なす栽培支柱と誘引仕立て管理

なす栽培支柱の役割から、V字4本仕立て・誘引・倒伏対策までを、現場で迷わない基準で整理します。支柱設置のタイミングや枝の強弱調整まで押さえたいと思いませんか?

なす栽培支柱と誘引仕立て

なす栽培支柱と誘引仕立ての全体像
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最初に決めること

「仕立て本数」「誘引の資材」「支柱の間隔」を先に固定すると、途中の手戻りが減ります。

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誘引で収量が動く

枝の角度で草勢が変わるため、誘引は“倒れ防止”だけでなく“樹勢コントロール”です。

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強風・倒伏は設計で減らす

支柱の補強、防風ネット、誘引の見直しで、風害と枝折れの確率を下げられます。

なす栽培支柱の役割と倒伏リスク


なすは果実が重く、収穫が長期にわたるため、途中から枝がしなって折れたり、株全体が倒伏しやすい作物です。支柱は「枝を支える」だけでなく、株を立たせて通路側へ枝を配置し、作業性と採光を両立させるための“栽培インフラ”になります。
倒伏が起きると、折損部からの二次的な傷み、果実の擦れ、誘引のやり直しによる作業増が連鎖しやすく、結果として収量・品質・労力の三つが同時に悪化します。風が強い地域や畝の端は特にリスクが上がるので、最初から「支柱の強度」と「固定点の数」を多めに取る発想が有効です。


現場での見落としポイントは、支柱が倒れなくても“枝が裂ける”ケースです。枝が裂けると回復に時間がかかり、更新のタイミングが遅れやすくなります。枝裂けは、誘引位置が一点集中している、枝の角度が急に変わっている、風で枝がこすれている、といった「設計の歪み」で起きやすいので、支柱・ひも・線の配置を“荷重分散”として考えます。


なす栽培支柱のV字4本仕立てと枝の選び方

露地・夏秋作型でよく使われる考え方の一つが、V字で主枝・側枝を整理しながら4本に仕立てる方法です。栃木県の資料では「V字4本仕立て」として、枝の選び方が具体的に示されています。主枝は“一番花のついている枝”を採り、そこから側枝を花位置を基準に選んでいくため、経験が浅くても判断がぶれにくいのが利点です。
枝の取り方(考え方の骨格)は次の通りです。


  • 主枝:一番花のついている枝を主枝にする。

    参考)https://www.mdpi.com/2223-7747/13/4/471/pdf?version=1707232914

  • 第1側枝:主枝の1番花のすぐ下の側枝を伸ばして第1側枝にする。​
  • 第2側枝:主枝の2番花のすぐ下の側枝を利用する。​
  • 第3側枝:第1側枝の1番花のすぐ下の側枝を利用する。​

このルールが効く理由は、「花が付く位置=今後の結果枝配置の目印」になり、枝の役割が整理されるからです。結果として、誘引の線(ネットやマイカー線)に枝を当てやすく、収穫・防除の動線も作りやすくなります。


なす栽培支柱の誘引で草勢を調整するコツ

誘引は“固定作業”ではなく“草勢操作”で、枝角度が生育の強さに直結します。栃木県資料では「なすの生育は垂直なほど旺盛になり、横にするほど弱くなる」と明記されており、誘引角度は樹勢のアクセル/ブレーキとして扱えます。
例えば、枝が全部強く立っている株なら、各枝をひも等でそのまま誘引して整理すればよい一方で、特定の枝だけ強く他が弱い場合は、強い枝を“寝かせて誘引”し、弱い枝は立てて回復を待つという判断が推奨されています。 この発想は意外と重要で、追肥潅水だけでは揃わない“枝ごとの強弱”を、物理的な角度で均すことができます。

もう一つ、現場で効くコツは「弱いときほど誘引を急がない」ことです。資料では、草勢が弱い場合は誘引作業を遅らせ、草勢がついてから誘引する、としています。 早く形を作りたくて無理に引っ張ると、角度でさらに弱らせたり、折損や枝裂けを誘発して本末転倒になりがちなので、枝の張り(節間、葉色、先端の勢い)を見てタイミングを合わせます。

なす栽培支柱の設置間隔とネット・マイカー線誘引

支柱は“株ごとに1本”という考え方もありますが、露地の連作業では、一定間隔で支柱を立ててネットや線で枝を受ける設計が省力につながります。栃木県資料では、支柱を「4~5株間隔(3m前後を目安)で設置」し、「ネット、または、マイカー線で誘引」としています。
ネット誘引では、ネットの上部・中部・下部の3段にマイカー線を設置する、といった“段構え”の考え方が示されています。 段があると、枝が伸びた時に固定点を増やせるため、果実肥大期の荷重と風揺れを分散できます。

さらに資料には、誘引の設計として「ふところを広く取り、光が十分ふところに入るようにする→収量アップ」という趣旨の記載があります。 支柱・線の目的は倒伏防止だけではなく、株内の採光を確保して着果・肥大の“効率”を上げることだと捉えると、通路側の作業性(収穫・整枝・防除)も含めて設計しやすくなります。

なす栽培支柱の独自視点:台風前後の“誘引点検”チェック

検索上位では「支柱の立て方」や「仕立て本数」が中心になりがちですが、実務で差が出るのは“イベント前後の点検”です。特に台風や強風は、株を倒すというより「枝を揺すって傷を増やす」形でダメージが蓄積し、数日後に枝折れ・裂け・果実擦れとして表面化します。
そこで、強風が来る前後に、次のチェックをルーチン化すると被害を圧縮しやすくなります。


  • 誘引点の間隔:枝の先端側に固定点が偏っていないか(偏ると根元が揺すられる)。
  • こすれ箇所:枝と支柱、枝と線、枝同士が当たっていないか(葉ずれは傷の入口になる)。
  • 結びの締め具合:きつすぎないか(太りで食い込み、通導障害や裂けを誘発)。
  • 支柱のぐらつき:地際が緩んでいないか(支柱が動くと誘引しても意味が薄れる)。
  • ふところの混み:光と風が抜けるか(混むほど揺れで当たりやすい)。

この点検は、収穫のついでに見回れる粒度で十分です。重要なのは「倒れてから直す」ではなく、「倒れる前提で揺れ方を制御する」という発想で、固定点を増やし、当たりを減らし、支柱自体の剛性を上げていくことです。


倒伏対策の公的な考え方としては、台風等の事前対策で“支柱の補強”を行い強風による倒伏を防止する、また支柱が必要な作物は周囲に防風ネットを設置して倒伏や折損を防止する、といった技術対策資料もあります。 露地のなすはまさにこの対象に入り、支柱・誘引・防風の組み合わせで「被害がゼロにならなくても、復旧が早い」状態を作れます。


参考)https://www.pref.yamanashi.jp/documents/65774/01_kisyosaigaigijyututaisaku.pdf

倒伏・強風対策(支柱補強・防風ネットの考え方の根拠)。
https://www.pref.yamanashi.jp/documents/65774/01_kisyosaigaigijyututaisaku.pdf
枝角度と草勢、V字4本仕立て、支柱間隔、ネット/マイカー線誘引の根拠(夏秋なす栽培管理)。
https://www.pref.tochigi.lg.jp/g53/documents/2206eggplant.pdf




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