くず除草剤とグリホサート散布時期

くず除草剤の効き方は、散布時期と処理法で大きく変わります。グリホサートの茎葉散布、株頭注入、刈り取り後の体系処理まで、農業現場で迷いやすい判断を整理します。最短で再発を減らすには何から決めますか?

くず 除草剤

くず除草剤の全体像
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最初に決める3点

「場所(農地か非農地か)」「時期(夏か秋か)」「方法(茎葉散布か株頭処理か)」で失敗の大半が決まります。

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薬剤の効き方の違い

くずは多年生で塊根に養分を貯めるため、葉だけ枯れても再生します。根まで届く設計(移行性)とタイミングが重要です。

🛡️
安全・周辺影響

飛散(ドリフト)・水系流入・他作物への薬害を前提に計画します。防護具と作業動線を先に決めると事故が減ります。

くず 除草剤の発生と生育と塊根の関係


くずは多年生雑草で、種子だけでなく塊根(地下の太い根)でも増えるのが厄介な点です。
春に株頭や太いつるの節から芽を出して一気に伸び、夏に地上部を広げ、秋(8~9月頃の開花期以降)は地下の塊根にデンプンを多量に蓄え始めます。
ここが最大のポイントで、地上部の葉やつるが一時的に枯れても、塊根が生きていれば翌年また出ます。したがって「葉を枯らす」ではなく「地下部の再生力を削る」発想が必要です。
現場でよく起きる誤解として、「夏に強い薬を濃く撒けば早く終わる」があります。くずは生育段階で体内の養分の流れが変わるため、薬剤の“根への届きやすさ”も時期で変わります。


参考)301 Moved Permanently


また、つるが他の樹木や資材に複雑に絡むことで、散布ムラ・回収しにくさ・作業性低下が起き、機械防除だけでは労力に見合わないことが多いとされています。


参考)301 Moved Permanently

くず 除草剤の散布時期とグリホサートの注意点

くず対策で頻出するのがグリホサート系ですが、時期選定を外すと効率が大きく落ちます。
鳥取県農業試験場の資料では、7月上旬と9月上旬のフレールモア処理を行い、10月上旬にラウンドアップ(25倍液)を組み合わせる体系が「効率的」と整理されています。
同資料では、「夏までの処理」でラウンドアップ等のグリホサート系除草剤を使うと、「秋の処理」と比べてクズへの効果が極端に低いので推奨しない、と明確に注意されています。
つまり、グリホサートを“いつでも万能”と扱うのではなく、秋に寄せて「地下部へ向かう流れ」を利用するイメージが合理的です。


一方で、秋だけに寄せ過ぎると、秋の時点で既に蔓延して作業が破綻することがあります。資料でも「秋からの処理では遅く、夏までに処理を始めることが望ましい」とされ、早い段階から刈り払い等で勢いを落としておく前提が読み取れます。

実務上の目安(考え方)としては、次を押さえると判断が安定します。


  • 夏:地上部を減らして“次の作業ができる状態”を作る(刈り取り・フレールモア等で被覆をほどく)。
  • 秋:薬剤を効かせる本番(体系処理の薬剤工程をここに置く)。​
  • 散布後:再生株が出る前提で見回りし、取りこぼし株はスポット追加処理の余地を残す(同資料でもスポット追加処理の考え方が示されています)。​

くず 除草剤の茎葉散布と株頭注入の使い分け

くずの除草剤処理は、茎葉散布だけではなく、株頭滴下(株頭注入のように株元へ薬液を与える)も有効な選択肢として整理されています。
「つるが長すぎて散布面積が大きい」「周囲に枯らしたくない樹木・作物がありドリフトが怖い」「法面・林縁で全面散布が現実的でない」などの現場条件では、処理対象を株元に絞る発想が効いてきます。
使い分けの考え方は次の通りです。


  • 茎葉散布が向く:くずの葉面が十分にあり、薬液を均一に載せられる、周辺に薬害リスクが小さい、作業が短時間で済む。​
  • 株頭処理が向く:飛散させたくない、つるが絡み過ぎて葉面が狙えない、点で潰していきたい、再発株を確実に落としたい。​

意外と見落とされるのが「つるが混み合うほど、葉→根への移行が理屈通りに進まない」ケースです。葉が多いことは一見有利ですが、散布ムラ・薬液の乾き・重なりによる付着不良で、結果として“効いた葉だけ枯れて、株は残る”が起きます。

そのため、最初に刈って株元を見える化し、薬剤工程の精度(狙った場所に入れる)を上げる設計が、トータルでは省力になりやすいです。


くず 除草剤の刈り取りと体系処理(モア・バスタ・ラウンドアップ)

耕作放棄地などでくずが面で蔓延している場合、単発の散布より「刈り取り+薬剤+追跡」の体系処理が現実的です。
鳥取県農業試験場の体系例では、フレールモア(7月上旬、9月上旬)+ラウンドアップ(10月上旬、25倍液)の組み合わせが提示され、さらにモア処理の代替としてバスタ等の除草剤処理を組み込む体系も「有効」とされています。
また、モア処理後に薬剤を散布するタイミングが早すぎると、その後に再生してくる個体があるため「散布時期に留意」と明記されており、“刈ったら即散布”が常に正解ではない点は重要です。
ここから読み取れる実務ポイントは、「工程ごとの目的を分ける」ことです。


  • 1回目の処理:繁茂量を落とし、作業導線を作る(絡んだつるをほどき、地表が見える状態へ)。
  • 2回目の処理:再生力を削り、秋の薬剤工程の効率を上げる(再生した葉を“狙える葉”に整える)。​
  • 秋の薬剤工程:地下部へのダメージを最大化する狙いで実施する(時期の重要性が強調されています)。​

さらに、資料にはスポット追加処理(取りこぼし株、新しく再生した株のみ対象)の考え方もあり、「ゼロにする」より「面→点→ゼロ」の順で潰すのが現場的です。

くず 除草剤の独自視点:窒素固定で“肥えた雑草”になる対策

くずは根粒菌と共生して空中窒素を固定し、痩せた土地でもよく育つ能力があるとされています。
この性質は、放棄地・法面・造成地のように土が痩せていても、くずが先行して繁茂しやすい背景になります。
ここが独自視点として効いてくるのは、「刈って放置すると、刈草が有機物として残り、局所的に条件が良くなって翌年の再生を助ける」リスクを現場で意識できる点です(くず自体が“肥えた雑草”になり得る)。
対策は“薬剤の話”だけに閉じず、管理設計に落とし込みます。


  • 刈り取り後のつるは、可能なら集草・搬出して、株元の環境をこれ以上よくしない(作業性と再生抑制の両面)。​
  • 日当たりの良い林縁・法面が生育に適した環境とされるため、侵入経路(境界線)を決めて、まず外周から潰すと再侵入が減ります。​
  • くずは作業性を悪化させるほど絡むので、“1年で根絶”より“工程が回る状態を作る”ことを目標にした方が、結果として早く収束します。​

参考:クズの発生・生態(塊根にデンプンを蓄える、株頭から再生、茎葉散布や株頭滴下処理など防除法の整理)
https://boujo.net/handbook/newhandbook5/%E3%82%AF%E3%82%BA-2.html
参考:耕作放棄地での体系処理例(フレールモア2回+10月のラウンドアップ25倍液、夏のグリホサートは効果が低く推奨しない等)
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1018341/card2015-2.pdf




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