営農型太陽光パネルの「寿命」は、一般にモジュール自体が20~30年程度稼働するとされ、25年の出力保証期間内で初期性能の80~90%を維持できるケースが多いと報告されています。
一方で法定耐用年数は国税庁の減価償却基準上17年と定められており、これは税務上の年数であって、設備が17年で使えなくなるという意味ではない点に注意が必要です。
実際には、適切な設置と点検が行われれば30年以上稼働している太陽光パネルも確認されており、営農型でも架台の腐食対策や配線保護を徹底することで寿命を引き延ばせる可能性があります。
営農型特有の視点として、パネルの経年劣化により透過光の量や配線影、支柱の影の出方が変化することで、長期的な作物の生育環境が微妙に変わることが挙げられます。
参考)https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/data/kaitori/2022_fit_fip_guidebook.pdf
また、沿岸部の塩害や積雪地域での凍結・融解の繰り返しはガラス面の微細なクラックを増やしやすく、農地が開けた平地にある営農型ほど風雨のダメージを受けやすい点にも留意が必要です。
参考)太陽光パネルの廃棄費用はいくら?住宅用、産業用の違いから、安…
こうした環境要因への対策として、塩害地域向けの耐候性モジュールや高耐久フレームを採用し、支柱や架台の防錆塗装、ケーブルの地中配線化などを設計段階から盛り込むと寿命のブレ幅を小さくできます。
参考)https://solar-mate.jp/solar-panel/072/
営農型太陽光の寿命を考える際には、パネルだけでなくパワーコンディショナや架台・基礎の寿命も切り分けて整理する必要があります。
一般にパワーコンディショナは10~15年程度での交換が目安とされ、パネルより先に寿命を迎えるため、営農型でも20年運用なら少なくとも1回の交換費用を見込むのが現実的です。
また、蓄電池を組み合わせた場合は10~15年程度の寿命が多く、FIT期間の途中でリプレースを挟む前提でキャッシュフローを組む設計者も増えています。
営農型ならではのポイントは、架台と基礎(スクリュー杭など)が長年の耕起や農機の走行によってダメージを受けやすく、パネルより先に補修・交換が必要になるケースがあることです。
参考)【まるわかり解説】太陽光発電の処分・廃棄・撤去費用の積立制度…
経済産業省の試算では、産業用太陽光発電の撤去時におけるパネル・架台の廃棄費用が1kWあたり0.57万円、基礎スクリューの廃棄費用が1万円程度とされており、営農型でも同程度の水準を目安にできます。
参考)太陽光発電の撤去費用はいくら?廃棄等積立制度も解説|丸紅の投…
このため、初期設計の段階で「20年目にパワコン交換」「25~30年目にモジュール・架台・基礎の更新または撤去」というライフサイクルシナリオを明示し、農地利用計画と合わせて合意形成しておくとトラブルを防ぎやすくなります。
営農型の場合、支柱間隔やパネル下の作物種に応じてトラクターやコンバインの動線が制限されるため、交換工事の際に一時的に作業導線が塞がれることで営農に支障が出るリスクも見逃せません。
事前に「交換工事は収穫後の農閑期に限定する」「1列ずつ段階的に更新し、常に作業通路を確保する」といった現場ルールを策定し、EPC業者との契約に盛り込んでおくと、寿命を迎えた際のオペレーションがスムーズになります。
参考)太陽光発電の撤去費用を確認しておこう|見積りの詳細と相場を教…
営農型太陽光パネルの廃棄費用は、一般に産業用太陽光発電と同様の水準で見積もられ、50kW以上の設備では1kWあたり1.5万~4万円程度、50kW規模ならおおよそ100万円前後という試算も出ています。
経済産業省の資料では、太陽光パネル・架台の廃棄費用を0.57万/kW、基礎スクリューの廃棄を1万円/kWとし、諸経費を含めると設備費の約5%程度が撤去費用の目安になるとされています。
住宅用レベルの小規模設備では、パネル20枚で撤去・運搬・処分に合計15万円程度という相場も示されており、営農型でも規模に応じてこの数字を比例させる形で概算しやすくなっています。
FIT制度を利用する10kW以上の事業用太陽光発電については、2022年7月から「廃棄等費用の積立制度」が開始され、売電収入から廃棄費用を外部積立する仕組みが導入されています。
参考)太陽電池モジュール(太陽光パネル)の寿命は?廃棄方法や費用も…
この制度では、FIT期間終了の10年前から積立が始まる設計で、FIT価格ごとに廃棄費用積立額の目安が1kWhあたり1円前後(例:40円/kWhなら1.62円/kWh)として示されています。
営農型太陽光も、10kW以上かつFIT認定を受けている設備であれば制度の対象となるため、「廃棄費用は後から考える」のではなく、当初から売電収入の一部を積立てる前提で事業計画を作ることが重要です。
