チウラム 農薬 毒性 変異原性 神経系 肝臓 甲状腺

チウラムの農薬毒性を、人への健康影響と水生生物への影響の両面から整理し、現場での防護や事故時対応まで具体的にまとめます。安全に使い続けるために、何を優先して見直しますか?

チウラム 農薬 毒性

この記事でわかること
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毒性の全体像

急性毒性だけでなく、変異原性・神経系・甲状腺・肝臓など「分類で見える危険性」を整理します。

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水生生物への強い影響

魚類・甲殻類・藻類の試験結果と、なぜ水域流出を避けるべきかが具体的に理解できます。

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現場の安全管理

保護具、換気、漏出時対応、応急措置の要点を、農業従事者の作業動線に合わせて解説します。

チウラム 農薬 毒性 の危険有害性 情報 と GHS 分類


チウラムは、農薬としては殺菌剤(チウラム水和剤など)で使われ、SDS(安全データシート)では健康影響・環境影響の両方で強めの区分が付くことが特徴です。例えば、あるチウラム水和剤SDSでは「飲み込むと有害(H302)」「皮膚刺激(H315)」「アレルギー性皮膚反応(H317)」「重篤な眼の損傷(H318)」に加え、「遺伝性疾患のおそれ(H340)」「臓器(神経系)の障害(H370)」「反復ばく露で臓器(甲状腺、肝臓)の障害(H372)」などが明記されています。
つまり、単に“急性中毒が怖い薬”というより、「皮膚・眼」「アレルギー」「長期・反復ばく露」「遺伝毒性」まで含めて管理する必要がある農薬だと読み取れます。特に“区分1”が付く項目(単回ばく露:神経系、反復ばく露:甲状腺・肝臓など)は、現場での暴露を下げる施策(換気、粉じん対策、PPE徹底)がそのままリスク低減につながります。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/f69861d34ed10e730b534d238439100bf3245d78

なお、同SDSでは「設備の密閉化、保護具着用の徹底など、暴露を最小にする措置」を求めています。農業現場では“散布そのもの”だけでなく、薬剤計量、希釈、移し替え、片付け(容器洗浄・残液処理)で粉じんや飛沫に触れるケースが多いので、作業工程を分けて危険ポイントを見える化するのが実務的です。

チウラム 農薬 毒性 の神経系 甲状腺 肝臓 と 反復ばく露

チウラムの毒性で現場が見落としやすいのは、「長期にわたる、または反復暴露」による標的臓器影響が、分類上ははっきり強めに扱われている点です。チウラム水和剤SDSでは、単回ばく露で神経系(区分1)、反復ばく露で甲状腺・肝臓(区分1)と神経系(区分2)を挙げています。
ここで重要なのは、症状の有無だけで安全を判断しないことです。粉剤や水和剤の取り扱いは、忙しい時期ほど「ちょっとだけ」「今日だけ」と無防備になりやすく、結果として“低濃度の反復暴露”が積み上がるリスクが高まります。SDSが求める「局所排気」「全体換気」「粉じんマスク」「ゴム手袋」「ゴーグル」などは、面倒でも“毎回同じ手順に固定”して自動化した方が続きます。

実務の工夫として、次のように考えると判断が早くなります。


  • 粉じんが出る工程(開封、計量、投入)は「呼吸器+眼」を最優先で守る(粉じんマスク、ゴーグル)。​
  • 飛沫が出る工程(攪拌、希釈液移送、洗浄)は「眼+皮膚」を最優先で守る(ゴーグル、手袋、作業衣)。​
  • “片付け”は暴露が起きやすいので、手洗い・洗眼設備の導線を先に作ってから運用する。​

チウラム 農薬 毒性 の水生生物 と 藻類 EC50 LC50

チウラムは水生生物への毒性が強い側に入り、環境省の評価資料では、魚類(コイ)の96時間LC50が100 μg/L、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50が250 μg/L、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間ErC50が16.7 μg/Lと整理されています。
この“藻類のErC50が桁違いに低い”点は、農業従事者が意外と知らないポイントです。魚やエビだけでなく、水域の一次生産(藻類)側に効いてしまうと、食物連鎖の土台に影響が及びます。だからこそ、用水路・側溝・河川への流出(洗浄水の排出、雨天前散布、漏出放置)は、少量でも問題化しやすいと理解しておくべきです。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/426e58bd90466060db033d2a19210ca13e867db2

