「後期除草剤を撒くと逆に収量が下がることがあるんです。」
後期除草剤は、雑草の成長ステージを正確に見極めて使用する必要があります。特にコナギやホタルイなど後発生雑草は、草丈が10cm程度になる前に散布するのが基本です。遅れると、根まで枯れず再生します。
つまりタイミングがすべてです。
気象庁の観測によると、平均気温が25℃を超える日が続くと、草の生育速度は約1.4倍に上がります。そのため、散布予定を固定せず「草丈チェック後に実施」が効果的です。除草剤は万能ではないということですね。
代表的な成分には、ピラゾスルフロンエチルやベンスルフロンメチルなどがあります。これらは「SU剤」と呼ばれ、広範囲の雑草に効くのが特徴です。ですが、ここに落とし穴があります。SU抵抗性のミズアオイに対しては実際に効果が出ないケースが全国で増加しています。
九州農試の調べでは、SU抵抗性雑草が確認された圃場は2018年から2024年で約5倍に増加。つまり、同じ除草剤を使い続けると確実に効きにくくなるということです。
解決策は、作用機作の異なる混合剤(例:ピラクロニル系やカルフェントラゾン系)を交互に使うローテーション防除です。
「除草剤は撒いたら終わり」と思っている方も多いですが、実はそこが収量低下の原因です。
特に、除草剤散布後3日以内に落水した場合、成分が流出して80%以上の効果損失が起きることが確認されています(農研機構データより)。
つまり、水持ち管理が鍵です。
理想は水深5cmを一定に保つこと。浅すぎると薬剤が風や日光で分解され、深すぎると酸素不足で根腐れのリスクが上がります。水管理のバランスが難しいですが、ここを安定させると収量差が歴然です。
ドローン散布やGPS自動走行機の導入で、後期除草作業の労働時間を40%削減できるという報告があります。特に田面積が10ha以上の経営体では、人力との差が顕著に出ます。
いいことですね。
2025年モデルのヤンマーAGRAS MG-1のような散布機は、1haあたり約6分で均一に薬剤を散布可能です。速度と精度が両立するため、ムラによる薬害も防げます。つまり、精密農業との融合が「除草効果の再現性」を高める時代なのです。
一方で、環境面の注意も必要です。農林水産省の調査によると、水田排水による除草剤の環境残留報告は年間約120件。特にSU剤は微量でも水生生物への影響が指摘されています。
これは痛いですね。
近年では「低残留型除草剤」や「緩効性製剤」が登場し、これを使うことで排水濃度を約60%低減可能です。少し高価(1haあたり+2,000円程度)ですが、環境負荷と評判リスクを考えれば十分価値があります。
つまり、今後は「環境対応=収益維持」の時代です。エコで強い農業が生き残るということですね。
後期除草剤の基礎情報や抵抗性雑草対策をより深く知るには、以下の農研機構資料が参考になります。
除草剤の作用機構や雑草別防除例を詳細に解説しています。