必須脂肪酸覚え方ゴロ|種類と働き

必須脂肪酸を効率的に暗記できるゴロ合わせと、オメガ3・オメガ6の種類や働きをわかりやすく解説します。農業従事者の健康管理にも役立つ脂肪酸の知識を覚えたいと思いませんか?

必須脂肪酸覚え方ゴロ

📝 この記事で分かること
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ゴロ合わせで簡単暗記

必須脂肪酸5種類を語呂合わせで効率的に覚える方法を紹介

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オメガ3とオメガ6の違い

体内で合成できない必須脂肪酸の分類と特徴を解説

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農業への応用

脂肪酸が作物の生育やストレス緩和にもたらす効果

必須脂肪酸ゴロ合わせ基本編

必須脂肪酸を覚えるための代表的なゴロ合わせは「リノールとリノレンは必須で収縮」です。このゴロは、リノール酸とα-リノレン酸という2つの主要な必須脂肪酸を簡潔に覚えられる語呂合わせとして、薬学生や管理栄養士の間で広く使われています。

 

参考)25年4月神ワザ集◎必須脂肪酸ゴロ覚え方薬学 - ゴロぶろぐ

さらに詳しく覚えるなら「アリがドコかでエールを送る!リノールが必須!」というゴロも効果的です。このゴロでは「ア」がアラキドン酸(n-6系)、「ドコ」がDHA(ドコサヘキサエン酸)、「エー」がEPA(エイコサペンタエン酸)を表し、必須脂肪酸5種類をまとめて記憶できます。

もう一つ覚えやすいのは「あ、りん酸とリノールにアラキドン」というゴロです。これは特に薬学生向けに開発された語呂合わせで、α-リノレン酸、リノール酸、アラキドン酸の3つを一度に覚えられる優れた記憶術として知られています。

必須脂肪酸の種類とオメガ系分類

必須脂肪酸は体内で合成できないため、食事から摂取しなければならない脂肪酸です。具体的には、リノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)の5種類が必須脂肪酸とされています。

 

参考)必須脂肪酸 - Wikipedia

これらはオメガ系(n-系)という分類で整理されます。n-6系多価不飽和脂肪酸にはリノール酸とアラキドン酸が属し、n-3系多価不飽和脂肪酸にはα-リノレン酸、DHA、EPAが含まれます。この分類は、炭素鎖の末端から数えて何番目に二重結合があるかで決まり、メチル基側から3番目がオメガ3系、6番目がオメガ6系となります。

必須脂肪酸の欠乏は髪のパサつきや抜け毛、創傷の治癒遅延などを引き起こします。一方で、リノール酸には血中コレステロール値や中性脂肪値を一時的に低下させる作用があります。

 

参考)リノール酸 - Wikipedia

必須脂肪酸の働きとバランス

オメガ6とオメガ3はどちらも必須脂肪酸ですが、その働きは正反対です。オメガ6(リノール酸やアラキドン酸)は白血球を活性化する働きがあり、過剰摂取すると白血球が血管などの細胞まで攻撃してしまう可能性があります。

 

参考)100秒でよめる・できるマガジン

一方、オメガ3(α-リノレン酸、EPA、DHA)は炎症を抑制する効果を持ちます。EPA(エイコサペンタエン酸)は血小板凝集の抑制や中性脂肪の低下に効果があり、アラキドン酸の炎症効果に拮抗します。

 

参考)EPA・DHA - オーソモレキュラー栄養医学研究所

理想的なバランスはオメガ6:オメガ3が4:1から2:1の間とされています。しかし現代人の食生活では、サラダ油などに多く含まれるオメガ6を過剰摂取する傾向があり、10:1から50:1という極端なバランスになっています。このバランスの崩れは体内の炎症反応を増加させ、代謝性疾患のリスクを高めます。

 

参考)オメガ3(ω3)、オメガ6(ω6)のお話 / 小椎尾 真衣(…

必須脂肪酸を含む食品と摂取方法

リノール酸(オメガ6)は大豆油、コーン油、ごま油、くるみなどに多く含まれています。これらは日常的に使われる植物性オイルやナッツ類に豊富なため、現代の食生活では自然に摂取できています。

 

参考)必須脂肪酸(ひっすしぼうさん) – 血管の健康と…

α-リノレン酸(オメガ3)はエゴマ油、アマニ油、キャノーラ油などに多く含まれます。これらの油はサラダ油と比べると身近ではないため、意識的に摂取する必要があります。

 

参考)https://www.hosp.tohoku.ac.jp/pc/img/tyuuou/nst_shibo.pdf

DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は青背魚の脂に多く含まれています。サバ、イワシ、アジなどの青魚を定期的に食べることで、これらの必須脂肪酸を効率的に摂取できます。α-リノレン酸は体内でEPAやDHAに変換されますが、この反応を促す酵素が弱いため、魚から直接摂取することが推奨されます。

 

参考)オメガ3・6・7・9脂肪酸の力を知りましょう|ダイケンバイオ…

農林水産省の脂肪酸に関する公式情報(脂肪酸の分類と特徴について詳しく解説)

必須脂肪酸の飽和・不飽和脂肪酸との違い

脂肪酸は大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。飽和脂肪酸は構造中に二重結合を持たない脂肪酸で、パルミチン酸(炭素数16)やステアリン酸(炭素数18)が代表的です。これらは常温で固体の脂に多く含まれ、体内でも合成できます。

 

参考)飽和脂肪酸の炭素数のゴロ(覚え方)|薬学ゴロ - 薬学部はゴ…

不飽和脂肪酸は構造中に一つ以上の二重結合を持つ脂肪酸です。一価不飽和脂肪酸(オレイン酸など)は一つの二重結合を持ち、多価不飽和脂肪酸(リノール酸、α-リノレン酸など)は二つ以上の二重結合を有します。

 

参考)飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸(トランス脂肪酸)

必須脂肪酸は多価不飽和脂肪酸に分類され、体内で合成できないという特徴があります。飽和脂肪酸は体内で合成されるため必須ではありませんが、不飽和脂肪酸の一部は食物から摂取しなければならない必須脂肪酸となります。覚え方としては「バス降りれん」というゴロがあり、「バス」が飽和脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸)、「降りれん」が不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸)を表します。

 

参考)リノール酸は必須脂肪酸(ひっすしぼうさん)?知っておきたい役…

必須脂肪酸と農業への応用知識

脂肪酸は農業分野でも注目されており、作物の生育や品質向上に活用されています。特に希少脂肪酸は環境ストレスを緩和し、安定した生育をサポートする効果があることが明らかになっています。

 

参考)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000120471.html

脂肪酸はアミノ酸の2倍、糖の4倍以上のエネルギー量を持つため、肥料として作物に与えると効率よくエネルギーを吸収させることができます。この特性を活かした「リーフエナジー」という希少脂肪酸製品が農業界で導入され、品質や収穫量のサポートに貢献しています。

農業従事者自身の健康管理においても、必須脂肪酸の知識は重要です。体力を必要とする農作業では、オメガ3とオメガ6のバランスを意識した食事が、炎症の抑制や循環器系の健康維持に役立ちます。特にオメガ3系脂肪酸は眼の網膜や脳、神経系の発達と機能に重要な役割を果たし、心疾患リスクを低下させるため、長時間の作業で疲労が蓄積しやすい農業従事者にとって積極的に摂取すべき栄養素です。