さらに同資料では、上記データから急性影響濃度(AEC)を算出し、最小のAEC(魚類:LC50/10=10 μg/L)を基に登録保留基準値案を10 μg/Lとしています。

この手の数値は現場では使いにくいですが、言い換えると「水に入れない」が最強の安全対策です。散布器具の洗い場を圃場外の排水系につなげない、残液をそのまま流さない、回収・吸着材で処理する、といった“仕組み”が効きます。

参考リンク(チウラムの水生生物毒性データ、PEC、登録保留基準値案の根拠がまとまっている)
https://www.env.go.jp/content/900544672.pdf

チウラム 農薬 毒性 のアルコール 忌避作用 と 応急措置

チウラムは「アルコール忌避作用」が注意点として明記されるタイプの農薬で、体内に取り込まれた後にアルコールを摂取すると、動悸、皮膚の紅潮、吐き気、嘔吐などが現れることがSDSに書かれています。
そして同SDSは応急措置の注意事項として「いずれの場合にもアルコールを含有する飲み物を与えてはならない」と明確に注意しています。
このポイントが“独自視点寄り”で重要なのは、現場で起きる事故の多くが「作業後」だからです。例えば、散布後に一息ついてアルコールを飲む習慣がある職場だと、軽い暴露でも症状が増幅して“体調不良の原因が特定しにくい”状態になり得ます(しかも周囲が風邪や熱中症と誤解しやすい)。だからこそ、チウラムを扱う日は「帰宅後も含めてアルコールは避ける」をルール化し、作業者本人だけでなく家族にも共有するのが安全側です。

応急措置は、SDSの記載を“迷わない形”に落とすのがコツです。


  • 吸入:新鮮な空気の場所へ移し、呼吸しやすい姿勢で休ませ、気分が悪い時は医師へ連絡。​
  • 皮膚:多量の水と石鹸で洗い、刺激があれば受診。​
  • 眼:数分間注意深く洗浄、コンタクトは外せれば外し、刺激が続けば受診。​
  • 誤飲:直ちに多量の水を飲ませて吐き出させ、医師の手当て(※アルコール飲料は不可)。​

参考リンク(アルコール忌避作用を含む応急措置・保護具・法規制まで、現場運用に必要な情報が載っている)
https://yonezawa-chemical.co.jp/sds/vermin03.pdf

チウラム 農薬 毒性 の管理 と 保護具 ゴーグル 手袋 換気

チウラム水和剤SDSには、作業者が実行すべき安全対策が比較的具体的に書かれており、「屋外または換気の良い場所で使用」「粉じんの吸入を避ける」「保護眼鏡または保護面」「保護手袋」「取扱い後はよく手を洗う」などが並びます。
また、屋内取扱いでは「局所排気装置の設置、設備の密閉化または全体換気」を求め、加えて洗眼・身体洗浄設備を近くに設けることも記載されています。
現場に落とすと、次の3点が“効く順番”です(意味のない対策を増やさない)。


  • まず粉じん・飛沫が出る場所を固定し、そこでしか開封・計量・希釈しない(暴露ポイントを封じる)。​
  • 次にPPEを固定セット化する(ゴーグル+ゴム手袋+粉じんマスク+作業衣を一式で常備)。​
  • 最後に“洗う・脱ぐ・捨てる”のルールを短文化して掲示する(汚染作業衣を作業場から出さない等)。​

最後に、環境面の事故対応も忘れがちです。SDSには漏出時対応として「河川等に排出され、環境に影響が出ないよう注意」「少量は濡らしたウエスで拭き取り」「大量は飛散しないよう水で湿らせ、河川に排出されないよう盛り土などで囲う」など、具体的な初動が書かれています。

“臭いが弱い薬剤でも、環境毒性は強いことがある”というのがチウラムの現場的な怖さなので、吸着材・回収容器・立入禁止テープなどを、散布機材と同じ場所に置いておくと事故対応が早くなります。






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