過リン酸石灰の量は、土壌診断とほかの肥料から入るリン酸を確認し、不足するリン酸量を製品の成分率で割って決めます。「可溶性17.5%・内水溶性14.5%」は合計32%ではありません。局所施用も、根へ直接触れさせる方法ではなく、必要量を決めた土層へ配置する技術です。

過リン酸石灰は、まず土壌診断と施肥設計で必要なリン酸量を決め、その量を製品の成分率で換算して使います。「根に近いほどよい」ではなく、必要量を、根が伸びる土層へ安全に配置することが基本です。
追肥に使用可能な製品でも、土中で動きにくいリン酸を畝の表面へ追加するだけでは、必要な根域への供給にならない場合があります。初期生育不良を見たら、追加施用の前に、土のリン酸量と地温・水分・根傷みを確認してください。出典:製品の使用条件、施用位置と覆土の説明。
関連用語・資料:元肥 / 追肥 / 定植 / 播種 / 化学肥料(単肥)の種類と特徴・使い方 / イトウさんのちょっとためになる農業情報 第47回 土壌診断#7『土壌改良資材とpH』|アグリノート / 硫酸カルシウム / 【今さら聞けない安い単肥の話】 石灰の話 - 現代農業WEB / BSI生物科学研究所「肥料施用学」過りん酸石灰(性質・混合注意)
毎年リン酸を入れるかどうかは、土の蓄積量で変えられます。熊本県は夏まきキャベツで、厚層腐植質黒ボク土、品種「彩里」を用い、平成22~23年の試験を基に次の結果を公表しています。分析はトルオーグ法、単位はmg/100g乾土です。
ここで減らしたのはリン酸で、窒素やカリまで無施用にしたわけではありません。また、25という値を別の作物、春まき作型、異なる分析法へそのまま移せません。診断票がmg/kg表示なら、15mg/100gは150mg/kgに相当しますが、単位を換算しても分析法の違いまでは解消されません。熊本県の試験原資料
例えば、同じ分析法で診断した夏まきキャベツの土が18mg/100g乾土だったとします。この試験条件を参考にリン酸10kg/10aを設計値とし、ほかの肥料からすでにリン酸6kg/10aを供給するなら、単肥で補う残りは4kg/10aです。土壌分析値18を、そのまま必要肥料18kgと読むのではありません。
この仮定で可溶性リン酸17.5%の製品を使う場合、4÷0.175=約22.9kg/10aです。これは土壌診断から設計した量と、既投入成分が上記の仮定どおりの場合の計算であり、キャベツ全般の固定推奨量ではありません。堆肥も投入する場合は、そのリン酸供給の評価を先に設計へ反映します。計算に使った製品の成分資料
関連用語・資料:施肥 / 堆肥 / 圃場 / 夏まきキャベツ栽培における土壌診断に基づいたリン酸肥料の削減 / 神奈川県作物別施肥基準|神奈川県[PDF] / 日本土壌協会 土壌診断資料(リン酸過剰と他要素)
ラベルに「可溶性りん酸17.5%、内水溶性りん酸14.5%」とあれば、14.5%は17.5%に含まれる内数です。17.5+14.5=32%とは計算しません。カネヤマの「粒状過りん酸石灰17.5」の公開資料で、この表示を確認できます。
通常の施肥設計で、補うリン酸量に対応する保証成分が可溶性リン酸なら、製品量=必要リン酸量÷0.175で計算します。水溶性リン酸だけを対象とした特殊な設計を、通常のリン酸施肥量と混同しないでください。また、リン酸量はP2O5として扱い、元素のリンPの量と混ぜません。出典:カネヤマの製品成分資料、神奈川県の肥料成分表・P2O5表示。
過リン酸石灰に含まれる石こうは、酸度矯正に使う石灰資材と同じ役割ではありません。pHが低いから過リン酸石灰を増やすのではなく、pH調整の必要性とリン酸の必要量を別々に決めます。石こうと土壌pHの説明
