パスツーリア ペネトランス 菌 ネコブセンチュウ 防除 土壌 消毒

パスツーリア ペネトランス 菌を使ったネコブセンチュウ防除の仕組み、効果が出る条件、土壌消毒や太陽熱処理との組み合わせまで、現場目線で整理します。連作で効きが伸びる理由と失敗しやすい落とし穴も押さえたいですか?

パスツーリア ペネトランス 菌 ネコブセンチュウ 防除

この記事でわかること
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菌の「効き方」

パスツーリア ペネトランス 菌が線虫に寄生して次世代密度を下げる“遅効き”の仕組みを、誤解されやすい点とセットで整理します。

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使いどころと使い方

定植前の土壌混和、定植時の植穴灌注など、登録上の使い方の考え方と、圃場でムラを出さないポイントをまとめます。

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相性の良い併用技術

線虫密度が高い圃場で効果が出にくい理由と、土壌消毒・太陽熱処理など「密度を落としてから定着させる」現実的な組み立てを紹介します。

パスツーリア ペネトランス 菌の特長と天敵微生物の考え方


パスツーリア ペネトランス 菌(Pasteuria penetrans)は、土壌中でネコブセンチュウ密度を低減させることを狙った天敵微生物(微生物農薬)として位置づけられ、線虫に寄生して次世代の増殖を抑えるタイプです。
ポイントは「接触した線虫に寄生→体内で増殖→卵の増殖を抑える→次世代が減る」という流れで、散布直後に線虫が一気にいなくなる“速効性”ではない点です。
この遅効き特性は欠点にも見えますが、逆に言えば圃場条件が整うと土壌に定着し、作物を連作することで菌密度が高まり、数年スパンで被害を抑えられる設計思想になっています。
現場でよくある誤解は「散布したら当作から被害が消えるはず」という期待です。


参考)https://www.greenjapan.co.jp/soil_pastoria.htm

実際には、線虫密度が高いほど当作の被害は出やすく、パスツーリア ペネトランス 菌は“次に効かせる”色合いが濃いので、最初の年は別の密度抑制策と組むほど安定します。

つまり、化学剤の代替というより「線虫密度を中長期で落としていく基盤技術」と捉えるほうが、導入後の評価がブレにくくなります。

パスツーリア ペネトランス 菌 水和剤の使用方法と土壌混和のコツ

登録情報ベースでは、パスツーリア ペネトランス水和剤(いわゆるパストリア水和剤)は、野菜類・いも類・いちじくのネコブセンチュウに対して、定植前の土壌表面散布+混和(例:1〜5kg/10a、使用液量150〜200L/10a)や、定植時の植穴土壌灌注(例:0.5g/穴、1L/穴)といった使い方が示されています。
ここで最重要なのは「均一に分布するようによく混和」の徹底で、菌を“点”で入れると線虫と遭遇する確率が落ち、効きが体感しにくくなります。
土壌混和はロータリー1回で終わらせず、できるだけ散布ムラ(風・吐出の偏り・端の薄撒き)を潰す前提で組み立てると、翌作以降の立ち上がりが違ってきます。
また、パスツーリア ペネトランス 菌は、センチュウに遭遇しなくても土壌中で数年間生存し得ることや、環境変化に強く常温保管できる点が特徴として説明されています。

この「長く残る」性質は、良くも悪くも“圃場の履歴”として効いてくるため、毎年の防除体系(どのタイミングで密度を落とし、どのタイミングで定着させるか)を作っておくと成果が見えやすいです。

一方で、線虫がほとんどいない圃場に入れても増殖の機会が少なく、コストに対して成果が見えにくいので、「被害がある圃場で使う」という大前提は外さないほうが安全です。

パスツーリア ペネトランス 菌の効果が出にくい条件と土壌消毒の併用

メーカー情報では、本剤に直接の殺線虫力はなく、線虫密度が高い場合は効果が劣るおそれがあるため、既存の殺線虫剤との併用や、太陽熱処理などで土壌中の線虫密度を低くする技術との併用が推奨されています。
ここが現場で一番差が出るところで、「いきなり天敵微生物だけに任せる」よりも、初年度は密度を一度下げてからパスツーリア ペネトランス 菌を“定着・増殖させる”設計が合理的です。
言い換えると、土壌消毒は“ゼロにする技術”ではなく“天敵微生物が勝てる土俵に整える技術”として組み込むと、費用対効果が読みやすくなります。
実際、農研機構系の成果情報では、Pasteuria penetransを土壌に施用してカンショを連作すると、5作目においてサツマイモネコブセンチュウによる収量・品質低下を、D-D剤処理と同等に抑制できた、という要約が示されています。


