過リン酸石灰 使い方 元肥 追肥 土壌診断

過リン酸石灰の使い方を、元肥・追肥の考え方と土壌診断の読み方から整理し、混用注意や効かせ方のコツまで現場目線でまとめます。リン酸を無駄にせず初期生育を伸ばすには何から見直しますか?

過リン酸石灰 使い方

過リン酸石灰の量は、土壌診断とほかの肥料から入るリン酸を確認し、不足するリン酸量を製品の成分率で割って決めます。「可溶性17.5%・内水溶性14.5%」は合計32%ではありません。局所施用も、根へ直接触れさせる方法ではなく、必要量を決めた土層へ配置する技術です。

過リン酸石灰 使い方 元肥 追肥 基本

過リン酸石灰 使い方 元肥 追肥 基本過リン酸石灰は、まず土壌診断と施肥設計で必要なリン酸量を決め、その量を製品の成分率で換算して使います。「根に近いほどよい」ではなく、必要量を、根が伸びる土層へ安全に配置することが基本です。

  1. 作付け前に、土壌診断の有効態リン酸、分析法、単位を確認します。
  2. 地域・作物の基準に沿って今回のリン酸量を決め、すでに入れる配合肥料や堆肥からの供給分を差し引きます。
  3. 不足分を過リン酸石灰の製品量に換算し、全面施用か、試験で条件が確かめられた局所施用を選びます。
  4. 施用時は、植え穴に肥料を山盛りにして根鉢を載せません。土に分布させるか、下層・側方に置いて覆土し、苗の根へ濃い肥料を直接接触させない配置にします。

追肥に使用可能な製品でも、土中で動きにくいリン酸を畝の表面へ追加するだけでは、必要な根域への供給にならない場合があります。初期生育不良を見たら、追加施用の前に、土のリン酸量と地温・水分・根傷みを確認してください。出典:製品の使用条件、施用位置と覆土の説明。

関連用語・資料:元肥 / 追肥 / 定植 / 播種 / 化学肥料(単肥)の種類と特徴・使い方 / イトウさんのちょっとためになる農業情報 第47回 土壌診断#7『土壌改良資材とpH』|アグリノート / 硫酸カルシウム / 【今さら聞けない安い単肥の話】 石灰の話 - 現代農業WEB / BSI生物科学研究所「肥料施用学」過りん酸石灰(性質・混合注意)

過リン酸石灰 使い方 土壌診断 リン酸 過剰

毎年リン酸を入れるかどうかは、土の蓄積量で変えられます。熊本県は夏まきキャベツで、厚層腐植質黒ボク土、品種「彩里」を用い、平成22~23年の試験を基に次の結果を公表しています。分析はトルオーグ法、単位はmg/100g乾土です。

  • 有効態リン酸15mg/100g乾土以上:リン酸を標準20kg/10aから10kg/10aへ半減しても、目標約5t/10aを確保しました。
  • 有効態リン酸25mg/100g乾土を超える土壌:リン酸無施用でも同じ目標収量を確保しました。
  • 有効態リン酸10mg/100g乾土以下:標準量を施しても目標収量に届かない結果でした。「足りない土でも一律に減らせる」という試験ではありません。

ここで減らしたのはリン酸で、窒素やカリまで無施用にしたわけではありません。また、25という値を別の作物、春まき作型、異なる分析法へそのまま移せません。診断票がmg/kg表示なら、15mg/100gは150mg/kgに相当しますが、単位を換算しても分析法の違いまでは解消されません。熊本県の試験原資料
例えば、同じ分析法で診断した夏まきキャベツの土が18mg/100g乾土だったとします。この試験条件を参考にリン酸10kg/10aを設計値とし、ほかの肥料からすでにリン酸6kg/10aを供給するなら、単肥で補う残りは4kg/10aです。土壌分析値18を、そのまま必要肥料18kgと読むのではありません。
この仮定で可溶性リン酸17.5%の製品を使う場合、4÷0.175=約22.9kg/10aです。これは土壌診断から設計した量と、既投入成分が上記の仮定どおりの場合の計算であり、キャベツ全般の固定推奨量ではありません。堆肥も投入する場合は、そのリン酸供給の評価を先に設計へ反映します。計算に使った製品の成分資料

関連用語・資料:施肥 / 堆肥 / 圃場 / 夏まきキャベツ栽培における土壌診断に基づいたリン酸肥料の削減 / 神奈川県作物別施肥基準|神奈川県[PDF] / 日本土壌協会 土壌診断資料(リン酸過剰と他要素)

