アラキドン酸の食品と効果、赤ちゃんと高齢者の摂取量と注意点

アラキドン酸を多く含む食品やその効果について解説します。特に、赤ちゃんと高齢者にとっての重要性や、適切な摂取量、注意点に焦点を当てています。日々の食事からアラキドン酸を賢く摂取するには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか?

アラキドン酸と食品

この記事のポイント
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豊富な食品

アラキドン酸は鶏卵、豚レバー、鶏レバー、牛肉、豚肉などの動物性食品に豊富に含まれます。

🧠
重要な役割

赤ちゃんの脳の発達や高齢者の認知機能の維持、免疫機能の調整など、健康に不可欠な働きをします。

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バランスが鍵

過剰摂取は炎症促進のリスクも。オメガ3系脂肪酸とのバランス(理想は2:1)を意識することが大切です。

アラキドン酸を多く含む食品と含有量の一覧

 

アラキドン酸は、私たちの体内で合成できない必須脂肪酸の一種で、食事からの摂取が不可欠です 。特に動物性の食品に多く含まれており、日々の食生活で意識的に取り入れることが重要です。植物性の食品にはほとんど含まれていません 。
アラキドン酸の含有量が多い主な食品を以下にまとめました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食品名 100gあたりのアラキドン酸含有量(目安) 特徴
鶏卵(卵黄) 約290mg 手軽に摂取できる代表的な食品。特に卵黄に豊富。
豚レバー 約200mg ビタミンやミネラルも豊富だが、プリン体も多い。
鶏レバー 約170mg 豚レバーと同様に栄養価が高い。
牛肉(サーロイン) 約70mg 部位によって含有量は異なるが、赤身肉に比較的多い。
豚肉(ロース) 約60mg 牛肉と同様、一般的な肉類から摂取可能。
さざえ 約50mg 魚介類の中では比較的多く含まれる 。

より詳細な食品のアラキドン酸含有量については、こちらの食品成分表が参考になります。
これらの食品を日常の食事にバランス良く取り入れることで、必要量を摂取することが可能です 。例えば、朝食に卵料理を一品加えたり、週に数回レバーを使った料理を取り入れたりするのが効果的です。

 

参考)必須脂肪酸「アラキドン酸」とは|効果はある?摂取方法も合わせ…

アラキドン酸の赤ちゃんと高齢者への効果と役割

アラキドン酸は、体の様々な機能を調節する生理活性物質の材料となる重要な成分です 。特に、ライフステージの中でも脳や身体が大きく発達する乳幼児期と、心身機能の変化が大きい高齢者にとって、その役割は非常に重要視されています。

👶 赤ちゃんへの効果:脳と身体の健全な発達をサポート

     

  • 脳の発達:母乳にはアラキドン酸が豊富に含まれており、乳児の脳の発育に不可欠な役割を担っています 。神経細胞の形成を促し、学習能力や記憶力の基礎を作ると考えられています 。
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  • 身体の発育:細胞膜の主要な構成成分であり、赤ちゃんのすこやかな身体の成長を支えます 。
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  • 免疫機能:免疫系の発達にも関与し、体を守る機能の基礎を築きます 。

👵 高齢者への効果:認知機能の維持と健康な生活の延伸

     

  • 認知機能の維持:脳の神経細胞に働きかけ、記憶力や注意力といった認知機能の健康を維持するのに役立つとされています 。物忘れが気になる方にとっても重要な栄養素です 。
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  • 健康維持:血圧の調整やコレステロール値の低下など、生活習慣病予防に関連する働きも報告されています 。ただし、これらの効果は摂取量のバランスが重要であり、過剰摂取は逆効果になる可能性もあります 。

このように、アラキドン酸は特定の年代だけでなく、生涯にわたって私たちの健康を支えるために欠かせない栄養素なのです。

 

アラキドン酸の摂取目安量と過剰摂取のリスク

アラキドン酸は体に必要な成分ですが、その摂取量には注意が必要です。多すぎても少なすぎても、体に不調をきたす可能性があります。

 

適切な摂取目安量

現在のところ、日本においてアラキドン酸単体での明確な摂取基準量は定められていません 。しかし、アラキドン酸が含まれる「オメガ6系脂肪酸」全体としては、1日の総摂取エネルギーの8%〜10%程度が目安とされています。
現代の日本人の食生活は、肉類や加工食品の摂取が増えたことにより、アラキドン酸の摂取量が50年前の約4倍になっているとの指摘もあります 。このため、意識的に摂取するというよりは、過剰にならないようにバランスを考えることが重要です。

 

参考)アラキドン酸

過剰摂取によるリスク 😨

アラキドン酸の最も注意すべき点は、過剰に摂取すると体内で炎症を引き起こす物質に変換されやすくなることです 。

     