参考)パストリア - 天敵Wiki

この「5作目」という数字は、まさに“定着して圃場に効きが積み上がるまでの時間”を示唆しており、単年評価で見切ると過小評価になりやすい点を教えてくれます。

逆に、短期で結果が必要な作型では、初年度〜2年目は化学的・物理的手段で被害を抑えつつ、パスツーリア ペネトランス 菌で長期的な密度低減を狙う二段構えが現実的です。

パスツーリア ペネトランス 菌 胞子 付着と「効いた圃場」の見分け方

パスツーリア ペネトランス 菌は、線虫への胞子付着が起点になります。
研究情報として、日本線虫学会誌には「Pasteuria penetrans胞子の水中保存と超音波処理の組み合わせによるネコブセンチュウに対する付着性の増進」というテーマの論文が掲載されています。
さらに、前作終了時にほとんどの線虫にP. penetrans胞子が付着していた場合に、次作で土壌中の線虫密度が低下した、という趣旨の記載が学会誌の目次情報として確認できます。
ここから現場に落とすと、「当作の被害」だけでなく「線虫にどれくらい胞子が付着しているか」を見られる体制があると、次作の見通しが立ちます。


参考)【解説/雑記】線虫に対する天敵微生物資材はなぜ効かないのか?…

ただし、農家単独で顕微鏡観察まで行うのは負担が大きいので、実務としては、防除所・普及センター・民間分析と連携して“圃場診断の指標”を作るのが近道です。

重要なのは、パスツーリア ペネトランス 菌は「散布した事実」ではなく「線虫に遭遇して付着・寄生が回った事実」が効果に直結する、という理解です。

論文を引用しておくと、付着性の増進を扱った研究として、J-STAGE上の日本線虫学会誌の掲載情報は確認できます。


参考)https://agresearcher.maff.go.jp/seika/show/220724

関連リンク:日本線虫学会誌(付着性増進の掲載号)

パスツーリア ペネトランス 菌の独自視点:連作・輪作・作業動線で「分布ムラ」を減らす

検索上位の解説では「均一散布・混和」「高密度だと効きにくい」「連作で菌密度が上がる」といった軸が中心になりがちですが、実務で見落とされやすいのが“圃場内の分布ムラ”を作る日常作業です。
例えば、定植作業の動線、潅水ラインの偏り、堆肥や客土の入れ方のクセで、線虫の多い場所と少ない場所が固定化すると、菌が増えやすいゾーン/増えにくいゾーンが圃場内に同居し、効きの体感が割れます。
この状態だと「効かない」と判断されがちですが、実際には“効いている場所と効いていない場所がある”だけ、というケースが起きます。
対策は難しくありません。

  • 🚜 散布・混和は端と枕地を重点的に見直し、薄撒きゾーンを作らない。​
  • 💧 植穴灌注を採る場合は、穴あたり液量を守りつつ、作業者ごとのバラつきを減らす(計量カップ固定、ノズル吐出の点検)。

    参考)http://jppa.or.jp/archive/pdf/55_02_36.pdf

  • 🗺️ 前年の被害(コブの多い畝・区画)を地図化し、翌年はその区画で「密度低減→定着」を厚めに組む。​

もう一つの意外な盲点は、「強い土壌消毒を毎年ルーチン化」してしまい、せっかく定着し始めた天敵微生物の蓄積を毎回リセットする設計です。

メーカー情報でも“施用後土壌に定着し、連作で数年にわたり菌密度が高くなり線虫被害を抑える”という考え方が示されているため、毎年同じ強度の消毒を打つのではなく、線虫密度と被害を見ながら強度を調整する発想が合います。

普及現場の指導を受けることが推奨されている点も踏まえ、導入初期ほど関係機関に相談し、圃場条件に合わせた体系を組むのが失敗を減らす近道です。

(製品の適用・使用方法の確認に有用:適用表・使用時期・使用方法がまとまっている)
パストリア水和剤 − 適用表・使用方法など詳細情報
(現場導入の注意点に有用:高密度で効きにくい、太陽熱処理や殺線虫剤との併用、定着・残効の考え方がまとまっている)
パスツーリア ペネトランス水和剤(特長・使い方)
(中長期の効果イメージに有用:連作5作目でD-D剤同等抑制という要約が読める)
Pasteuria penetransによる生物的防除(成果情報)




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