接触型除草剤と吸収移行型除草剤の違いと使い分け方

除草剤を選ぶとき、接触型と吸収移行型の違いを理解していますか?適切な使い分けができれば、作業時間とコストを大幅に削減できます。農作業の効率化に直結する、この2つの除草剤タイプの特徴と賢い選び方を知っていますか?

接触型除草剤と吸収移行型除草剤の違いと効果

接触型と吸収移行型を混同すると、法面が崩壊します。


この記事の3ポイント
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接触型は速攻、移行型は根絶

接触型は薬剤が触れた部分だけを1日で枯らし、吸収移行型は根まで移行して7~14日で完全枯死させます。 効果発現の速さと範囲が大きく異なります。

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法面・斜面では接触型必須

吸収移行型で根まで枯らすと土壌流出のリスクが高まります。傾斜地では根を残す接触型を使い、地面の強度を維持することが重要です。

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コストと効果の最適化

接触型は即効性で作業回数が増えますが、移行型は効果持続40~50日で再散布の手間を削減。場所と目的で使い分けることで年間コストを30~40%削減できます。


接触型除草剤の特徴と効果発現の仕組み



接触型除草剤は、薬液がかかった植物の部分だけを枯らすタイプの除草剤です。代表的な製品には「プリグロックスL」や「バスタ」があり、植物の葉や茎の細胞膜を直接破壊することで効果を発揮します。薬剤が接触した部分の組織だけに作用するため、植物体内への移行はほとんどありません。


この特徴により、効果の発現が非常に速いことが最大のメリットです。プリグロックスLでは散布後わずか1日前後で葉が褐変し始め、バスタでは2~5日で効果が現れます。


つまり速効性が基本です。


ただし、接触型の弱点は根まで枯らせないことです。地上部の葉や茎は枯れても、地下の根や地下茎は生き残るため、多年生雑草では再生しやすい側面があります。そのため、一般的な抑草期間は40~50日程度となり、定期的な再散布が必要になります。


一方で、この「根を残す」特性は法面や畔、傾斜地では大きなメリットになります。植物の根によって地面の強度が維持されるため、土壌流出を防ぎながら地上部だけを除草できるのです。鹿児島県の除草剤使用要領でも、降雨等により崩壊が懸念される法面部には接触型除草剤(バスタ)を散布することが推奨されています。


接触型除草剤は気温による影響を受けにくく、一年中安定した効果を示します。春先の低温期でも効果が発揮されるため、季節を選ばず使用できるのが特徴です。


鹿児島県除草剤使用要領(法面での接触型除草剤の推奨について記載)


吸収移行型除草剤の特徴と根まで枯らす効果

吸収移行型除草剤は、茎葉から吸収された薬剤成分が植物体内を移行し、根まで到達して植物全体を枯らすタイプです。代表的な成分はグリホサート系で、「ラウンドアップ」や「サンフーロン」などが該当します。植物の生長に必須なアミノ酸の生合成を阻害することで、じわじわと効果を発揮します。


効果の発現は接触型より遅効的で、一年生雑草では3~7日、多年生雑草では1~2週間かかります。


枯れ始めが遅いということですね。


しかし、一度枯らすと根まで完全に枯死するため、再生を長期間抑制できるメリットがあります。抑草期間は一般的に40~50日以上持続し、スギナやササなど地下茎で繁殖する難防除雑草にも高い効果を示します。


春先や雨時期など、植物がよく成長する時期ほど移行性が高まり、効果が早く現れる傾向があります。これは植物が活発に栄養を吸収・移行している時期だからです。逆に晩秋から早春の温度が低い時期は効果の発現が遅れますが、最終的には十分な効果が得られます。


吸収移行型の重要な特性として、少量でも雑草の葉に付着すれば効果が現れる点があります。接触型のようにまんべんなく葉に付着させる必要がないため、薬剤の使用量を抑えられるケースもあります。


結論は省力化に向くです。


土壌への影響も考慮されています。雑草の茎葉にかからずに土に落ちた成分は、処理後1時間以内のごく短時間で土の粒子に吸着し、その後微生物により自然物に分解されます。約3~21日で半減し、やがて消失するため、土壌への残留性が低い点も特徴です。


マイナビ農業:除草剤と上手に付き合うために知っておきたい基本(吸収移行型と接触型の違いを図解)


接触型除草剤の適切な使用場面と注意点

接触型除草剤が最も力を発揮するのは、法面・畔・斜面などの傾斜地です。これらの場所では土壌の流出防止が最優先課題となります。吸収移行型で根まで枯らしてしまうと、根が張っていた部分の土がふさがり、降雨時に土壌が崩れる危険性が高まります。


傾斜地の除草では、根を残すことが条件です。接触型なら地上部の雑草だけを除去し、地下の根系で地面を保持できるため、土砂崩れのリスクを軽減できます。実際、道路の法面管理や水田の畦畔管理では、接触型除草剤の使用が推奨されています。


即効性を求める場面でも接触型が有効です。圃場の準備を急ぐ場合や、イベント前に見栄えを整えたい場合など、「今すぐ枯らしたい」というニーズに応えられます。プリグロックスLなら朝撒けばその日のうちに効果が現れ始めるため、「即日除草」と呼ばれています。


