心土破砕機 とは 耕盤 排水性 根域

心土破砕機とは何かを、耕盤の見つけ方から作業深さ、排水性・根域への効き方、暗渠との使い分けまで農業現場目線で整理します。自分のほ場に本当に必要な施工はどれでしょうか?

心土破砕機 とは

心土破砕機の要点(最初に押さえる)
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目的は「耕盤に亀裂」

心土破砕は、作土の下にできた硬い層(耕盤)に亀裂を入れて、水の通り道を作り、透排水性を上げるための作業です。

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深さは「耕盤の位置」基準

耕盤が深いのに浅くかけても効果が出ません。まず耕盤の深さを把握してから施工深さを決めます。

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暗渠排水の補助にもなる

心土破砕は暗渠排水と同様に、ほ場にたまる水を抜きやすくする目的で行われます。排水不良の「原因」に合わせて組み合わせるのが要点です。

心土破砕機 とは 心土 破砕 耕盤の改善

心土破砕機とは、作土の下にできた硬い層(耕盤など)へ、刃(チゼル等)を入れて亀裂を発生させ、透水性・排水性・通気性を改善するための作業機(代表例がサブソイラ)です。
「砕く」と言っても、ロータリーのように土を細かく攪拌して全面を粉砕するのではなく、“硬盤層に割れ目を入れて水と根が通れる道を作る”発想が中心になります。
耕盤はトラクター走行や大型機械の繰り返しで形成されやすく、上からは見えにくいのに、根張りと水の動きを強く制限します。
排水不良や湿害が出ているのに、表層だけ耕起砕土しても改善しないケースでは、「水が下へ抜けない(=耕盤が栓)」という構造問題を疑うのが近道です。agriport+1​
一方で、心土破砕は“やれば必ず収量が上がる万能技”ではなく、耕盤の位置・土壌水分・作業深さ・機械設定が外れると、燃料と時間が溶けやすい作業でもあります。alic+1​
このため、まずは「どこが詰まっているか」を確認し、必要な場所に必要な深さで入れるのが基本になります。


参考)心土破砕 反転耕起 - アグリポートWeb

心土破砕機 とは サブソイラ 深さ 透排水性の効果

心土破砕の狙いは、硬盤層に亀裂を入れて透排水性を高め、根の生育範囲(根域)を広げることです。
北海道庁の説明では、なたのような作業機で一定間隔に切り込みを入れ、60cm程度の深さまで亀裂が入るようにして、水が通る道をつけるとされています。
つまり「深く入れるほど良い」ではなく、「硬盤を超えて亀裂が連続する深さ」が効きやすい、という捉え方になります。
作業深さの決め方で重要なのが、事前に耕盤の位置を把握することです。

例えば耕盤が40cm付近にあるのに、そこより浅い深さで作業しても効果が出にくい、という指摘があります。

サブソイラ等は一般に40~60cm程度の作業深さが話題になりやすく、作物・土質・機械馬力で適正域が変わります。alic+1​
施工の結果として期待できる変化は、排水性だけではありません。

根域が広がると、養分吸収が進みやすくなり、湿害だけでなく干ばつにも強いほ場づくりにつながる、という整理がされています。

ただし、亀裂は永続ではなく、土が再び締まれば効果は薄れるため、「踏圧(走行)をどう減らすか」とセットで考えると持続しやすいです。agriport+1​

心土破砕機 とは 全層心土破砕機 カットブレーカーの特徴

心土破砕機の中でも、サブソイラの“線で割る”イメージに対して、圃場全面の深層まで通気性・透水性改善の破砕溝を構築するタイプとして、全層心土破砕機「カットブレーカー」が紹介されています。
農研機構の説明では、トラクターに装着し牽引力で土中の30~70cmの任意の深さに、1~3連のV字状の破砕溝を構築できる、とされています。
さらに研究成果の発表では、表面から70cmまでV字状に幅広く土壌を破砕できる点がポイントとして挙げられています。
この「V字の破砕溝」という考え方は、単に亀裂を一本入れるのではなく、幅のある破砕領域を設計する発想です。naro+1​
メーカー側の説明でも、V字の破砕部分と逆V字の非破砕部分があり、機械走行のための土壌硬度も維持しながらバランスの良い土壌構造を作る、という整理がされています。