意外と見落とされがちなポイントとして、廃棄費用には「撤去費」「運搬費」「処分費」に加えて、フェンスや防草シート、監視カメラ、電気計器など付帯設備の撤去費用も含まれる場合があることが挙げられます。
営農型では農地として復元するため、支柱穴の埋め戻しや土の入れ替えが必要となるケースがあり、この土木工事費が地域や地盤条件によって大きく変動する点も、通常の産業用よりコスト予測を難しくしている要因です。
営農型太陽光発電の廃棄費用と積立制度の詳細解説として参考になる資料です。
営農型太陽光パネルの寿命を実質的に延ばすには、定期的な点検とメンテナンスによって発電効率の低下と故障リスクを抑えることが不可欠です。
一般的に太陽光パネルは年間0.5~0.8%程度出力が低下するとされており、20年後には初期出力の約90%前後まで落ちる計算ですが、汚れや影の影響を抑えればこの低下幅を小さくできる可能性があります。
営農型では、作物の粉塵や肥料散布、ハウス資材の反射光などがパネル面の汚れやホットスポットの原因になることがあるため、農繁期と合わせた清掃計画を組むと効率的です。
パワコンや接続箱の冷却・換気状態を保つことも寿命延長には重要で、高温多湿な環境下にある農地では、防水・防塵だけでなく風通しを確保した収納方法が有効です。
発電ログを継続的に監視し、前年同月比や近隣設備との発電量比較を行うことで、早期に異常を検知して小さな不具合のうちに修繕できれば、大きな故障と長期停止を防げます。
参考)太陽光発電は10年後どうなる?卒FIT後の選択肢(売電・自家…
こうしたメンテナンスは一見コストに見えますが、卒FIT後に自家消費や営農用電力として活用する期間を含めて考えると、寿命を延ばすことでトータルの発電量が増え、1kWhあたりのコストを下げる効果が期待できます。
営農型ならではの意外なポイントとして、パネル下の雑草管理が寿命と収益性の両方に影響します。
参考)太陽光発電所の廃パネル問題とは? 何が問題で何が正しい?(前…
雑草が伸びてパネルの影になれば発電量が落ちるだけでなく、高湿状態が長く続くことでフレームやボルトの腐食が進みやすくなり、結果的に架台寿命を縮めてしまうことがあります。
防草シートと家畜放牧、低草丈の牧草・ハーブの導入など、営農と雑草抑制を兼ねた工夫を取り入れることで、手間を増やさずに発電設備の長寿命化につなげられます。
営農型太陽光パネルでは、寿命や廃棄費用を検討する際、「撤去後も農地として使い続ける」という前提を織り込んだ出口戦略を設計することが、通常の産業用設備より重要になります。
政府は太陽光パネルの廃棄ピークが2030年代後半に訪れると想定しており、その時期には廃棄処理業者の混雑や費用高騰が懸念されていますが、営農型では農地転用許可や農地復元義務も絡むため、さらに手続きが複雑化する可能性があります。
このため、将来の廃棄ピークを避けるべく、FIT終了前後で計画的に部分撤去・部分リパワリングを行い、負担を平準化する独自戦略も検討に値します。
営農型ならではの出口戦略として、パネルの一部を撤去し、作物の収量が高い区画を優先的に開放することで、発電収入から農作物収入へのシフトを段階的に行う方法があります。
この場合、廃棄費用も1回で全撤去するのではなく、「まず10kW分を撤去」「次に10kW分を5年後に撤去」といった分割対応が可能になり、ピーク時の資金負担を抑えやすくなります。
参考)太陽光発電の廃棄費用と積立制度
さらに、出力低下が進んだパネルの一部を農業用施設(貯蔵庫や選果場屋根など)に移設して自家消費用として再利用し、残りだけを廃棄することで、廃棄量そのものを減らすリサイクル戦略も考えられます。
参考)太陽光パネルの廃棄費用はいくら?2025年の相場と疑問点を解…
資材価格高騰や人手不足を踏まえると、将来の撤去作業を見据えた「解体しやすい設計」にすることも、営農型太陽光ならではの知恵と言えます。
例えば、ボルト類に再利用しやすい規格品を使う、支柱長さを共通化して中古市場に出しやすくする、農機の進入路を確保してクレーン車でなくトラクター+簡易リフターで撤去できる構造にする、といった工夫は、寿命を迎えたときの廃棄費用を下げるうえで有効です。
参考)太陽光発電の撤去費用はどのくらい?費用相場と撤去方法をわかり…
出口戦略まで含めて初期設計を行うことで、「営農型太陽光パネル 寿命 廃棄費用」というキーワードで語られがちな不安要素を、中長期の経営計画の中でコントロール可能なリスクへと変えていくことができます。
営農型太陽光パネルと農地転用・廃棄等に関するガイドラインやFIT・FIP制度の解説資料です。
再生可能エネルギー – FIT・FIP制度 ガイドブック(営農型太陽光の取扱いを含む)

【Oasis Solar】2025.05月新登場 200W=100W 2枚 単結晶 ソーラーパネル 太陽光パネル TOPCon採用で 業界トップ変換効率25% 車用 ベランダ 屋根 船舶 日常・災害 置くだけ・工事不要 12AWGケーブル・MC4プラグ付属 効率改良型 コンパクト小型 78x67x3cm*2 (200W ブラック)