  • アレルギーや炎症性疾患の悪化:アトピー性皮膚炎やアレルギー性湿疹などの症状を悪化させる可能性があります 。
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  • 生活習慣病のリスク増大:動脈硬化や一部のがん(大腸がん、前立腺がんなど)のリスクを高める可能性が指摘されています 。
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  • 認知機能への影響:過剰な炎症反応は、長期的には認知機能にも悪影響を及ぼす可能性が懸念されています 。

特に、外食や加工食品を多く利用する方は、知らず知らずのうちにオメガ6系脂肪酸を過剰に摂取している傾向があるため、注意が必要です。

 

アラキドン酸とオメガ3のバランス、炎症反応への影響

アラキドン酸について語る上で絶対に欠かせないのが、もう一方の必須脂肪酸である「オメガ3系脂肪酸」とのバランスです。アラキドン酸が属するオメガ6系脂肪酸と、魚油などに含まれるEPAやDHAなどのオメガ3系脂肪酸は、体内で互いに拮抗するような働きを持っています。

 

 

オメガ6系脂肪酸(アラキドン酸など)

役割:主に炎症を促進する物質を生成
(体を守るための必要な反応でもある)

vs

 

オメガ3系脂肪酸(EPA、DHAなど)

役割:主に炎症を抑制する物質を生成
(過剰な炎症を抑え、バランスを取る)

理想のバランスと現代の食生活

健康を維持するためのオメガ6とオメガ3の理想的な摂取バランスは「2:1」程度と言われています 。しかし、植物油や肉類中心の現代的な食生活では、そのバランスが「10:1」あるいはそれ以上にまで偏っていると指摘されています 。
このバランスの乱れが、体内で慢性的な炎症状態を引き起こし、様々な不調や生活習慣病の一因になっていると考えられています。アラキドン酸の摂取を考える際には、同時にオメガ3系脂肪酸を豊富に含む青魚(サバ、イワシ、サンマなど)や、亜麻仁油、えごま油などを積極的に食事に取り入れることが非常に重要です 。

 

参考)オメガ6は体に悪い?:オメガ3とのバランスが重要!油の上手な…

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」策定検討会の資料でも、脂肪酸のバランスの重要性について言及されています。

アラキドン酸を効率的に摂取する調理法と食べ合わせ

アラキドン酸を食事から摂るなら、少しでも効率よく、そして健康的に摂取したいものです。調理法や食べ合わせを工夫することで、アラキドン酸のメリットを活かしつつ、デメリットを抑えることが可能です。

 

調理法による損失は少ない

アラキドン酸は比較的熱に強い脂肪酸であり、通常の加熱調理(焼く、煮る、炒めるなど)による損失はそれほど大きくありません。そのため、調理法を過度に気にする必要はありませんが、揚げ物のように大量の油を使う調理法は、オメガ6系脂肪酸全体の過剰摂取につながりやすいため注意が必要です。

 

吸収率を高める食べ合わせ ✨

栄養素は単体で摂るよりも、他の栄養素と組み合わせることで吸収や働きが向上することがあります。

 

     

  • ビタミンEと一緒に:アラキドン酸のような不飽和脂肪酸は酸化しやすい性質があります。抗酸化作用のあるビタミンE(ナッツ類、アボカド、植物油など)を一緒に摂ることで、酸化を防ぎ、品質を保ったまま体内に届けることができます。
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  • よく噛んで食べる:基本的なことですが、よく噛むことで消化酵素の分泌が促され、脂質の消化吸収がスムーズになります 。

健康的な摂取のための食べ合わせのコツ 💡

前述の通り、アラキドン酸の摂取で最も重要なのはオメガ3系脂肪酸とのバランスです。

 

     

  • 肉料理には魚料理を組み合わせる:夕食が肉料理だったら、翌日の朝食や昼食には焼き魚を食べるなど、1日や数日のスパンでバランスを調整しましょう。
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  • 香味野菜やスパイスを活用する:ニンニク、生姜、ネギなどの香味野菜や、ターメリック、ローズマリーなどのスパイスには抗酸化作用や抗炎症作用が期待できる成分が含まれています。肉料理にこれらをたっぷり使うことで、アラキドン酸の炎症促進作用を緩和する助けになります。
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  • 付け合わせに海藻やきのこを:食物繊維が豊富な海藻やきのこ類は、余分な脂質の吸収を穏やかにする働きが期待できます。

例えば、「豚の生姜焼きに、付け合わせとしてワカメの酢の物とキノコのソテーを添える」といった献立は、栄養バランスの観点からも非常に理にかなっています。このように、少しの工夫でアラキドン酸と上手に付き合っていくことができます。

 

 


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