参考)補助暗渠機ならお任せください。カットシリーズ製造メーカー|(…

“排水を良くしたいが、全部をフカフカにして沈下・スタックしやすくするのは避けたい”という現場の葛藤に対して、溝構造で折り合いを付ける設計思想とも言えます。jeinou+1​
参考:全層心土破砕機「カットブレーカー」の構造・施工深(30~70cm)・V字破砕溝の考え方(機能説明の根拠)
https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nire/2019/19_008.html

心土破砕機 とは 暗渠排水との違い 目的と施工

心土破砕は「亀裂を入れて水の通り道を作る」方法で、暗渠排水と同様にほ場にたまる水を速やかに排出する目的がある、と自治体資料で説明されています。
ただし暗渠排水は“水の出口(排水路)まで水を導く設備”であるのに対し、心土破砕は“土の中に水の通りやすい経路を増やす施工”で、役割が少し違います。
暗渠があっても、暗渠へ水が集まるまでの土が締まっていれば流れにくいため、「暗渠+心土破砕」で効率を上げる設計が現場では検討されます。
一方で、心土破砕だけで“必ず水が抜ける”とも限りません。

例えば地下水位が高い地域や、排水先(落差・排水路)が弱い場所では、土中の通り道を作っても出口が足りず、湿害が残ることがあります。


参考)心土破砕説明(農村計画課) - 農政部農村振興局農村計画課

排水不良の原因を「表面水が滞留しているのか」「土中で止まっているのか」「地下水位が高いのか」に分けて考えると、心土破砕を“過大評価もしない・過小評価もしない”判断がしやすくなります。

目安として、心土破砕は一定間隔で切り込みを入れて水みちを増やす施工と説明されており、施工間隔・深さ・方向で効き方が変わります。

暗渠排水と併用する場合は、暗渠の配置方向や水の流れを意識して心土破砕の方向を決めると、ムダ打ちが減ります(直交・並行の判断は圃場条件で変わります)。

排水対策は「一本の高価な機械」より「原因に合った組み合わせ」の方が結果的に安くなることが多いので、施工前の観察に時間を割く価値が高いです。

参考:心土破砕の目的(暗渠排水と同様)・施工の概念(60cm程度まで亀裂)
心土破砕説明(農村計画課) - 農政部農村振興局農村計画課

心土破砕機 とは 独自視点 失敗しない走行と再締固め対策

心土破砕は“土を割る作業”なので、施工直後のほ場は、水も空気も通りやすい反面、踏圧(再締固め)の影響を受けやすいタイミングでもあります。
特に大型機械の走行が続く体系では、せっかく入れた亀裂が短期間でつぶれ、耕盤が再形成されることがあるため、「施工した年の走行設計」まで含めると投資回収が安定します。
ここが検索上位記事でも薄くなりがちな盲点で、機械そのものより“施工後の運用”が効き目を左右する場面があります。
具体策は、難しい新技術よりも現場で実行できるルール化が効きます。


  • 収穫防除追肥などの走行を、できるだけ同じライン(同じ車輪跡)に寄せて、踏む場所を固定する。
  • 施工直後に過湿条件で無理に走らない(亀裂の壁面が潰れやすい)。
  • “深く割った=深く踏める”ではないので、沈下しやすい場所は速度を落とし、急旋回を避ける。

また、心土破砕の狙いは「根が下へ伸びる道」を作ることでもあるため、根量が増える作物(深根性の作物や、根張りの良い体系)をうまく挟むと、亀裂が“生物的に維持”されやすい考え方があります。agriport+1​
この視点だと、心土破砕は単発の土木作業ではなく、「機械施工+根の力」で土層を作り直す長期の土づくりに位置づけられます。agriport+1​
結果として、暗渠や心土破砕の効き目が年々安定してくるほ場もあり、“毎年どこかがぬかるむ”状態から抜けるきっかけになります。


項目 心土破砕(サブソイラ等) 全層心土破砕機(例:カットブレーカー)
基本の考え方 硬盤層に亀裂を入れて水みち・根の道を作る。 V字状の破砕溝を構築し、深層まで幅広く破砕する。
深さの目安 耕盤位置に合わせて設定し、40~60cmが話題になりやすい。 30~70cmの任意深さでV字溝を施工できる。
得意な課題 耕盤が原因の透排水性低下・根域制限の改善。 圃場全面の深層に通気性・透水性改善の溝構造を作る排水性改善。