「同じ畑で使う」「散布直前に直接混ぜる」「混ぜて保管する」は別の判断です。土壌診断に基づいて石灰資材とリン酸肥料を同じ作に使うことが必要でも、両者を一袋に混ぜてよいことにはなりません。
pH調整が必要なら、まず診断から石灰資材と量を決め、資材の使用条件に従って土へ混和します。その後、リン酸は別に必要量を計算して施します。何日空ければ全資材で安全という一律の日数は設定せず、少なくとも濃い資材同士を植え穴で直接混ぜない、混合品を保管しない、という操作を守ります。
出典:神奈川県の肥料配合可否表・難溶化の説明、製品のアルカリ肥料との混合禁止表示、吸湿・固結と施用上の注意。
関連用語・資料:草木灰 / 火山灰土壌 / リン酸肥料の効果と種類について
局所施用を選ぶなら、「どれだけ根に近づけるか」ではなく、「どの幅の土層に、どの総量を分布させるか」を決めます。道総研などの2010~2012年度研究では、キャベツのリン酸を幅20cmの畦内全層に施すことで、本圃のリン酸量を半減できると報告しています。苗の根に肥料粒を直接押し付けた試験ではありません。
この50%は、北海道の試験に基づく技術です。熊本県の土壌診断による半減・無施用の結果と数字だけを掛け合わせ、どの畑でも75%削減できるとは書けません。土壌診断による設計と局所施用を一体で示した、採用地域の指針に沿って使います。道総研等の共同研究成果・減肥手順
植え穴の底に濃い肥料や肥料入り堆肥を固め、その上へ根鉢を直接載せる方法は避けます。下層施肥なら肥料を覆土してから植え、畦内全層施肥なら決めた土層へ分布させます。過リン酸石灰と堆肥を組み合わせることは、肥料の総量制限や根を守る配置を不要にするものではありません。下層施肥と覆土の説明
関連用語・資料:多肥 / 日本土壌協会の土壌診断資料[PDF]
朝日アグリア 過燐酸石灰 700g

過リン酸石灰は、まず土壌診断と施肥設計で必要なリン酸量を決め、その量を製品の成分率で換算して使います。「根に近いほどよい」ではなく、必要量を、根が伸びる土層へ安全に配置することが基本です。
追肥に使用可能な製品でも、土中で動きにくいリン酸を畝の表面へ追加するだけでは、必要な根域への供給にならない場合があります。初期生育不良を見たら、追加施用の前に、土のリン酸量と地温・水分・根傷みを確認してください。出典:製品の使用条件、施用位置と覆土の説明。
関連用語・資料:元肥 / 追肥 / 定植 / 播種 / 化学肥料(単肥)の種類と特徴・使い方 / イトウさんのちょっとためになる農業情報 第47回 土壌診断#7『土壌改良資材とpH』|アグリノート / 硫酸カルシウム / 【今さら聞けない安い単肥の話】 石灰の話 - 現代農業WEB / BSI生物科学研究所「肥料施用学」過りん酸石灰(性質・混合注意)
過リン酸石灰 使い方 土壌診断 リン酸 過剰毎年リン酸を入れるかどうかは、土の蓄積量で変えられます。熊本県は夏まきキャベツで、厚層腐植質黒ボク土、品種「彩里」を用い、平成22~23年の試験を基に次の結果を公表しています。分析はトルオーグ法、単位はmg/100g乾土です。
ここで減らしたのはリン酸で、窒素やカリまで無施用にしたわけではありません。また、25という値を別の作物、春まき作型、異なる分析法へそのまま移せません。診断票がmg/kg表示なら、15mg/100gは150mg/kgに相当しますが、単位を換算しても分析法の違いまでは解消されません。熊本県の試験原資料
