芝の雑草の種類を大づかみに整理すると、現場でまず役立つのが「広葉雑草」と「イネ科雑草」に分ける視点です。芝生に生える雑草はこの2分類で説明できることが多く、芝生用の除草剤も“どちらか片方に効く設計”のものが多いので、分類の当たりを付けるだけで選択ミスが減ります。
見分け方の基本は、葉脈の向きです。葉脈が平行に走るものはイネ科寄り、網目状に見えるものは広葉寄りという見立てを最初に置くと、芝の上での判定が速くなります。
参考)雑草の分類と特徴 | 芝生のお手入れとガーデニング
ただし、芝そのものもイネ科なので「芝に似るイネ科雑草」は要注意です。たとえばスズメノカタビラは芝草(コウライシバ、ノシバ等)と同じイネ科で、葉色も近く、ぱっと見の印象だけでは混同しやすい代表格です。
参考)芝生によく生える雑草図鑑。駆除のしかたはコレ!
農業従事者の現場目線でいうと、分類は“名前当て”より先に使うと効果的です。まず「イネ科っぽい/広葉っぽい」を判定し、次に「一年草か多年草か」「地下茎か種子か」を当てに行くと、防除の組み立て(いつ、何を、どの程度)が具体化します。
芝の雑草の種類は、生育する季節で「冬雑草」と「夏雑草」に大別できます。冬雑草は秋から翌年初夏の冷涼期、夏雑草は春から夏の高温期に生育し、同じ芝面でも季節で優占種が入れ替わります。
この季節分類が効く理由は、対策の“先手”が打てるからです。たとえば冬に勢いが出やすいスズメノカタビラは、芝刈りで刈っても衰退しにくく、刈り取った下で穂を付けて繁殖することがあるため、見つけた時点での早期対応(抜き取りや適切な防除)が重要になります。
逆に、夏雑草の代表であるメヒシバは夏の生長が速く、基部が分枝しながら地表を這い、節々から根を下ろして広がります。芝がまだ密になり切らない時期に侵入されると、短期間で面積を取られやすいので、発生初期の“点”で潰す意識が結果的に省力化になります。
季節を読むために、難しいことは要りません。次の2つだけ記録すると、翌年の判断が速くなります。
意外に効く小技として、芝刈り後2~3日で“色の違い”が浮く時期があります。芝が刈り込みで一時的に色が変わるのに対し、雑草側の伸長や葉色の戻りが速いと、パッチ状に見つけやすくなることがあるため、巡回のタイミングを芝刈り後に寄せるのも実務的です(特に芝に似るイネ科雑草の早期発見に向きます)。
芝の雑草の種類で「芝に似ていて厄介」という声が多いのが、スズメノカタビラとメヒシバです。どちらもイネ科で、芝草もイネ科なので、“同じグループ内の見分け”になり、遠目の景観だけでは判断が遅れがちです。
スズメノカタビラは、芝草と同様にイネ科で見た目が似ますが、簡単な確認点として「葉先」に注目する方法が紹介されています。コウライシバは葉先がしっかり尖りやすい一方、スズメノカタビラは葉先がやや丸みを帯びることがあり、迷ったときの現場チェックに使えます。
また、スズメノカタビラは芝刈りで刈っても衰退しにくく、刈り取られた下で穂を付けて繁殖することがあるため、「低く刈れば解決」と考えるほど長期化しやすい点が落とし穴です。
メヒシバは夏生一年草で、基部が分枝しながら地表を這い、節から根を下ろして広がるため、芝の隙間を“横に埋めていく”ように侵入します。葉は薄く軟らかい傾向があり、花茎が立ち上がって穂が放射状に広がるので、穂が出た後は同定しやすくなりますが、穂が出る前に気づけるかが勝負になります。
さらに混同しやすい組み合わせとして、メヒシバとオヒシバがあります。メヒシバは穂が下垂し、オヒシバは穂が上向きで太く花穂幅が広い、という違いが見分けポイントとして示されています。
現場での“実務優先”の判定手順は、次の順にすると迷いが減ります。
芝の雑草の種類の判定で、イネ科と並んで重要なのがカヤツリグサ科です。葉が細くてイネ科と見間違えやすい一方で、除草剤の効き方が異なるため、ここを取り違えると“散布したのに残る”が起きやすくなります。
カヤツリグサ科の見分け方は、形の観察でかなり当てられます。イネ科は葉鞘が着物の合わせ目のようになっていて剥がせるのに対し、カヤツリグサ科は葉鞘が完全に閉じていて茎から容易に剥がせない、という差がポイントです。
さらに、茎の断面も重要です。イネ科の茎は円筒形(丸)なのに対し、カヤツリグサ科は茎が三角形の種類が多いので、葉が細くて茎が三角ならカヤツリグサ科の可能性が高い、という見極めが示されています。
ここで知っておくと得する“意外な注意点”もあります。カヤツリグサ科にも茎が丸い種類があるため、「丸い=イネ科」と決め打ちしないこと、そしてカヤツリグサ科はイネ科より茎や葉の形が多様であることが混乱の原因になりやすい点です。
防除の現場では、見分けが結果に直結します。イネ科対象の除草剤成分はカヤツリグサ科には効果がなく、むしろ広葉雑草に似た反応を示す傾向がある、と整理されているため、カヤツリグサ科が疑わしい場合は“イネ科用を打って様子見”が失敗しやすい戦略になります。
判定のための簡単チェック(道具なし)を挙げます。
芝の雑草の種類を覚えても、実際の現場で差が出るのは「何をやらないか」です。よくある失敗は、目立つ地上部だけを刈って満足してしまい、地下部や種子を残して“回復のスイッチ”を押してしまうことです。
たとえば、スギナのように地下茎が長く横に伸びるタイプは、抜き取りが非常に困難だとされます。地上部だけを何度も刈る作業は見た目の改善にはなっても、根本解決になりにくいので、発生初期に小面積で止める(周囲への拡散を遮断する)という考え方が重要になります。
また、カタバミは芝生で厄介になりやすい雑草として、種子とほふく茎で繁殖し、千切れやすく手で草取りするのが困難と説明されています。ここでありがちな失敗は、途中で切れて“取り切れた気になる”ことなので、抜くなら根やほふく茎の残り方を意識し、面で増えている場合は作戦を切り替える判断が必要です。
芝生管理の仕事としては、完全駆除よりも「繁殖させない」設計のほうが再現性が高い場合があります。雑草は花を咲かせるものが多く、きれいだからと残すと繁殖につながるため、見かけたら抜き取りや駆除などの対策が必要、とされています。
失敗を減らすための“現場ルール”例を置いておきます。
科の見分け(イネ科・カヤツリグサ科など)で早期防除につなげる考え方の参考(形態のポイントがまとまっています)
雑草を見分け、早期防除に役立てる。主な「科」の特徴は?(イネ科とカヤツリグサ科の見分け、茎が三角など)
芝生に生える代表的な雑草名と特徴の参考(スズメノカタビラ、メヒシバ、カタバミ、スギナ等の要点)
芝生に生える雑草と芝生に似た雑草の正体(冬雑草/夏雑草の区分、代表雑草一覧、見分け方)

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