ロイヤント乳剤 倍率 適用 雑草 水稲

ロイヤント乳剤の「倍率(希釈)」で迷いやすいポイントを、適用表の数字から逆算して具体例で整理します。水量・面積・散布方法での考え方の違いも押さえ、失敗しない準備と現場の判断軸が分かる内容です、あなたの圃場条件だとどこを優先しますか?

ロイヤント乳剤 倍率

この記事で分かること
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倍率と水量の関係

「何倍にするか」より先に、登録の薬量(200mL/10a)と希釈水量(25~100L/10a)を押さえて計算ミスを防ぎます。

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適用と使用時期

移植水稲・直播水稲・水田畦畔で、使用時期や散布方法が異なるため、倍率の考え方も変わります。

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現場の段取り

落水散布・ごく浅く湛水・湛水散布など、状況別に「準備→散布→水管理」をつなげて失敗を減らします。

ロイヤント乳剤 倍率と希釈水量の考え方(25~100L/10a)


「ロイヤント乳剤 倍率」で検索すると、“何倍で作るのか”が気になりがちです。けれど実務では、倍率を単独で覚えるより、登録に書かれている「10aあたり薬量200mL」と「10aあたり希釈水量25~100L」をセットで理解するのが一番安全です。


まず、倍率(希釈倍数)をざっくり式にすると、こうなります。


・希釈倍率(倍)= 散布液量(L) ÷ 薬量(L)
ロイヤント乳剤の薬量は200mL=0.2L/10aですから、10aあたりの水量が決まれば倍率は自動的に決まります。


例として、移植水稲で「25L/10a」で作るなら、
・25L ÷ 0.2L = 125倍
「100L/10a」で作るなら、
・100L ÷ 0.2L = 500倍
つまり、ロイヤント乳剤は“固定の倍率が1つ”というより、登録の範囲内で水量を変えると倍率も125~500倍の範囲で動く、という捉え方が正確です。


ここで重要なのが、倍率を目的に水量を選ばないことです。水量は散布方法(落水散布か、浅水・湛水か)や、雑草の量・株間の見え方・畦畔の草丈など、「薬液をどう当てるか」で決め、最後に倍率がついてくる順番がミスを減らします。


また、同じ10aでも「水量25L」と「水量100L」では、タンク補給回数や歩く距離、散布ムラの出やすさが変わります。忙しい中干し前後や、風が出やすい時間帯を避けたい日ほど、段取りの組み方が倍率以上に効いてきます(希釈は登録範囲内で、作業性と付着性の両立を狙うイメージ)。


ロイヤント乳剤 倍率の早見:10a・30a・1haの薬量計算

倍率以前に、面積から薬量(原液量)を外さないことが最優先です。ロイヤント乳剤は、移植水稲・直播水稲・水田畦畔いずれも基本は「200mL/10a」が軸になります。


下は“面積→原液量”の早見です(登録の薬量200mL/10aで計算)。


・10a:200mL
・20a:400mL
・30a:600mL
・50a:1000mL(1L)
・1ha(100a):2000mL(2L)
次に“水量→必要な散布液量”を決めます。たとえば移植水稲の登録では希釈水量が25~100L/10aなので、30aなら散布液量は750~3000Lの幅があります。


ここで「倍率」だけで作ると、現場で破綻しやすいです。理由は単純で、散布機(背負い、ブーム、ラジコン等)ごとに吐出量が違い、圃場の土面条件(落水で泥が締まっているか、表層が剥離しているか)でも実際の歩きやすさが違うからです。登録上は水量レンジが用意されているので、その枠内で“散布の当て方に合わせて水量を選ぶ”のが実務的です。


なお、使用回数にも上限があります。本剤の使用回数は2回以内、成分(フロルピラウキシフェンベンジル)を含む農薬としての総使用回数は3回以内と示されています。


「今回はロイヤント、次は別剤」と考えるときも、成分回数のカウントをうっかり忘れないように、作業日誌に“成分名”まで書いておくと後で効きます。


ロイヤント乳剤 倍率と適用雑草・使用時期(移植水稲/直播水稲)

ロイヤント乳剤は除草剤で、適用表では移植水稲の場合「移植後20日~ノビエ5葉期(ただし収穫45日前まで)」が使用時期の目安として示されています。


この「ノビエ5葉期まで」が、倍率以前に守りたい“効かせるための期限”です。


移植水稲の適用雑草としては、ノビエや一年生広葉雑草、マツバイ、ミズガヤツリ、ウリカワ、セリなどが適用表に並びます。


これらは草種・発生ムラ・株元の見え方が違うので、散布液の当て方(=水量選び)を変える余地が出てきます。


直播水稲は条件が別で、使用時期は「稲3葉期~ノビエ5葉期(ただし収穫45日前まで)」、希釈水量は「100L/10a」と明記されています。


ここは移植水稲と違い、“水量が固定”なので、倍率は 100L ÷ 0.2L=500倍相当と見てよい場面になります。


散布方法も違います。直播水稲では「乾田・落水状態で雑草茎葉散布又は全面散布」とされ、移植水稲では「落水散布、ごく浅く湛水して散布又は湛水散布」と複数選択肢が示されています。


