雑草地下茎と防除と耕起と除草剤管理

雑草地下茎は「掘れば終わり」にならない相手です。生態と作業順序を押さえ、耕起・被覆・除草剤を組み合わせて再生力を弱らせる実務をまとめます。あなたの圃場はどの型に当てはまりますか?

雑草地下茎と防除

雑草地下茎と防除の全体像
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最初に「地下茎型か」を見分ける

地上部を刈っても戻る草は、地下茎や塊茎が主因のことが多い。相手の増え方で手順が変わります。

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耕起は万能ではない

地下茎を細かく切ると、断片から再生して逆に増えるケースがある。やるなら「目的」と「回収」まで設計します。

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除草剤は「散布タイミング」が効き目

グリホサート系は茎葉から吸収されるため、草丈・散布後の待機・再生芽の管理が成果を左右します。

雑草地下茎の特徴と多年生の再生力


地下茎雑草が厄介なのは、地中に「茎」を張り巡らせ、そこから根と芽を出して増える点にあります。
冬に地上部が枯れても地下茎が残り、春に地下茎から再び芽を出して再生するため、「一度きれいにしたのに戻る」が起きやすいのが現場のあるあるです。
農業現場でよく話題になる地下茎(または地下器官)系の代表例として、ヨモギ、チガヤ、スギナ、ハマスゲ、ドクダミ、シロツメクサなどが挙げられます。


参考)https://www.mdpi.com/2223-7747/11/17/2242/pdf?version=1661773997

ここで重要なのは、同じ“地下にある”でもタイプが混ざることです(地下茎=根茎タイプ、塊茎を作るタイプなど)。

対策の第一歩は、「その草は地下茎で横に広がっているのか」「地下に貯蔵器官があって点で増えるのか」を意識して観察することです。

観察のコツはシンプルで、刈払い後にどこから芽が戻るか(株元だけか、離れた地点からも出るか)をメモし、圃場図に落とすと方針が決めやすくなります。

雑草地下茎と耕起の断片化リスク

耕起して掘り返せば終わる」は、地下茎雑草では裏目になることがあります。地下で広がる多年生雑草は、耕うん・掘り返しで地下茎を分断すると、回収し忘れた断片が再生して、かえって増えることがあるためです。
つまり耕起は、やり方次第で「弱らせる」にも「増やす」にも振れます。


参考)耕作放棄畑を覆う多年生雑草を退治するにはどうしたらよいですか…

耕起を使うなら、次のように“作業の目的”を一段具体化すると事故が減ります。


・目的A:地下茎を地表に出して乾燥・凍結で弱らせる(冬期・乾燥条件を狙う)
参考)ハマスゲの除草・防除方法とおすすめ除草剤

・目的B:地下茎や塊茎を掘り上げ、拾い集めて圃場外に出す(回収がセット、取り残し前提で複数回)​
・目的C:除草剤の効きを上げるため、散布前に刈り込みし新葉を揃える(ただし散布後は待機を守る)
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9254352/

現場でありがちな失敗は「ロータリーで細断→見た目はきれい→数週間後に点々と復活→次の耕起でさらに拡散」です。

耕起を入れる場合は、作業回数と“回収工程”を最初から織り込むのが実務的です(拾い集める日、乾かす日、持ち出す日を別日にするなど)。

雑草地下茎とグリホサート除草剤の使い方

地下茎型イネ科雑草などは、更新時にグリホサート系除草剤を活用するのが効果的だと、自治体の技術資料でも述べられています。
また、地下茎型イネ科雑草は「グリホサート系1回散布だけだと枯殺しきれないことが多い」ため、前植生処理と生育処理の2回散布が牧草割合の向上や状態維持に有利、という整理もされています。
使い方で押さえるポイントは、薬剤そのものより「吸収される条件」を外さないことです。

グリホサート系は茎葉部分から吸収されて効果を発揮するため、散布適期の目安として草丈40~50cm頃が示されています。

散布後は吸収させるために10日ほど待ってから耕起やは種床整備を行う、という“待機”も実務上とても大事です。

ここが意外な落とし穴で、早く次の作業をしたいほど「散布→翌日耕起」をやりがちですが、これでは吸収・移行の時間を潰してしまいます。

地下茎雑草の相手は、地上部が枯れたように見えても地下で残ることがあるので、「散布→待つ→再生を確認→次手」のリズムを守るほうが結局早いです。

参考リンク(草地更新での地下茎型雑草、グリホサート散布時期・散布後の待機の考え方)。
北海道釧路総合振興局「除草剤のすゝめ」

雑草地下茎と被覆・マルチ・草地更新の実務

地下茎雑草は「光を断つ」だけで即死しないことが多い一方、光合成できる葉を継続的に奪うと、地下茎に貯めた資源を消耗させやすくなります。
この考え方は、地上部が枯れても地下茎が残って再生する、という地下茎雑草の性質の裏返しです。
草地更新の文脈では、除草剤を使わないと土壌中の雑草種子の発芽や、地下茎型イネ科雑草の地下茎からの再生により、数年後に雑草が繁茂しやすくなる、という説明があります。

つまり「更新は種をまくだけ」ではなく、更新前後の雑草波をどう潰すかが成否を分けます。

被覆・マルチ・更新を絡めるときは、次の順で考えると設計しやすいです。


✅ ①いま優占している雑草の型を確認(地下茎型か、塊茎型か、種子主体か)​
✅ ②更新の前に、地下器官を弱らせる工程を入れる(刈り取り・適期散布など)​
✅ ③散布後は待機を守ってから耕起・整地へ進む(目安10日)​
✅ ④更新後に「再生芽が出た地点」をピンポイントで潰す(放置すると地下でつながりが広がりやすい)​
「全部を根こそぎ」にこだわるより、圃場の目的(作付け維持か、草地更新か、通路管理か)に合わせて“弱らせ方を組む”ほうが、再発が減ります。


雑草地下茎の独自視点:圃場の「境界管理」と再侵入設計

地下茎雑草は圃場内だけでなく、畦畔・法面・通路・隣接地からの再侵入で「終わらない戦い」になりやすいです。
このため、作業の独自視点としておすすめなのが、圃場を“面”ではなく「境界(ライン)」で管理する発想です。
具体的には、圃場の外周1~2mを“監視帯”として扱い、次の運用にします。


・外周は月1回、刈り取り後の再生位置を固定ルートで巡回し、同じ場所から出る芽を優先的に潰す(地上部が枯れても地下茎が残る前提で継続)​
・耕起を入れる場合、外周でのロータリー細断を避け、分断片を圃場内へ引き込まない(断片再生のリスクを意識)​
・更新や散布をする年は、外周だけでも散布適期と待機を守り、圃場内と同じ“工程の質”で揃える(外周が穴だと再侵入が早い)​
意外と効くのは「再生芽の地図化」です。地下茎でつながっている場合、芽の列が“線”になって出ることがあり、線の向きが地下茎の伸長方向のヒントになります。

その線に沿って対策を入れると、闇雲に全面対応するより、作業時間とコストが落ちやすいです。

この“境界管理”は検索上位の定番手順(除草剤・耕起・掘り取り)そのものではありませんが、地下茎雑草の「残って戻る」性質を前提に、再侵入を設計で遅らせる実務です。





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