あなたのハウスの温度管理が、抵抗性を無効化しているかもしれません。
多くの農家は「抵抗性品種を植えれば安心」と考えます。ですが、実際には高湿度環境で抵抗性効果が弱まる事例が増えています。葉かび病菌(*Cladosporium fulvum*)は、湿度90%以上で活性化し、25℃前後で急速に広がります。この条件は、促成栽培や雨天時のハウス内でよく起こりますね。
つまり、環境が整えばどんな品種も感染する危険があるということです。
例えば、抵抗性をもつ『麗容(れいよう)』品種でも、換気が不十分な朝夕に斑点が現れた報告があります。被害面積は約20㎡=畳12枚分の規模に拡大しました。換気扇の風量を上げるだけで発病率が60%減という調査結果もあります。
つまり環境制御が最大の防御です。
換気制御タイマーを導入すれば、作業時間も短縮できます。自動換気システムは「農業ソリューションNEPON」などが精度面で評価されています。
数字で見ると、効果は一目瞭然ですね。
抵抗性とされるトマトには「Cf-9」「Cf-2」「Cf-5」など複数のR遺伝子があります。これらは葉かび病菌の各レースに対して異なる防御を示します。だが2024年、九州農試の報告では、Cf-9対応品種で「A3レース」に感染する新型事例が観察されました。
これは予想外でしたね。
つまり「抵抗性=完全防御」ではありません。
半数以上の農家が同一品種を複数年連作しており、その結果、病原菌が地域内で同化・強化されたと指摘されています。この「品種偏重型栽培」は、長期的なリスクを増加させる要因です。
結論は輪作かつR遺伝子混合型の導入が有効ということです。例えば、Cf-2とCf-9を持つ「桃太郎ファイト+麗容」の交互作付けが推奨されます。
遺伝的多様化こそリスク軽減の鍵ですね。
参考リンク(R遺伝子別の抵抗性研究に役立つ)
農研機構:トマト葉かび病抵抗性解析資料
抵抗性品種を導入した途端、薬剤散布回数を3分の1に減らす農家が増えています。しかし、これが発病リスクを逆に上げることがあります。なぜなら、抵抗性を持たない下段の葉や周囲の古葉に菌が生き残るためです。
油断は禁物です。
神奈川県農技センターの調査によれば、薬剤散布を2週ごとに維持した圃場では発病率5%に対し、月1回以下の圃場では25%に跳ね上がりました。特に「ダコニール1000」のような塩素系薬剤は、予防散布として有効です。
つまり、抵抗性があっても防除体系を崩してはいけません。
抵抗性を信じすぎるのは危険ということです。
被害防止の狙いなら、病斑発見初期に「アミスター20フロアブル(シプロコナゾール)」を追加散布する判断が効果的です。病原菌の胞子放出期を抑制でき、再感染防止につながりますね。
意外なことに、灌水過多が葉かび病抵抗性を間接的に弱めている事例もあります。根圏の酸素欠乏は、葉組織の免疫反応を鈍らせることがわかっています。つまり水のやりすぎも病気の誘因になるということです。
給液センサーが誤作動したまま滴下が続き、1日12リットル以上水分過剰となった圃場では、約40㎡に発病が拡大しました。
機械設備のチェック不足も原因です。
灌水制御を細かく監視できるシステムなら「e-sensorシリーズ」などの導入も選択肢です。
環境制御設備の精度が収量に直結します。
これが現場の実感ですね。
短文でまとめると、湿度だけでなく根の健康も肝心ということです。
余分な水は病気の誘因になります。
つまり、根張りと葉かび病抵抗性は表裏一体なのです。
最後に、自分の圃場でどの程度の感染リスクがあるかを把握しておきましょう。無料の葉かび病リスク診断を提供している自治体やJAがあります。例えば、JA全農の「病害虫防除マップ」は地区別発生状況を週単位で確認できます。
また、葉温と湿度データを簡単に採取できるロガー(例:T&D社の「TR-72nw」)を設置すれば、24時間単位で条件を可視化できます。実際、データを共有することでグループ栽培者の発病遅延率が平均で1.8倍になったと報告されています。
つまり、データ管理が抵抗性を「生かす」鍵です。
やるかやらないかで結果が変わります。
リスクを見える化すれば、余計な農薬コストも抑えられます。これは経営的にも健康的にも大きなメリットですね。
結論は、抵抗性を信じるより、管理を徹底するほうが確実です。
以上の内容は、国立研究開発法人農研機構および地域農業試験場の報告に基づき解説しました。