つまり同じ“ロイヤント乳剤”でも、圃場条件(乾田か、湛水か)によって、効き方の前提となる当たり方が変わるので、倍率を単独で覚えるより「どの状態で散布する登録か」を先に確認する方が、結果として失敗が減ります。


・ポイント(現場のチェック項目)
✅ ノビエの葉齢は何葉期か(5葉期に近いほど急ぐ)
✅ 収穫45日前の制限に抵触しないか(作業日から逆算)
✅ 乾田・落水・浅水・湛水のどれで散布するのか(方法で水量の組み方が変わる)

ロイヤント乳剤 倍率と落水散布・湛水散布の段取り(散布ムラ対策)

倍率計算が合っていても、散布ムラが出ると効き残しが出ます。登録の散布方法には「落水散布」「ごく浅く湛水して散布」「湛水散布」が並びますが、これは“水管理と散布作業がセット”であることを意味しています。


落水散布を選ぶ場合の実務的な狙いは、雑草の茎葉に薬液を当てやすくすることです。一方で、田面がぬかるむと歩行跡が深くなり、条間で散布スピードが変わって吐出ムラにつながりやすいので、「歩く速さを一定にする」工夫が効きます(目印を置く、散布幅を決める、圃場を区画で分けるなど)。


ごく浅く湛水して散布する場合は、浅水で均一に散布できるように水深をそろえる意識が大切です。水面が風で波立つと畦側に寄りやすいので、風が弱い時間帯を選び、畦畔から内側へ散布するなど、ドリフトと寄りを減らす動きが合理的です。


湛水散布は、圃場条件によっては作業が速い反面、極端な漏水田や減水が大きい田では前提が崩れることがあります。メーカー資料でも、漏水田など特定条件では注意が必要とされていますので、普段から減水深が大きい田は、散布方法の選択段階から慎重に考えるのが安全です。


参考)ロイヤント乳剤│水稲/後期処理除草剤│農薬製品│クミアイ化学…

散布後の「洗浄」も、倍率と同じくらい事故防止に効きます。タンク・ノズル洗浄の重要性は現場向け資料でも繰り返し触れられており、次に別作物の薬剤を積む人ほど、洗浄を“作業の最後”ではなく“散布の一部”として扱う方がトラブルが減ります。


参考)https://taishinkk.co.jp/upload/pdfup/139.pdf

・散布ムラを減らす小技(意外と効く)
✅ 10aごとに「ここまでで何L使ったか」をメモして、吐出のズレをその場で補正する(結果的に倍率ズレも検知できる)
✅ ノズルの目詰まりを“散布前に”疑う(散布中に気づくとムラが広がる)​
✅ 畦際の折り返し地点は、歩行速度が乱れやすいので一拍おいて一定速度に戻してから吐出(ムラ帯を作らない)

ロイヤント乳剤 倍率の独自視点:25L/10aと100L/10aは「当て方の設計」

検索上位では「何倍?」の答えだけで終わる記事も多いのですが、実際の失敗は“倍率そのもの”より「当て方が圃場に合っていない」ことから起きがちです。ロイヤント乳剤は移植水稲で希釈水量が25~100L/10aと幅を持たせてあるので、この幅を「作業性の逃げ」ではなく「当て方の設計自由度」として使うのが、次の一手になります。


例えば、発生が少なく、田面が締まり、歩行スピードを一定にできる田は、比較的少水量側(25L/10a寄り)でもムラなく当てられる可能性があります(倍率は125倍寄り)。


逆に、草丈が不揃い、畦際が強い、田面が柔らかい、歩行が乱れる田は、水量を増やして“当たりやすさ”を確保した方が、体感としてムラが減ることがあります(倍率は500倍寄り)。


ここで大事なのは、「水量を増やす=濃度が薄い=効かない」と短絡しないことです。登録は薬量200mL/10aが前提で、水量は25~100L/10aの範囲で認められているため、薬量を守っている限りは、基本的には“濃度より被覆(当たり)”が結果を左右します。


さらに、直播水稲は水量が100L/10aで固定されているので、現場の自由度が少ない分、準備の精度(面積把握、タンク希釈の誤差、吐出量の校正)がそのまま結果に直結します。


直播では「乾田・落水状態での茎葉散布」が前提なので、散布前に水管理を整え、雑草が濡れているタイミング(夜露・朝露)を避けるなど、物理的に“薬液が狙った場所に残る条件”を優先する方が、倍率をいじるより効果が出やすいです。


最後に、いちばん意外なミスは「倍率の数字は合っているのに、総量が合っていない」パターンです。面積を“だいたい”で見て薬量を決めると、10aあたり200mLという前提が崩れます。圃場が変形している、畦畔も同時にやる、枕地だけ追加で散布する…こういう時ほど、面積を区切って都度計算する(200mL/10aに戻る)のが、結局いちばん早道です。


参考リンク:国の登録情報(適用表、薬量200mL/10a、希釈水量25~100L/10a、使用時期・使用回数)
農薬登録情報提供システム:ロイヤント乳剤(登録番号24387)




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