自作水田除草機の最大の魅力は、驚くほど低コストで製作できる点です。最もシンプルな竹ぼうき式除草機の場合、竹ぼうき2本、長さ1.8メートルの角材2枚、ねじ約20本、U字形のサドルバンド4個で製作でき、材料費は約1,000円程度に抑えられます。一方、チェーン除草機の場合は、塩ビ管(2m)、塩ビ管の蓋、鎖チェーン64個、結束バンド64本、標識ロープなどの材料が必要で、材料費は7,000〜8,000円程度となります。
参考)https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1018348/2011-11.pdf
これらの材料はすべてホームセンターやインターネットショップで入手可能で、特殊な工具も不要です。市販の乗用型除草機が500万円前後するのに対し、自作除草機は材料費のみで製作できるため、小規模農家や有機栽培に挑戦したい初心者にとって理想的な選択肢となります。
参考)kihon:5b [機械除草技術を中心とした水稲有機栽培技術…
チェーン除草機は有機栽培農家の間で最も人気の高い自作除草機です。製作方法は比較的シンプルで、まず塩ビ管(直径25mmまたは40mm、長さ2m)を用意し、両端に蓋を取り付けます。次に塩ビ管に約3cm間隔で印をつけ、各位置に結束バンドでチェーンを固定していきます。チェーンの長さは30cm程度が標準的で、水田の条間に応じて調整可能です。
参考)チェーン除草機の作り方を解説!実際の使い方や効果も
両端には標識ロープを取り付けて引っ張れるようにし、完成後は実際の田んぼで動作確認を行います。製作時間は2〜3時間程度で、特別な技術は不要です。チェーンが土壌表面を撹拌することで、発芽したばかりの雑草を根から浮かせて除草する仕組みです。タイヤチェーンなどでも代用可能で、材料の工夫次第でさらにコストを抑えられます。
参考)無農薬栽培におすすめ! 田んぼの草取りが楽しくなる「中野式除…
鳥取県農林水産部による水稲有機栽培のためのチェーン除草機製作マニュアル(PDF)
竹ぼうき式除草機は最もシンプルで低コストな自作除草機として注目されています。基本構造は、長さ1.5〜1.8mのSPF1×4材または角材に、6本程度の竹ぼうきを24cm間隔で固定したものです。竹ぼうきの先端部分が水田の土を撹拌し、雑草を浮かせる役割を果たします。
参考)田んぼの草取りを楽にする「竹ぼうき除草機」の作り方【DIY的…
製作手順は、まず角材の両端を45度の角度でカットし、竹ぼうきを固定する位置に印をつけます。L字金具やビス(65mm)を使って竹ぼうきを角材にしっかりと固定し、操作しやすいように持ち手となる自然木(直径50mm程度)を取り付けます。最後に竹ぼうきの先端を園芸バサミで揃えて完成です。この除草機は立ったまま作業でき、狭い株間でも稲を傷つけずに除草できる利点があります。
参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E6%B0%B4%E7%94%B0%E4%B8%AD%E8%80%95%E9%99%A4%E8%8D%89%E6%A9%9F/
マイナビ農業による竹ぼうき除草機の詳細な作り方と実演動画
中野式除草機は、防水合板(18cm×45cm)をベースにピアノ線を平行に張った独特の構造を持つ除草機です。ピアノ線は約2.5〜4cm間隔で木ネジに固定され、特許第5147086号を取得している技術です。この除草機の特徴は、水田の表層1〜1.5cmの発芽層だけを撹拌し、発芽したての幼い雑草を効率的に浮き上がらせる点にあります。
参考)http://www.shikoku-np.co.jp/national/life_topic/20050614000315
使用方法は、田植え約1週間後、水深4〜5cmの状態で、稲株に近づけて前後10cmほどの範囲で小刻みに動かします。この動作を5〜6回繰り返すことで、イネの株が振動で揺れるくらいまで株元ギリギリに寄せて除草します。下層の種は眠ったままなので、2番草の発生が少なく、初期に2回除草すれば秋まで草取り作業が不要になるケースもあります。ピアノ線の張り替えは3〜4年毎が推奨されています。
参考)https://www.ruralnet.or.jp/gn/201705/nakano.htm
農文協による中野式除草機の使用法と効果の詳細解説
自作水田除草機には明確なメリットとデメリットが存在します。メリットとしては、第一に圧倒的な低コスト性が挙げられます。材料費1,000〜8,000円程度で製作でき、市販の乗用型除草機(500万円前後)と比較して初期投資が極めて少なくて済みます。第二に、除草剤を使用しないため環境負荷が低く、安全な有機米の生産が可能になります。第三に、材料がホームセンターで入手できるため、故障時の修理や改良が容易です。
参考)水稲有機栽培における高能率除草機導入の経済効果
一方デメリットとしては、作業能率の低さが最大の課題です。手押し式の自作除草機では1反(10a)の除草に数時間を要し、7日間隔で2〜3回の作業が必要なため、大規模経営には不向きです。また、除草効果は使用者の技術や水田条件に大きく左右され、適切な水深管理(3〜5cm)や雑草が小さいうちの作業が求められます。さらに、重労働であるため体力的な負担が大きく、高齢農家には厳しい作業となる可能性があります。
参考)乗用の水田除草機で有機農業の除草作業を楽に|最新技術実証|営…
下記の表は自作除草機と市販除草機の主要な違いをまとめたものです。
| 項目 | 自作除草機 | 市販乗用型除草機 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 1,000〜8,000円 | 約500万円 |
| 作業時間(10a) | 2〜3時間 | 0.5〜1時間 |
| 除草効果 | 50〜60% | 80%以上 |
| 適用規模 | 1反程度 | 8ha程度 |
| 体力負担 | 大きい | 小さい |
自作除草機の効果を最大限に引き出すには、適切な使用時期と方法の理解が不可欠です。最も重要なポイントは、雑草が「赤ちゃん」のうち、つまり発芽直後の小さな段階で除草作業を行うことです。田植え後7〜10日間隔で、合計2〜3回の除草作業を実施することで、除草率50〜60%以上の効果が期待できます。
参考)農業機械研究部門:緊プロ開発機のご紹介:高精度水田用除草機
水深管理も極めて重要で、作業時は3〜5cmの水深を保つ必要があります。水深が深すぎると除草効果が低下し、浅すぎると稲を傷める危険性があります。作業時は急旋回や切り返しを避け、できるだけ大きな半径で旋回して稲の損傷を最小限に抑えます。また、除草作業時期以外は可能な限り深水管理を行うことで、雑草の発生自体を抑制できます。
参考)https://amoni.iseki.co.jp/article/766/
使用後のメンテナンスとして、チェーン除草機の場合は定期的にチェーンの状態を確認し、破損したものは交換します。中野式除草機のピアノ線は3〜4年毎の張り替えが推奨されています。これらの維持管理を適切に行うことで、長期間にわたって除草効果を維持できます。
参考)中野水田除草研究所
山口県によるエコ100水稲栽培の除草技術マニュアル(PDF)

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