例えば、同じ分析法で診断した夏まきキャベツの土が18mg/100g乾土だったとします。この試験条件を参考にリン酸10kg/10aを設計値とし、ほかの肥料からすでにリン酸6kg/10aを供給するなら、単肥で補う残りは4kg/10aです。土壌分析値18を、そのまま必要肥料18kgと読むのではありません。
この仮定で可溶性リン酸17.5%の製品を使う場合、4÷0.175=約22.9kg/10aです。これは土壌診断から設計した量と、既投入成分が上記の仮定どおりの場合の計算であり、キャベツ全般の固定推奨量ではありません。堆肥も投入する場合は、そのリン酸供給の評価を先に設計へ反映します。計算に使った製品の成分資料
関連用語・資料:施肥 / 堆肥 / 圃場 / 夏まきキャベツ栽培における土壌診断に基づいたリン酸肥料の削減 / 神奈川県作物別施肥基準|神奈川県[PDF] / 日本土壌協会 土壌診断資料(リン酸過剰と他要素)
過リン酸石灰 使い方 水溶性 可溶性 石こうラベルに「可溶性りん酸17.5%、内水溶性りん酸14.5%」とあれば、14.5%は17.5%に含まれる内数です。17.5+14.5=32%とは計算しません。カネヤマの「粒状過りん酸石灰17.5」の公開資料で、この表示を確認できます。
通常の施肥設計で、補うリン酸量に対応する保証成分が可溶性リン酸なら、製品量=必要リン酸量÷0.175で計算します。水溶性リン酸だけを対象とした特殊な設計を、通常のリン酸施肥量と混同しないでください。また、リン酸量はP2O5として扱い、元素のリンPの量と混ぜません。出典:カネヤマの製品成分資料、神奈川県の肥料成分表・P2O5表示。
過リン酸石灰に含まれる石こうは、酸度矯正に使う石灰資材と同じ役割ではありません。pHが低いから過リン酸石灰を増やすのではなく、pH調整の必要性とリン酸の必要量を別々に決めます。石こうと土壌pHの説明
過リン酸石灰 使い方 混合 注意 石灰 草木灰「同じ畑で使う」「散布直前に直接混ぜる」「混ぜて保管する」は別の判断です。土壌診断に基づいて石灰資材とリン酸肥料を同じ作に使うことが必要でも、両者を一袋に混ぜてよいことにはなりません。
pH調整が必要なら、まず診断から石灰資材と量を決め、資材の使用条件に従って土へ混和します。その後、リン酸は別に必要量を計算して施します。何日空ければ全資材で安全という一律の日数は設定せず、少なくとも濃い資材同士を植え穴で直接混ぜない、混合品を保管しない、という操作を守ります。
出典:神奈川県の肥料配合可否表・難溶化の説明、製品のアルカリ肥料との混合禁止表示、吸湿・固結と施用上の注意。
関連用語・資料:草木灰 / 火山灰土壌 / リン酸肥料の効果と種類について
過リン酸石灰の局所施用と根を守る配置
局所施用を選ぶなら、「どれだけ根に近づけるか」ではなく、「どの幅の土層に、どの総量を分布させるか」を決めます。道総研などの2010~2012年度研究では、キャベツのリン酸を幅20cmの畦内全層に施すことで、本圃のリン酸量を半減できると報告しています。苗の根に肥料粒を直接押し付けた試験ではありません。
この50%は、北海道の試験に基づく技術です。熊本県の土壌診断による半減・無施用の結果と数字だけを掛け合わせ、どの畑でも75%削減できるとは書けません。土壌診断による設計と局所施用を一体で示した、採用地域の指針に沿って使います。道総研等の共同研究成果・減肥手順
植え穴の底に濃い肥料や肥料入り堆肥を固め、その上へ根鉢を直接載せる方法は避けます。下層施肥なら肥料を覆土してから植え、畦内全層施肥なら決めた土層へ分布させます。過リン酸石灰と堆肥を組み合わせることは、肥料の総量制限や根を守る配置を不要にするものではありません。下層施肥と覆土の説明
関連用語・資料:多肥 / 日本土壌協会の土壌診断資料[PDF]