過リン酸石灰 使い方 水溶性 可溶性 石こう

ラベルに「可溶性りん酸17.5%、内水溶性りん酸14.5%」とあれば、14.5%は17.5%に含まれる内数です。17.5+14.5=32%とは計算しません。カネヤマの「粒状過りん酸石灰17.5」の公開資料で、この表示を確認できます。

  • 製品100g:可溶性リン酸17.5g。そのうち水溶性として14.5g。
  • 製品20kg:可溶性リン酸3.5kg。そのうち水溶性として2.9kg。
  • 可溶性リン酸として35gを供給する仮定:35÷0.175=製品200g。

通常の施肥設計で、補うリン酸量に対応する保証成分が可溶性リン酸なら、製品量=必要リン酸量÷0.175で計算します。水溶性リン酸だけを対象とした特殊な設計を、通常のリン酸施肥量と混同しないでください。また、リン酸量はP2O5として扱い、元素のリンPの量と混ぜません。出典:カネヤマの製品成分資料、神奈川県の肥料成分表・P2O5表示。
過リン酸石灰に含まれる石こうは、酸度矯正に使う石灰資材と同じ役割ではありません。pHが低いから過リン酸石灰を増やすのではなく、pH調整の必要性とリン酸の必要量を別々に決めます。石こうと土壌pHの説明

過リン酸石灰 使い方 混合 注意 石灰 草木灰

「同じ畑で使う」「散布直前に直接混ぜる」「混ぜて保管する」は別の判断です。土壌診断に基づいて石灰資材とリン酸肥料を同じ作に使うことが必要でも、両者を一袋に混ぜてよいことにはなりません。

  • 完熟堆肥との併用:過リン酸石灰の製品資料や神奈川県の施肥資料には、堆肥との併用・混合施用の説明があります。ただし、堆肥が持つリン酸も施肥設計へ算入します。未熟資材を植え穴に詰めて安全に使えるという意味ではありません。
  • 生石灰・消石灰・草木灰との直接混合:避けます。神奈川県の配合可否表では、過石と生石灰・消石灰は配合不可で、草木灰も同じ区分に準じます。
  • 炭酸カルシウムなどの石灰資材:生石灰と全く同じ区分ではありませんが、水溶性リン酸の難溶化など成分変化に注意する組み合わせです。使用製品の混合禁止表示があれば、それを優先します。
  • 混合して作り置き・保管:その場での併用を根拠に行いません。化学変化に加えて吸湿・固結の問題もあるため、原袋で別々に保管し、必要量を使用時に扱います。

pH調整が必要なら、まず診断から石灰資材と量を決め、資材の使用条件に従って土へ混和します。その後、リン酸は別に必要量を計算して施します。何日空ければ全資材で安全という一律の日数は設定せず、少なくとも濃い資材同士を植え穴で直接混ぜない、混合品を保管しない、という操作を守ります。
出典:神奈川県の肥料配合可否表・難溶化の説明、製品のアルカリ肥料との混合禁止表示、吸湿・固結と施用上の注意。

関連用語・資料:草木灰 / 火山灰土壌 / リン酸肥料の効果と種類について

過リン酸石灰の局所施用と根を守る配置

局所施用を選ぶなら、「どれだけ根に近づけるか」ではなく、「どの幅の土層に、どの総量を分布させるか」を決めます。道総研などの2010~2012年度研究では、キャベツのリン酸を幅20cmの畦内全層に施すことで、本圃のリン酸量を半減できると報告しています。苗の根に肥料粒を直接押し付けた試験ではありません。

  1. 最初に土壌診断に基づく本圃リン酸量Aを決めます。
  2. このキャベツの畦内全層施肥を採用する場合、当該指針ではAの50%を削減します。例えばAが10kg/10aなら、本圃リン酸は5kg/10aです。
  3. 5kg/10aを可溶性リン酸17.5%の製品で供給する仮定なら、5÷0.175=約28.6kg/10a。さらに全面へ同量を施すのではなく、この量を局所施用分として扱います。
  4. 育苗ポット内増肥など、別の局所施肥法の削減量まで自動的に重ねません。原資料は、作物ごとに局所施肥法のいずれか一つを選ぶ手順です。

この50%は、北海道の試験に基づく技術です。熊本県の土壌診断による半減・無施用の結果と数字だけを掛け合わせ、どの畑でも75%削減できるとは書けません。土壌診断による設計と局所施用を一体で示した、採用地域の指針に沿って使います。道総研等の共同研究成果・減肥手順
植え穴の底に濃い肥料や肥料入り堆肥を固め、その上へ根鉢を直接載せる方法は避けます。下層施肥なら肥料を覆土してから植え、畦内全層施肥なら決めた土層へ分布させます。過リン酸石灰と堆肥を組み合わせることは、肥料の総量制限や根を守る配置を不要にするものではありません。下層施肥と覆土の説明

