乗用田植機の選び方と中古相場と直進アシスト

乗用田植機を導入するとき、条数や株間設定、直進アシストの有無、中古相場、整備ポイントまで一気に判断できるように整理します。今の作付けと圃場条件に最適な1台はどれでしょうか?

乗用田植機の選び方と中古相場と直進アシスト

乗用田植機の導入前に押さえる要点
📏
株間・条間・深さが収量と作業性を左右

疎植や浅植えなど「植付け設定」を先に決めると、必要な条数・機能・苗条件が逆算できます。

🧰
中古は相場だけでなく消耗部の確認が必須

価格帯は広く、整備履歴と部品の摩耗で“安い理由”が分かれます。

🛰️
直進アシストは疲労低減と精度の投資

GPSやジャイロで直進を支援し、条の直線性が後工程の除草・施肥・収穫の効率に波及します。

乗用田植機の株間と条間と疎植の選び方


乗用田植機の購入で最初に決めたいのは「何条植えか」より先に、目標とする株間・条間(栽植密度)です。疎植に寄せるのか、慣行に寄せるのかで、必要な苗量・育苗箱数・田植えの許容スピードが変わり、結果として必要な条数や作業時間の見積りも変わります。
疎植の考え方として分かりやすい基準が「条間30cm×株間21〜30cm、坪当たり50〜37株」という整理で、従来の標準(条間30cm×株間16〜18cm、坪当たり70〜60株)と比べ、植える株数を減らす方向です。これは農機メーカーの解説でも示されており、疎植は“単に薄く植える”ではなく、植付け設定を揃えて生育を安定させる技術だと捉えると失敗が減ります。


実務面では、田植機側は「株数(33㎡あたりの株数)」の設定で株間が決まり、例えば50株設定なら株間が約21cmになる、という整理が現場感に近いです。ここで見落としがちなのが、株数だけを動かしても思った株間にならないケースがある点で、機種によっては車速切り替えなど別の調整が絡み、設定を外すと異音が出るなど注意点も出ます。


条間は地域差が小さく、全国的に30cmが基本で、北海道では33cmの場合がある、という目安が語られています。つまり「条間は固定気味、株間で密度を作る」設計が多いため、乗用田植機を選ぶときは“条間より株間レンジ”を実現できるかを優先して確認すると、導入後の迷いが減ります。


参考:疎植の栽植密度(条間・株間・坪当たり株数)の目安
https://agriculture.kubota.co.jp/agriinfo/useful/suitousosyoku/
参考:株数設定と株間の換算イメージ、条間の一般的な目安
https://nokilog.net/tips/%E7%94%B0%E6%A4%8D%E3%81%88%E6%A9%9F%E3%81%AE%E6%A0%AA%E9%96%93%E8%AA%BF%E6%95%B4%E6%96%B9%E6%B3%95%E3%81%A8%E6%9C%80%E9%81%A9%E3%81%AA%E6%A0%AA%E6%95%B0%E8%A8%AD%E5%AE%9A%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9/

乗用田植機の植付深さと浅植えのポイント

乗用田植機は設定できる項目が多い分、深さ(植付深さ)のズレが苗立ちや初期生育に影響しやすい機械です。とくに「深植えにしない」ことは繰り返し注意喚起されており、浅植え(例:3cmの浅植え)を意識して設定確認する、という技術資料の書きぶりは実務のチェックリストにそのまま使えます。
浅植えを狙うときに大事なのは、数値の設定だけでなく、田面の均平と走行姿勢です。圃場に凸凹があると、機体は蛇行しやすく、結果的に植付け精度(直線性)だけでなく深さのバラつきにも波及します。直進性は見た目の問題に見えますが、苗列がうねると後工程(除草・施肥収穫など機械作業)の効率や精度にも関わる、と位置付けた解説もあり、田植えは稲作の基幹作業として精度が求められる理由がここにあります。


チェックのコツは、作業開始前に「設定値→実際の植わり方→再調整」を短いサイクルで回すことです。例えば最初の数mで苗が深い/浅い、欠株が出る、苗が寝るといった症状が出たら、深さだけでなく苗の状態や田面状態も疑うと復旧が早いです。


参考:深植え回避(浅植え目安など)の注意点
https://wakaba.is-ja.jp/service/pdf/eino_170420_2.pdf
参考:圃場の凸凹が蛇行を招き、苗列の直線性が作業効率や収量に関わるという考え方
https://qzss.go.jp/usage/userreport/kubota_160511.html

乗用田植機の直進アシストとGPSと自動運転の基礎

直進アシストは「うねりを減らして真っ直ぐ植える」ための機能ですが、本質は“オペレーターの集中力を機械が肩代わりする”点にあります。GPS受信機とジャイロセンサーを用いて、基準線を登録し、その平行線に沿うよう自動操舵する仕組みが紹介されており、走行中はジャイロで機体の傾きを検知して直進精度を保つ、と説明されています。さらに、旋回位置の記憶や、あぜ接近時のアラーム、状況によってはエンジン自動停止(あぜ衝突防止)といった安全寄りの機能も併記されており、「直進」だけでなく事故予防の側面も含むのがポイントです。
長野県のスマート農業情報では、高機能田植機の導入メリットとして、非熟練者でも熟練者と同等以上の精度・速度で作業可能、直進作業の疲労軽減、落水しなくても田植えが可能、などが整理されています。一方で、留意点として“小規模区画ほ場では導入メリットが出にくい”“通常の田植機よりコストがかかるので費用対効果の検討が必要”と明記されており、導入判断の基準がはっきりしています。


