クローバーに「効かない」と感じる典型は、茎葉処理剤が葉から吸収される前に条件が崩れているケースです。MCPP液剤の注意事項でも、散布直後の降雨は効果を減じるため天候を見きわめること、低温時(10℃以下)の散布は効果が劣るため避けることが明記されています。つまり、同じ薬剤でも“散布した日”の気象条件で結果が変わります。
現場で起きがちな失敗例は次の通りです。
・散布後すぐに雨:葉に付着した薬液が流れて吸収が不足する。
・朝露が多い・夕方の湿り:薬液が薄まったり、滴下して葉に残らない。
・気温が低い:薬剤の作用が出にくく、反応が遅れて「効いてない」と判断しがち。
MCPP液剤の説明では、効果の発現は散布3日後あたりから“ねじれ”が出始め、約1週間で褐変、概ね2週間程度で効果が完成するとされています。よって、散布から数日で変化が薄い場合でも、まずは2週間程度の観察期間を確保し、それでも変化がないなら「条件か対象違い」を疑うのが合理的です。
参考リンク(散布直後の降雨・低温10℃以下回避・効果発現までの目安など、効かない原因の一次情報)
MCPP液剤【除草剤】の商品詳細・使い方(SDS) - 丸和…
芝生地でクローバーを枯らしたい場合、「芝も一緒に枯らす非選択性」か「芝を残して広葉だけ狙う選択性」かで、選ぶ薬剤と戦略が変わります。一般の除草剤は芝生も枯らしてしまうため、芝生では芝生専用除草剤を使うべきだ、という注意喚起があり、芝の種類(日本芝・西洋芝)で選択も変わるとされています。
例えばMCPP液剤は、適用表で日本芝・西洋芝(ブルーグラス)に対して「クローバー、畑地一年生広葉雑草」を対象に、雑草生育期の全面茎葉散布が示されています。ここがポイントで、クローバー“と思っていたもの”が別の広葉雑草だったり、芝地にイネ科雑草が混じって主因になっていると、MCPPの得意領域から外れます(MCPPはイネ科雑草には効果を発揮しない旨の記載があります)。
「効かない」を減らすための薬剤選定チェックは、次の3点が実務的です。
・作物(芝の種類)に適用があるか。
・適用雑草名に“クローバー”が明記されているか。
・使用時期が“雑草生育期”など現在の状態と合うか。
参考リンク(芝生専用除草剤の考え方、散布時期の目安、芝の種類で選ぶ重要性)
https://www.kohnan-eshop.com/shop/pages/lawn_rainbow.aspx
参考リンク(MCPPの適用表・対象雑草・散布の注意点、効かない時の要因例)
MCPP液剤【除草剤】の商品詳細・使い方(SDS) - 丸和…
同じ薬剤でも、面積当たりの薬量・水量が足りない、またはムラがあると効き目は極端に落ちます。MCPP液剤の解説では、葉や茎から吸収されるため「茎葉部に散布液が十分にかかることが必要」、草丈や発生密度で必要な散布液量が変わる、とされています。さらに霧状ノズルは粒が小さく散布水量が少なくなりやすく、結果として面積当たりの散布液が不十分になる注意もあります。
ここは農業従事者の“あるある”ですが、効かない現場ほど次が起きています。
・タンクの希釈倍数だけで作ってしまい、面積当たりの薬量が不足(または逆に過剰で薬害)。
・歩速が速く、実際の散布量が薄い。
・風で飛散し、狙いの葉に当たっていない。
・クローバーが密集していて下葉に届かない(表面だけ濡れる)。
改善策は「面積基準で設計して、ムラを潰す」ことです。MCPP液剤でも、希釈倍数で判断せず“面積当たりの薬量と希釈水量”で適切な散布量を決めるよう説明されています。まず散布面積を測り、噴霧器容量に合わせて、何㎡を何Lで撒くか(=自分の歩き方の散布量)を一度だけでもキャリブレーションすると再現性が上がります。
参考リンク(散布液の当て方・水量の考え方・霧ノズル注意など、効かない要因の具体例)
MCPP液剤【除草剤】の商品詳細・使い方(SDS) - 丸和…
意外に効き目を落とすのが「刈り込みのタイミング」です。茎葉処理剤は葉から吸収させる設計なので、散布前に刈ってしまうと“吸収させる面積”を自分で減らすことになります。MCPP液剤のQ&Aでも、散布前に刈り込むと雑草の茎葉部も刈って散布液が付着しにくくなるため、刈り込みは散布後に効果発現を確認してから行うのがよい、とされています。
農地周辺の管理地や畦畔で、草刈りと薬剤散布を同日に詰め込みたくなる場面ほど要注意です。草刈り直後は切り口が乾きやすい一方で、葉が少ないので薬液が保持されず、結果として根まで移行する量が不足します。「散布→待つ→刈る」の順に変えるだけで、体感で効きが変わることがあります。
また、散布後すぐに踏み荒らすと薬液が落ちたり、均一性が崩れてムラの原因になります。芝生管理の情報でも、粒剤散布後は歩き回ると薬剤が散ってムラの原因になるので当日は入らないように、という趣旨の注意が紹介されています(液剤でも“不要な踏み込み”は同様に不利です)。
参考リンク(散布前の刈り込みが不利、散布後に確認してから刈るという実務指針)
MCPP液剤【除草剤】の商品詳細・使い方(SDS) - 丸和…
参考リンク(芝管理での散布時期・散布後の立ち入り配慮など、ムラを避ける考え方)
https://www.kohnan-eshop.com/shop/pages/lawn_rainbow.aspx
検索上位は「どう枯らすか」に寄りがちですが、現場では“枯らした後に何が起きるか”まで設計しないと、翌月にまた「効かない」を繰り返します。クローバーは繁殖力が高く、地中に広がった根からも芽吹いて株を増やす、とされており、地上部が弱っても回復しやすい性質があります。つまり、単発の散布で地上部が一度弱っても、裸地ができると別の雑草も含めて再侵入し、結果として「効かなかった」と感じやすい構造が残ります。
そこで独自視点としては、除草を「薬剤の強さ」ではなく「植生の穴を埋める工程」として組み直すのが有効です。例えば芝地なら、芝の密度を上げて隙間を減らすことで雑草の発生が少なくなる、という方向性が示されています。逆に芝が弱って隙間が多い圃場周辺では、クローバーが“雑草”としても“被覆植物”としても成立し得るため、目的(景観、作業性、他作物への影響、訪花昆虫の誘引など)を言語化してから防除強度を決めるとブレません。
現場での実装例(大きく外さず、でも発想を変える案)
・「全面根絶」ではなく「境界線を作る」:作業導線・畦畔の肩だけを確実に抑え、他は低草丈で管理する。
・「単回」ではなく「観察→追い散布」:2週間観察し、ムラや残草部だけをスポット補正して面積当たり薬量を守る。
・「裸地を作らない」:防除後に芝の更新管理(目土、刈り高の適正化)で隙間を減らす。
参考リンク(クローバーの繁殖力・根からの芽吹き、芝地では密度管理が重要という考え方)
https://www.seikatsu110.jp/library/garden/gd_mowing/159419/
参考リンク(芝のメンテナンスと雑草防除の位置づけ、隙間を減らす管理の方向性)
https://www.kohnan-eshop.com/shop/pages/lawn_rainbow.aspx