ただし注意点もあります。接触型は薬剤がかかった部分だけが枯れるため、散布にムラがあると枯れ残りが発生します。まんべんなく葉に付着させる丁寧な散布が必要です。


厳しいところですね。


また根が残るため、多年生雑草では40~50日で再生してきます。そのため散布回数は吸収移行型より多くなる傾向があり、年間の作業時間とコストが増える可能性があります。広範囲を長期的に管理する場合は、吸収移行型との併用やローテーションを検討すべきです。


散布後の降雨に対しては、バスタで6時間、プリグロックスLで15分後の降雨でも安定した効果を発揮します。プリグロックスLは特に耐雨性が高く、天候が不安定な時期でも使いやすい特徴があります。


BASF:畦畔でのバスタ散布事例(法面崩壊を防ぎながら除草作業を削減)


吸収移行型除草剤が効果的な場面とコスト削減効果

吸収移行型除草剤は、広範囲の雑草を長期的に管理したい場合に最適です。農地全体の雑草管理や、畑地の作付け前後の除草、空き地や駐車場など平坦地の管理に向いています。根まで完全に枯らすため、散布回数を大幅に削減できるのです。


具体的なコスト削減効果を見てみましょう。接触型で年間5~6回の散布が必要な場所でも、吸収移行型なら2~3回で済むケースが多くあります。1平方メートルあたりの散布費用を300円とすると、100平方メートルの圃場では年間9万円から4.5万円へと半減する計算になります。


$$\text{接触型年間コスト} = 100 \times 300 \times 6 = 180,000\text{円}$$


$$\text{移行型年間コスト} = 100 \times 300 \times 3 = 90,000\text{円}$$


$$\text{削減額} = 180,000 - 90,000 = 90,000\text{円}$$


作業時間の削減も見逃せません。散布回数が半分になれば、準備・散布・片付けにかかる時間も半減します。農繁期の貴重な労働力を、より生産的な作業に振り向けられるわけです。


スギナ、ササ、チガヤなど地下茎で繁殖する難防除雑草には、吸収移行型が圧倒的に有効です。接触型では地上部を何度刈っても地下茎から再生してしまいますが、移行型なら成分が地下茎まで到達して根絶できます。


これは使えそうです。


農耕地で使用する場合は、農薬登録のある製品を選ぶ必要があります。グリホサート系の代表製品として、ラウンドアップマックスロード(グリホサートカリウム塩48%)やサンフーロン(グリホサートイソプロピルアミン塩41%)があります。サンフーロンはラウンドアップのジェネリック品で、同等の効果を約3分の1の価格で得られるため、コストパフォーマンスに優れています。


ただし、吸収移行型は効果が出るまでに時間がかかるため、散布後すぐに圃場を使いたい場合には不向きです。また、法面や傾斜地では土壌流出のリスクがあるため使用を避けるべきです。場所と目的を見極めて選択することが重要になります。


農家web:除草剤サンフーロンについて徹底解説(コスト比較とグリホサート系の特徴)


接触型と吸収移行型を併用する混合剤の活用法

近年注目されているのが、接触型と吸収移行型の成分を混合した除草剤です。代表的な製品として「サンダーボルト007」があり、速効性と持続性を両立させた画期的な製剤として評価されています。


サンダーボルト007は、接触型のピラフルフェンエチルと吸収移行型のグリホサートイソプロピルアミン塩を配合しています。ピラフルフェンエチルが細胞膜を破壊して速効的に雑草を枯らし、グリホサートが植物体内に移行して根まで枯らすという二段構えの作用です。


この混合剤の最大のメリットは、効果発現の速さと持続期間の長さを同時に実現できることです。通常のグリホサート系除草剤では効果が現れるまで3~7日かかりますが、サンダーボルト007では散布後2~3日で枯れ始め、かつ根まで枯らすため再生も抑制されます。


まさに理想的と言えます。


特に、スベリヒユ、マルバツユクサ、タンポポ、アサガオ類など、グリホサート単剤では効きにくい雑草に対して高い効果を示します。これらの雑草に悩まされている圃場では、混合剤の選択が問題解決につながるでしょう。


ただし、混合剤は接触型成分と移行型成分の両方を含むため、薬剤の単価が高くなる傾向があります。500mlボトルで通常のグリホサート系より1,000~2,000円ほど高価です。コストと効果のバランスを考え、特に難防除雑草が多い場所や、速効性と持続性の両方が求められる場所で使用するのが賢い選択です。


散布適期や散布方法は、基本的に吸収移行型に準じます。雑草の生育期、特に草丈30cm以下の時期に散布すると効果的です。散布後1~2時間で薬液が吸収されるため、その後の降雨には比較的強い耐性があります。


混合剤を使う場面としては、作付け前後の限られた期間で確実に除草したい場合や、難防除雑草が混在している圃場での一発処理などが挙げられます。単剤を2回散布するより、混合剤を1回散布する方が作業効率が良いケースも多いのです。


グリーンジャパン:サンダーボルトQ&A(混合剤の作用機序と効果について詳細解説)




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