意外と見落とされるのが、自動運転の方式要件です。長野県の資料では、自動運転にはRTK地上基地局またはVRS方式の導入が必要、と書かれているため、「本体にGPSが付いていれば自動運転まで全部できる」とは限らない点に注意が必要です。


参考:直進キープ機能の動作(基準線登録、GPS+ジャイロ、あぜ衝突防止など)
https://qzss.go.jp/usage/userreport/kubota_160511.html
参考:GPS直進アシスト・自動運転の導入メリットと留意点、RTK/VRS要件
https://www.agries-nagano.jp/smart_info/11533.html

乗用田植機の中古相場と価格と買取の見方

中古の乗用田植機は「いくらが妥当か」を一発で言いにくい機械ですが、相場感を持つこと自体は大切です。中古田植機の相場として、条数や年式によるものの10万円〜100万円程度、需要が高く在庫変動が激しい、といった整理があり、相場レンジが広いのが特徴です。つまり、同じ“乗用田植機”でも、条数・年式・状態で価格は別物になります。
価格を左右する要因として、条数が増えるほど高くなる傾向、年式が新しいほど最新技術(例:直進アシスト)を搭載し価格が上がる、といった一般則も語られています。中古はとくに「年式と使用時間のバランス」を見て、状態と価格が釣り合っているか判断する、という考え方が現実的です。


売却(買取)側の相場観も、買い替え時の資金計画に効きます。田植機の買取相場として1万円〜100万円、という目安を出している買取系の解説もあるため、下取り・買取を組み合わせて導入費を圧縮する発想も現場向きです。


参考:中古の田植機の選び方・相場レンジの例(10万〜100万円程度)
【購入前に確認したい】中古の田植機の選び方と購入する際に見る…
参考:田植機の買取相場(1万〜100万円の目安)
https://www.agri-ya.jp/column/2022/05/13/how-much-is-the-purchase-price/

乗用田植機の意外な独自視点:直線性が除草と作業深さに効く理由

乗用田植機の「条が真っ直ぐ」は見た目の話にされがちですが、実は後工程の精度に波及しやすい要素です。苗列の直線性は作業効率や収量に関わる問題で、田植えは精度が求められる稲作基幹作業、と位置付けた説明があり、これは“田植え単体の出来”ではなく“稲作工程全体の機械適合”として捉えるのがポイントです。
例えば機械除草のように条間をなぞる作業では、作業深さの目安が条間ロータで40〜60mm、株間レーキで20〜40mm、標準は条間ロータ50mm・株間レーキ30mm程度、といった具体値が提示されています。条がうねっていると、除草機側は条を追うために修正操舵が増え、結果として深さや当たり方が安定しにくくなります。つまり「田植えで直進性を上げる=除草で深さを揃えやすい」という、作業全体の再現性の話になります。


ここで直進アシストの価値がもう一段はっきりします。直進アシストは疲労軽減だけでなく、条の直線性を揃え、機械除草・追肥・収穫など“条を基準に動く作業”を安定させる投資になり得ます。小区画ではメリットが出にくいという指摘もあるため、圃場の区画規模と後工程の機械体系(除草を機械化しているか等)をセットで評価すると、導入判断がブレにくくなります。


参考:苗列の直線性が作業効率や収量に関わる、という位置付け
https://qzss.go.jp/usage/userreport/kubota_160511.html
参考:機械除草の作業深さの目安(条間ロータ・株間レーキ)
https://www.jeinou.com/benri/rice/2009/05/221500.html































判断項目 現場での見方 導入判断の目安
株間(株数設定) 疎植なら株間21〜30cm、坪当たり50〜37株などを基準に考える 育苗箱数・苗量・作業速度を含めて無理がない設定にする
条間 全国的に30cmが基本(地域により差) 条間が固定気味なら、株間レンジと設定のしやすさを重視
植付深さ 深植え回避、浅植え(例:3cm)を意識して確認 田面の均平とセットで「設定→実植→再調整」を短周期で回す
直進アシスト GPS+ジャイロで直進自動操舵、疲労軽減や精度の均一化に寄与 後工程の機械作業が多いほど投資価値が上がる
中古相場 条数・年式で幅が大きく、10万〜100万円程度の例もある 年式×使用時間×整備履歴で「安い理由」を確認して判断
  • ✅ 現地で必ず見る:植付け部の摩耗、苗送りの癖、直進時のふらつき(試運転できるなら最優先)
  • ✅ 設定で詰まる所:株数変更に車速切り替え等が絡む機種は、購入前に操作系を確認
  • ✅ 費用対効果の落とし穴:小規模区画ほ場は高機能のメリットが出にくい点を織り込む
  • ✅ 意外に効く:条の直線性は除草など条間作業の深さ・当たりを揃えやすくする




ハラックス ナエッコ 乗用植付け作業車 NK-700S