関連用語・資料:多肥 / 日本土壌協会の土壌診断資料[PDF]

朝日アグリア 過燐酸石灰 700g
過リン酸石灰 使い方 元肥 追肥 基本<a href=過リン酸石灰 使い方 元肥 追肥 基本過リン酸石灰は、まず土壌診断と施肥設計で必要なリン酸量を決め、その量を製品の成分率で換算して使います。「根に近いほどよい」ではなく、必要量を、根が伸びる土層へ安全に配置することが基本です。

  1. 作付け前に、土壌診断の有効態リン酸、分析法、単位を確認します。
  2. 地域・作物の基準に沿って今回のリン酸量を決め、すでに入れる配合肥料や堆肥からの供給分を差し引きます。
  3. 不足分を過リン酸石灰の製品量に換算し、全面施用か、試験で条件が確かめられた局所施用を選びます。
  4. 施用時は、植え穴に肥料を山盛りにして根鉢を載せません。土に分布させるか、下層・側方に置いて覆土し、苗の根へ濃い肥料を直接接触させない配置にします。

追肥に使用可能な製品でも、土中で動きにくいリン酸を畝の表面へ追加するだけでは、必要な根域への供給にならない場合があります。初期生育不良を見たら、追加施用の前に、土のリン酸量と地温・水分・根傷みを確認してください。出典:製品の使用条件、施用位置と覆土の説明。

関連用語・資料:元肥 / 追肥 / 定植 / 播種 / 化学肥料(単肥)の種類と特徴・使い方 / イトウさんのちょっとためになる農業情報 第47回 土壌診断#7『土壌改良資材とpH』|アグリノート / 硫酸カルシウム / 【今さら聞けない安い単肥の話】 石灰の話 - 現代農業WEB / BSI生物科学研究所「肥料施用学」過りん酸石灰(性質・混合注意)

過リン酸石灰 使い方 土壌診断 リン酸 過剰毎年リン酸を入れるかどうかは、土の蓄積量で変えられます。熊本県は夏まきキャベツで、厚層腐植質黒ボク土、品種「彩里」を用い、平成22~23年の試験を基に次の結果を公表しています。分析はトルオーグ法、単位はmg/100g乾土です。

  • 有効態リン酸15mg/100g乾土以上:リン酸を標準20kg/10aから10kg/10aへ半減しても、目標約5t/10aを確保しました。
  • 有効態リン酸25mg/100g乾土を超える土壌:リン酸無施用でも同じ目標収量を確保しました。
  • 有効態リン酸10mg/100g乾土以下:標準量を施しても目標収量に届かない結果でした。「足りない土でも一律に減らせる」という試験ではありません。

ここで減らしたのはリン酸で、窒素やカリまで無施用にしたわけではありません。また、25という値を別の作物、春まき作型、異なる分析法へそのまま移せません。診断票がmg/kg表示なら、15mg/100gは150mg/kgに相当しますが、単位を換算しても分析法の違いまでは解消されません。熊本県の試験原資料
例えば、同じ分析法で診断した夏まきキャベツの土が18mg/100g乾土だったとします。この試験条件を参考にリン酸10kg/10aを設計値とし、ほかの肥料からすでにリン酸6kg/10aを供給するなら、単肥で補う残りは4kg/10aです。土壌分析値18を、そのまま必要肥料18kgと読むのではありません。
この仮定で可溶性リン酸17.5%の製品を使う場合、4÷0.175=約22.9kg/10aです。これは土壌診断から設計した量と、既投入成分が上記の仮定どおりの場合の計算であり、キャベツ全般の固定推奨量ではありません。堆肥も投入する場合は、そのリン酸供給の評価を先に設計へ反映します。計算に使った製品の成分資料

関連用語・資料:施肥 / 堆肥 / 圃場 / 夏まきキャベツ栽培における土壌診断に基づいたリン酸肥料の削減 / 神奈川県作物別施肥基準|神奈川県[PDF] / 日本土壌協会 土壌診断資料(リン酸過剰と他要素)

過リン酸石灰 使い方 水溶性 可溶性 石こうラベルに「可溶性りん酸17.5%、内水溶性りん酸14.5%」とあれば、14.5%は17.5%に含まれる内数です。17.5+14.5=32%とは計算しません。カネヤマの「粒状過りん酸石灰17.5」の公開資料で、この表示を確認できます。

