木の根まで枯らしたいのに、茎葉散布(葉にかける散布)だけで思ったほど効かない——この原因は「薬剤が根に十分移行しない」使い方になっているケースが多いです。根まで狙うなら、“木の体内に直接入れる”立木注入処理や株頭注入処理は、現場で再現性が出やすい手段です。
たとえばグリホサート剤には、林地のクズに対して「原液又は2倍液を1~2ml/株、株頭注入処理」という登録上の用法があり、茎葉散布ではなく注入という形で根元の導管に効かせる設計になっています。加えて、林地や公園等の落葉雑かん木に対して「原液又は2倍液を、樹径に応じた“ヶ所数”へ1ml/ヶ所、立木注入処理」という枠もあり、木の太さに合わせて注入点数を増やす運用が前提です。
注入処理のコツは、薬量の大小よりも「入れる場所」と「入れるタイミング」です。導管の流れがある時期(一般に生育期)ほど移行は起きやすく、登録上も落葉雑かん木は5~10月など“動いている季節”が示されています。逆に、乾燥・極端な低温・極端な高温で樹勢が落ちる時期は、注入しても上部が部分枯れで止まり、地下部が生き残って再生することがあります。
また、注入は「周辺に薬液が漏れない」ことが最大のメリットです。散布だと飛散やドリフト、隣接作物への付着がリスクになりますが、注入なら“対象木だけに入れる”ため、狭い林縁・宅地境界・法面などでも設計しやすくなります。
参考:立木注入処理・株頭注入処理・切株塗布処理の用法(林地/樹木等周辺地、原液/2倍液、ml/株、樹径別ヶ所数)が載っています。
農薬登録情報提供システム(キャピタルグリホサート41%の適用表)
伐採できる現場なら、切った直後の「切株処理(切り口に薬液を付着させる)」は、根まで枯らすうえで非常に合理的です。切った瞬間は切り口からの吸い上げが働きやすく、ここで薬液が導管側に入ると、萌芽(ひこばえ)だけでなく地下部の再生力も落とせます。
グリホサート剤の登録上でも、雑かん木に対して「伐採直後、原液又は2倍液を切り口全体に十分量を塗布、切株塗布処理」という枠があります。ポイントは“伐採直後”と“切り口全体”で、時間を置いて乾いてから部分的に塗ると、内部へ入らず効きが落ちやすいです。
一方で、木本の切株処理ではトリクロピル系の登録が林業・緑地管理で使われることもあります。例として、ニセアカシアに対する切株処理(希釈倍数や株径当たりの薬量が明示)や、造林地の雑かん木に対する切株処理(10~15倍、株径15cmあたり45mlなど)といった運用が示されています。伐採→即処理の流れを組めると、刈払いを繰り返すよりも結果的に労務が減る現場が多いです。
ただし、切株処理は「切った木の根を枯らす」ことに特化する反面、周囲に同じ種類が密生している場合は対象本数が増え、作業が追いつかないことがあります。その場合は、広面積は茎葉散布、境界や問題木は切株/注入、という“混成”にすると設計が崩れにくいです。
参考:トリクロピル系の切株処理・立木処理・株頭処理など、適用雑草木名と希釈倍数・薬量の考え方が一覧で確認できます。
「木の根を枯らす」目的でも、適用場所が林地なのか造林地(地ごしらえ)なのか、あるいは“植栽地を除く樹木等の周辺地”なのかで、選べる使用方法が変わります。登録情報では、造林地(地ごしらえ)向けに「ススキ、ササ類、クズ等の多年生雑草」や「落葉雑かん木」を対象に、少量散布の水量や使用回数まで具体的に規定されています。
時期についても、例えば造林地の多年生雑草や落葉雑かん木は「生育盛期以降」とされており、これは“成長が動いているほど移行が期待できる”設計です。林地の落葉雑かん木の立木注入処理は「5~10月」と明示され、季節外れに無理にやるより、ラベルが想定する期間に合わせた方が再生率を下げられます。
現場で見落としがちなのが「草を刈ってから散布したくなる」心理です。茎葉散布型では葉面積が大きいほど効きやすいという注意が示される製剤もあり、刈り払い直後に散布すると吸収面が減って効きが落ちることがあります。根まで枯らす狙いなら、刈る前に散布する、刈ったなら新葉が十分展開してから散布する、といった“吸収面の設計”が必要です。
最後に、作業計画の組み方としては、
という流れにすると、年1回の山場に作業を集約しやすく、刈払い回数も減らせます。
根まで効かせる場面で重要なのは、「濃いほど効く」という単純な話ではなく、登録で定められた“用法の形”に合わせることです。立木注入・株頭注入・竹稈注入のような処理は、希釈液を大量散布するのではなく、原液または2倍液をml単位で入れる枠が存在し、薬剤が環境に拡散しにくい代わりに“入れる量がそのまま効きに直結”します。
例えば、グリホサート剤の立木注入処理では「1ml/ヶ所」で、樹径によりヶ所数(10cm以下2~3、10~20cm 4~8、20cm以上10)が示されています。これは、太い木ほど導管が多く、1点だけだと樹体全体に回らない可能性があるためで、点数不足は“部分枯れ→再生”の代表的失敗パターンです。
同じく、竹類には「原液5~15ml/本、竹稈注入処理」といった枠があり、散布で笹や竹の地下茎を止め切れない現場では注入が効率化につながることがあります。竹は地下茎でつながるため、地上部が一見枯れても翌年別の位置から出ることがあり、注入で地下部へ効かせる狙いは理にかなっています。
一方、茎葉散布の枠では「ml/10a」「希釈水量L/10a」が中心で、散布水量(通常散布・少量散布)まで規定されます。少量散布は効率的ですが、葉が濡れない・ムラが出ると効きが落ちやすいので、散布ノズルや歩行速度を一定にするなど、作業品質の管理が“根まで枯らす”結果に直結します。
検索上位では「どの除草剤が強いか」に話題が寄りがちですが、現場で再生を減らすには“木の根が何で生き残るか”を押さえるのが近道です。多年生の木本やつる(クズなど)は、地下部に貯蔵した炭水化物(エネルギー)で再生します。つまり、地上部が枯れたように見えても、根に貯金が残っていると翌期に復活します。
ここで効いてくるのが「処理時期の意味」です。登録上で“生育盛期以降”“5~10月”“春期又は秋期”のように幅を持たせているのは、単に作業しやすい季節だからではなく、植物体内の転流(養分の移動)が起きやすい時期に合わせる意図が読み取れます。根へ向かう流れがある時期に、移行型の処理(注入や適切な茎葉散布)が決まると、根の貯金そのものを減らしやすく、翌年の萌芽が鈍ります。
実務での“意外と効く”工夫は、次の3つです。
そして何より、登録の範囲を守ることが最優先です。効かせたい気持ちで回数や濃度を自己判断で増やすと、効果が上がるどころか事故・トラブル・残留の原因になります。根まで枯らす技術は「強い薬」ではなく、「正しい導入経路(注入・切株・散布)」と「時期」と「ムラのない作業」で決まります。

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