ソラリゼーションガラスの紫外線透過率低下

ソラリゼーションガラスの仕組みと、温室での採光・遮熱・耐久の考え方を整理し、現場での点検と対策まで具体化します。透過率低下を見逃さない運用、できていますか?

ソラリゼーション ガラス

ソラリゼーション ガラスの要点
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透過率低下=じわっと効く

紫外線などの照射でガラスの透過率が落ちる現象がソラリゼーション。作物側の「光が弱い」症状として遅れて出るのが厄介です。

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温室は光が収量に直結

温室はガラスやフィルムで採光して栽培する仕組みなので、被覆材の透過特性の変化は生育・品質・作業性に波及します。

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材料と運用で抑える

耐ソラリゼーション性(低ソラリゼーション)の材料選定に加え、点検・清掃・部分更新などの運用設計が現実的な対策になります。

ソラリゼーション ガラスの透過率低下と紫外線


ソラリゼーションは、光(例:UV)照射後にガラスの透過率が低下する現象として説明されます。
照射時間が長いほど効果が大きくなる、つまり「一気に壊れる」のではなく「じわじわ暗くなる」タイプの劣化として捉えるのが実務的です。
温室では採光が前提の設備なので、被覆材(ガラス・フィルム)の分光透過特性が変わると、体感より先に作物側の反応(伸長、花数、着色、糖度の揺れなど)として現れる可能性があります。
温室の現場で見落としやすいのは、「日射量は外で測る」一方で「被覆材を通った後の光(ハウス内の実効光)」は測られていないことです。


参考)【農業を始める方向け】ビニールハウスで日射を制御する方法とは…

日射制御の議論は遮光カーテンや反射シートに寄りがちですが、そもそも被覆材自体の透過率が落ちていれば、制御の基準点がズレます。

特に、透過率低下が波長で不均一に起こると、単純に「暗い」だけでなく光質(見え方・色の再現)の変化としても感じられます。


参考)ソラリゼーション (物理学)とは - わかりやすく解説 We…

ソラリゼーション ガラスの耐性と材料(低ソラリゼーション)

耐ソラリゼーション性をうたうガラスは、長時間の放射線曝露後でも可視(VIS)~近赤外(NIR)で高い透過率を維持する設計が特徴として示されています。
例えばカバーガラス用途では「UVソラリゼーションにも耐える設計」「有害なUV-B/UV-Cの大部分を吸収」といった整理がされており、UVの扱い方(通す・吸収する・劣化しにくい)を設計思想として分けて考えられます。
あまり表に出ない話として、耐ソラリゼーション性は“表面の汚れ”とは別軸です。


参考)https://www.agriexpo.online/ja/seizomoto-agri/kiwado-1632.html

汚れは清掃で回復しますが、ソラリゼーションは材料内部の欠陥中心(色中心など)に関係し、時間を巻き戻す清掃が効きません。

そのため「清掃しても明るさが戻らない」「同じ清掃頻度なのに年々ハウスが暗い」という場合、汚れの問題ではなく材料の分光透過特性の変化を疑う価値があります。

ソラリゼーション ガラスと温室の採光・遮光・換気

温室はガラスやビニールで採光し、植物栽培に太陽光エネルギーを利用するという基本構造が改めて指摘されています。
そのうえで、温室設計の重要点として「採光と換気」が核である、という整理もあります。
ここで実務の落とし穴になるのが、遮光や温度対策を“後付け”で強くしすぎることです。

被覆材の透過率がソラリゼーション等で下がっているのに、さらに遮光カーテンや塗布材で日射を落とすと、夏の葉焼けは抑えても、春秋冬の光量不足で取り返しがつかない局面が出ます(特に収穫期が短い作型)。

「外気が暑いから遮光」ではなく、ハウス内の実測(日射・温度・湿度・CO2)を基準に、遮光と換気の“効かせ方”をチューニングするのが安全です。

また、太陽光発電(PV)温室では、透光性PVモジュールの“間隔”などで光透過率を制御する設計観点が述べられています。


参考)ソーラーハウスで農作物の収穫量を最大化|EB BLOG

これは、ガラス(被覆材)そのものの透過特性と、構造物(セル配置・遮光ネット等)による透過制御が重なって最終的な光環境が決まる、という示唆でもあります。

ソラリゼーション ガラスの点検と施工の注意点(独自視点)

独自視点として、温室のガラス(またはガラス相当部材)の評価は「割れ・漏水」中心になりやすく、「透過率の経年変化」をKPI化している現場は多くありません。
しかしソラリゼーションは、照射時間が長いほど影響が大きくなると説明されており、運用年数が伸びるほど“差”が積み上がるタイプです。
そこで、次のように“現場で回せる点検”に落とすと、検出が早くなります。
・透過の簡易点検(おすすめの考え方)

  • 同一晴天日の同時刻に、屋外日射(水平面)とハウス内日射(作物上)を測り、比率を「被覆透過の目安」として記録する(機器がなければレンタルでもよい)。​
  • 清掃前後で比率が大きく戻るなら汚れ寄与、戻らないなら材料寄与(ソラリゼーション等)を疑う、という切り分けに使う。​
  • 比率の経年トレンドを作り、換気や遮光の設定変更を“透過率の変化込み”で見直す。​

・施工・取り扱いでの事故回避(ガラス一般の注意として)
ガラス製品では、養生方法や汚れ付着の回避など、施工・取り扱い上の注意事項が示されており、表面ダメージや品質低下を招く行為を避けることが重要です。


参考)建材一体型太陽光発電ガラス(BIPV)「サンジュール」の注意…

また、建築用のフィルム施工手順では、清掃→石けん水スプレー→カット→貼付け・圧着といった標準手順が整理されており、汚れ・異物混入を減らす“段取り”の考え方は温室の透明部材でも応用できます。


参考)施工マニュアル

ソラリゼーション自体は材料内部の問題ですが、表面のキズ・汚れ・薬剤由来の曇りが上乗せされると「透過率低下の原因が混ざって」診断が難しくなるため、施工と清掃の品質管理でノイズを減らすのが結果的に有利です。

参考:ソラリゼーションの定義と、照射後に透過率が低下するという説明の根拠
https://patents.google.com/patent/JP2018024572A/ja
参考:低ソラリゼーション特性や、UVの吸収・VIS/NIR透過といった材料側の整理(耐性の考え方)
https://www.schott.com/ja-jp/products/solar-cell-cover-glasses-p1001000
参考:温室がガラス/ビニールで採光しているという基本整理(温室×光の前提確認)
https://ieei.or.jp/2021/08/column210804/




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