  • 製品100g:可溶性リン酸17.5g。そのうち水溶性として14.5g。
  • 製品20kg:可溶性リン酸3.5kg。そのうち水溶性として2.9kg。
  • 可溶性リン酸として35gを供給する仮定:35÷0.175=製品200g。

通常の施肥設計で、補うリン酸量に対応する保証成分が可溶性リン酸なら、製品量=必要リン酸量÷0.175で計算します。水溶性リン酸だけを対象とした特殊な設計を、通常のリン酸施肥量と混同しないでください。また、リン酸量はP2O5として扱い、元素のリンPの量と混ぜません。出典:カネヤマの製品成分資料、神奈川県の肥料成分表・P2O5表示。
過リン酸石灰に含まれる石こうは、酸度矯正に使う石灰資材と同じ役割ではありません。pHが低いから過リン酸石灰を増やすのではなく、pH調整の必要性とリン酸の必要量を別々に決めます。石こうと土壌pHの説明
過リン酸石灰 使い方 混合 注意 石灰 草木灰「同じ畑で使う」「散布直前に直接混ぜる」「混ぜて保管する」は別の判断です。土壌診断に基づいて石灰資材とリン酸肥料を同じ作に使うことが必要でも、両者を一袋に混ぜてよいことにはなりません。

  • 完熟堆肥との併用:過リン酸石灰の製品資料や神奈川県の施肥資料には、堆肥との併用・混合施用の説明があります。ただし、堆肥が持つリン酸も施肥設計へ算入します。未熟資材を植え穴に詰めて安全に使えるという意味ではありません。
  • 生石灰・消石灰・草木灰との直接混合:避けます。神奈川県の配合可否表では、過石と生石灰・消石灰は配合不可で、草木灰も同じ区分に準じます。
  • 炭酸カルシウムなどの石灰資材:生石灰と全く同じ区分ではありませんが、水溶性リン酸の難溶化など成分変化に注意する組み合わせです。使用製品の混合禁止表示があれば、それを優先します。
  • 混合して作り置き・保管:その場での併用を根拠に行いません。化学変化に加えて吸湿・固結の問題もあるため、原袋で別々に保管し、必要量を使用時に扱います。

pH調整が必要なら、まず診断から石灰資材と量を決め、資材の使用条件に従って土へ混和します。その後、リン酸は別に必要量を計算して施します。何日空ければ全資材で安全という一律の日数は設定せず、少なくとも濃い資材同士を植え穴で直接混ぜない、混合品を保管しない、という操作を守ります。
出典:神奈川県の肥料配合可否表・難溶化の説明、製品のアルカリ肥料との混合禁止表示、吸湿・固結と施用上の注意。

関連用語・資料:草木灰 / 火山灰土壌 / リン酸肥料の効果と種類について

過リン酸石灰の局所施用と根を守る配置局所施用を選ぶなら、「どれだけ根に近づけるか」ではなく、「どの幅の土層に、どの総量を分布させるか」を決めます。道総研などの2010~2012年度研究では、キャベツのリン酸を幅20cmの畦内全層に施すことで、本圃のリン酸量を半減できると報告しています。苗の根に肥料粒を直接押し付けた試験ではありません。

  1. 最初に土壌診断に基づく本圃リン酸量Aを決めます。
  2. このキャベツの畦内全層施肥を採用する場合、当該指針ではAの50%を削減します。例えばAが10kg/10aなら、本圃リン酸は5kg/10aです。
  3. 5kg/10aを可溶性リン酸17.5%の製品で供給する仮定なら、5÷0.175=約28.6kg/10a。さらに全面へ同量を施すのではなく、この量を局所施用分として扱います。
  4. 育苗ポット内増肥など、別の局所施肥法の削減量まで自動的に重ねません。原資料は、作物ごとに局所施肥法のいずれか一つを選ぶ手順です。

この50%は、北海道の試験に基づく技術です。熊本県の土壌診断による半減・無施用の結果と数字だけを掛け合わせ、どの畑でも75%削減できるとは書けません。土壌診断による設計と局所施用を一体で示した、採用地域の指針に沿って使います。道総研等の共同研究成果・減肥手順
植え穴の底に濃い肥料や肥料入り堆肥を固め、その上へ根鉢を直接載せる方法は避けます。下層施肥なら肥料を覆土してから植え、畦内全層施肥なら決めた土層へ分布させます。過リン酸石灰と堆肥を組み合わせることは、肥料の総量制限や根を守る配置を不要にするものではありません。下層施肥と覆土の説明

関連用語・資料:多肥 / 日本土壌協会の土壌診断資料[PDF]

朝日アグリア 過燐酸石灰 700g" />