段階によって葉の形が大きく変わるのが特徴で、初期は沈水状態で線形葉が続き、その後に浮水葉・抽水葉へ移行し、卵形〜心臓形(ハート形)の葉が出てきます。
「若いときは葉が細長く、生長すると葉はハート形になる」という説明は、現場の識別ポイントとしてそのまま使えます。
ただし、初期は似た草が多く、ここで誤認すると防除の判断もずれます。コナギは最初に子葉が1枚展開し、初期の本葉は沈水で線形葉になり、段階的に葉形が変化していくと整理されています。

この「葉形の遷移」を押さえると、いま見ている株がコナギのどのステージか推定でき、処理適期の検討がしやすくなります。

さらに意外と見落とされがちですが、コナギの葉は「いったん形成されると、水深などが変わっても形を変えない」とされています。

つまり、途中で水管理を変えても、すでに展開した葉の形だけでは現状の水深を逆算しにくいので、圃場メモ(落水した日、漏水した区画、深水にした期間)とセットで観察するのが、診断の精度を上げます。

見分けの実務では、1枚の写真で当てにいくより、「同じ場所で数株を抜いて葉齢の幅を見る」ほうが当たりやすいです。コナギは土壌表面に種子を落として、耕うん等でシードバンクを形成し、翌年以降も発生につながるため、同じ圃場でも発生タイミングが揃わないことがあります。

葉齢が揃わない=薬の効きムラに見える、という現象も起きるので、圃場内で“いま何齢が多いか”を確認してから打つのが損を減らします。

雑草コナギの除草剤と防除の基本

水田雑草の防除は、まず「初中期の適切な使用」が基本で、丁寧に代かきをして漏水がない状態で、適切な使用時期に処理することが有効だとされています。
雑草コナギも例外ではなく、圃場条件(漏水・不均平・落水)で性能が落ちると、成分の問題に見えても実態は管理の問題だった、ということが起こり得ます。
防除設計は、いきなり銘柄名から入るより、次の順で考えると外しにくいです。


✅ チェック順(現場向け)
・散布前:田面の均平、漏水の有無、落水履歴(干上がった日があるか)​
・散布時:雑草の葉齢が揃っているか(コナギの葉形遷移で推定)​
・散布後:一定の水深が保てたか(雨で溢れた、排水した、など)​
「効かない」時の追加防除を考える際も、まず抵抗性の話に飛びつかず、圃場条件で薬剤が“効ける状態だったか”を確認します。水田雑草対策として、代かきや漏水対策などの基本が効果に直結する、という整理が公的資料にも明記されています。

この切り分けができると、翌年の体系も「成分の入れ替え」だけでなく、「水管理・圃場整備の修正」で改善できる余地が見えるようになります。

また、雑草コナギは土壌シードバンクを形成して翌年以降も発生につながるため、残草を“結実させない”意識が大切です。

手取りを軽視しがちですが、少数でも結実させると次年の密度が戻るリスクがあるので、「抜くなら早めに、落ちる前に」を現場ルールにすると効果が積み上がります。

雑草コナギの抵抗性と残草

雑草コナギでは、スルホニルウレア系除草剤(SU剤)に対して抵抗性をもつ生物型が報告され、その後も複数地域で顕在化していることが示されています。
したがって、薬剤名や成分を変えても残草が続く場合、抵抗性の可能性は現実的に検討対象になります。
一方で、同じ資料の流れでも強調されているのは「新しい除草剤の普及で防除が比較的容易になってきたのに、効果が不十分な一部の水田で繁茂する」という点です。

ここが重要で、抵抗性だけが原因ではなく、圃場条件や作業体系が“コナギに都合の良い状態”になっていると、毎年同じ場所に出る、という現象が起こります。

抵抗性を疑う目安としては、同じ圃場で同じ方法を守っているのに、特定の草種(コナギだけ等)が取り残されるケースです。コナギは生活史が水稲の栽培スケジュールに合わせて進むとされるため、処理時期が合っているのに毎回残るなら、作用点の違いを含む“別の手”を検討しやすい状況と言えます。

ただし「抵抗性=即、薬を強くする」ではなく、翌年の発生を減らすために結実を止める、シードバンクを増やさない、という考え方が軸になります。

現場での実務としては、残草を見たら次のメモを残すと、翌年の改善が速いです。


📝 残草メモ(おすすめ)
・残草場所:畦際/田中央/高い所/取水口周辺
・残草の葉形:線形葉が多いか、ハート形が多いか(ステージ推定)​
・水管理:落水日、漏水箇所、深水期間
この情報が揃うと、抵抗性を疑うべきか、管理要因の修正で済むかを分けやすくなります。


雑草コナギと稲作の独自視点

雑草コナギの“意外な”ポイントとして、実はコナギが日本の稲作の歴史の中で古くから知られ、『日本書紀』や『万葉集』にも登場し、食用や摺染めの材料として利用され、栽培もされていたとされています。
つまり、コナギは単なる厄介者というだけでなく、人の営みと一緒に田んぼへ入り込み、稲作と共存・競合してきた植物だと言えます。
この視点は、防除の“発想”にも効きます。コナギは水稲の栽培スケジュールに合わせて生活史を完了させるとされるため、薬で一撃を狙うよりも、稲作作業(代かき、水管理、発生期の観察、結実させない)そのものを「コナギの生活史を途切れさせる設計」に変えるほうが、長期的に楽になる場合があります。


抵抗性の話題が出るほど、成分に目が行きますが、実際は“圃場をコナギ向きにしない”ことが最大のコストダウンになることが多いです。


最後に、稲作の現場は地域差・圃場差が大きいので、困ったときは公的・専門団体の解説も合わせて確認するのが安全です。雑草コナギについて、発芽条件(低酸素・適温)、葉の特徴(細葉→ハート形)、種子の寿命(長い)などがまとまった解説があります。

コナギの生態(葉の変化・生活史・抵抗性の概要)を掴む参考(「葉はいったん形成されると形を変えない」「SU抵抗性の報告」など)。
https://wssj.jp/kaisetsu/10_konagi/konagi_top.html
雑草解説(稲作)として、コナギの発芽条件(代かき後の低酸素、発芽適温25~35℃)や種子寿命、現場の防除基本(代かき・漏水対策)を確認できる参考。
雑草解説(稲作) - 宮城県公式ウェブサイト




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